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タマネギの小さいのは長ネギ?!

こちら ⇓ は、

「息子ちゃん、庭で長ネギ(cebolinha)を取ってきて!」


と言われて息子が持ってきた、否、連れてきたのは、
モニカと仲間たちの登場人物の「Cebolinha」でした
というだけの漫画です…。

❇❇❇

この漫画は、最近ちょくちょく作品を紹介させて頂いている
若きブラジル人漫画家ウィーリアン・マルコス氏のものですが、

タマネギ頭の「Cebolinha【セボーニャ】
ブラジルでは超が付くほど有名な
マウリシオ・デ・ソウザ大先生の作品の
メインキャラクターの一人なので、
なにかと「ネギ&玉ねぎ話」に登場してしまいます。w

ちなみにキャラクターの「Cebolinha【セボーニャ】の場合は、
タマネギを意味する「cebola【セーラ】
「小さい○○」または「○○ちゃん・君」」を意味する
接尾語の「inha【イーニャ】」を付けて、
言わば「タマネギくん」という名前なのですが、

同様の構造で、同じ読みの
「cebolinha【セボーニャ】は、
ブラジルでは長ネギをも意味するのです。

… んっ?!

『ブラジルでは』と言ったかと?!


はい、言いました!w


そう、例によって、
長ネギのことを「cebolinha」というのはブラジルだけで、
他のポルトガル語圏では
ちょっとだけ違った呼び方をします。

でも、幸い違いは本当にちょっとだけなんです…。

だって、ブラジル以外のポルトガル語圏(欧州葡語圏)では
長ネギのことを

「cebolinho【セボリーニョ】」

というのですもの!👀 w

そう、語尾が「ニャ」「ニョ」だけの違いなのです。

ちなみに…、
似ているからこそ、いざとなると
どっちがどっちか分からなくなるので一層難しい…
とも言えるんですけどね…。w

❇❇❇

今や皆さんもご存じのとおり、
ポルトガル語では
語尾が「o」の単語は男性名詞、
語尾が「a」の単語は女性名詞であることが多く、
定冠詞も男性形が「o」、女性形が「a」ですから、

a casa【ア・ーザ】」=「家」(英:"the house")
o caso 【ウ・ーズ】」=「その件・事件」(英: "the case")

といった塩梅に
「定冠詞+名詞」のセットの初めと終わりの
文字が一致するケースが多いのですが、

ブラジルのポルトガル語(伯葡語)の場合、

長ネギ =a cebolinha
キャラクターのタマネギくん = 「o Cebolinha

といった不一致が起きることも結構あります。

※ ポルトガル語では「我々の知っているかの○○さん」といった意味の場合
  には、人名にも定冠詞を付けることができます。

一方、ブラジル以外のポルトガル語(欧州葡語)の場合は
以前紹介した「moto」「mota」https://note.com/smahof/n/nacab6d2e09a6
の例でも分かるとおり、
そういった不一致はあまり好まないようなのです。

いや、
元々タマネギを意味する「cebola」は女性名詞なので、
実際どうして欧州葡語では伯葡語のように
女性名詞のまま「cebolinha」としなかったのかは不明ですが、

恐らく
「『cebolinha』はあくまでも『小さなタマネギ』なので、
きちんと差別化しなければ!」
と考えて、
新たに男性形の単語を作ったのではなかろうかと推察されます。

そして、そういった場合、

・ ブラジル人は
定冠詞と名詞の語尾が一致しなくても気にしない代わり
名詞の語尾を変えることには違和感を感じる。

・ ポルトガル人は
名詞の語尾を変えることには違和感を感じないが、
定冠詞と名詞の語尾が一致しないのは気になる。

という特性がありますから、

「長ネギは小さいタマネギのことではないので、
語尾を変えて『cebolinho』という新たな男性名詞にしましょう。
男性名詞ですから、当然定冠詞を付けた場合は
『o cebolinho』ということで♪」


…てなことだったんじゃないかなぁ~…
と思うのであります...。

❇❇❇

というわけで、最後におさらいです!

  ・「a cebolinha」  = 伯葡語で「長ネギ」
  ・「o Cebolinha」 = 漫画のキャラクターの「セボリーニャ」
  ・「o cebolinho」 = 欧州葡語で「長ネギ」


まどろっこしいだけの話で失礼致しました!m(_ _)m

世界一強い女の子であるモニカにちょっかいを出しては追いかけられるセボリーニャ
https://www.youtube.com/watch?v=xFRPE4PTGmk







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