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1990年代、モザンビークの国内線は一日置きの山手線形式だった

トップ画像:mimiminekoさん from Illust AC

私がモザンビークに「通い」始めた1990年代、
モザンビーク航空(LAM: Linhas Aéreas de Moçambique) は
2機しか飛行機を所有していませんでした。

その2機を駆使して、自国と南アフリカを結ぶ国際線と、
国内の各地を巡る国内線を賄っていました。

国際線については、南アフリカのヨハネスブルグという
唯一の往来先ですから、至ってシンプルです。

一日置きにマプト⇔ヨハネ間を一往復するだけなので、
余った時間で同機を国内線としても使用できます。

国内線の定期便は毎日運航、

但し

今日が時計回り(言わば外回り)なら、
明日は反時計回り(内回り)
といった山手線方式で(笑)、
丸一日掛けて国内の主要都市を4~5か所巡ります。

でも、国全体をカバーしなければなりませんから、
4~5か所の内容が曜日によって違ったりもします。

使用する機体もその日によりけりで、
機種の能力の都合で所要時間もまちまちなら、
故障による運休もしばしば…。

また、一か所で遅れが出れば、
順繰りどんどん後の経由地も遅れていく、
という「方式」です…。笑

ちなみに
こんな条件下で出張の旅程を組むのは至難の業です。

予約する便を間違えれば、
反時計回りなら1時間で行けるところが
一日がかりの「長旅」になってしまったり、

仕事は二泊すれば片付くのに、
4~5泊しないと、都合の良い復路の便がなかったりで…。

しかも当時は、

「アフリカでは、飛行機とは落ちるまで使うものだと
考えている航空会社が多いので注意が必要」


と言われていた時代で、
(おいおい、そんなもん注意しようがないじゃないか!ですが…。>笑)

今考えると、
よくあんなものに乗って平気で移動していたものだと思います、マジで…。

*****

ある時、
首都マプトから帰路に就くべく南アのヨハネ行きの便を待っていると、
「ちょっとした故障で遅れているが、飛ぶから待て」
と言われ、

当時は店も何もないターミナルで
飲まず食わずで3時間以上待たされたことがあります。

しかも、事情通の人によると、その日飛ぶ予定の機体は
より古くあぶなっかしい機体で、

「普段はトンカントンカンあちこち叩いたりして
なんとか飛ばしてしまうんですけれど、今日は遅いですねぇ~。。。」

と!

『トンカントンカンって、昔は叩いたら映るテレビとかも存在したけれど、
空を飛ばそうっていう代物がそんなんでいいのか?
いいわけないだろう~!!!』

心の声

この時ばかりは

「神様、仏様~!」

と、本気で祈ってしまいました。>笑

すると、
その祈りが通じたのか(?)

「今日はなんとしても動かないので、南ア航空から機体を借りました。
まもなく来ますから~」

との連絡が。
(当時は館内アナウンスもなく、係員が口頭で伝えにくる「システム」笑)

ほどなくして大きな南ア航空の飛行機が到着し、
乗り込んだと思ったら、あっという間に離陸して、
わずか30~40分でヨハネに到着してしまいました。

機体の緊急貸し出しということで、
機内食などは積んでおらず、

ただ一つ、キャラメル味のアイスクリームが出ました。

そのアイスの美味しかったことといったら、
言葉にも言い表せないほどで、

それ以来、未だに
南アでアイスを食べる機会があると、
決まってキャラメル味にしています。>笑

*****

アフリカ出張は、
いろいろあった方が面白いと思っている私ではありますが、
やっぱり恐いものは恐いよなぁ~、と
今更ながら思います、はい。

本日もお読み頂き、ありがとうございました!

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※ 「ひらめき電球くん」はこたつぶとんさんの作品です。






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