【2つのポルトガル語】「ElizabethⅡ」対「Isabel Ⅱ」
英国のエリザベス女王がご逝去されました。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
ところで、
トップ画像は
「BBCブラジル」の見出しで、
「エリザベス2世」は
「Elizabeth 2a」と表記されていますね。
「2a」は「Segunda【セグンダ】」と読まれ、
無論「Ⅱ」と表記することも可能です。
また、
「女王」は「Rainha【ハイーニャ】」、
「イギリス」は「Inglaterra【イングラテーハ」】」なので、
「英国の女王エリザベス2世」
というならば、
「Rainha Elizabeth Ⅱ(Segunda) da Inglaterra」
【ハイーニャ・エリザベッチ・セグンダ・ダ・イングラテーハ】
といいます。
❇❇❇
と、ここまでがブラジルのケースで、
一方の欧州葡語圏のニュースを見てみると、
このように
「エリザベス2世」は
「Isabel Ⅱ【イザベル・セグンダ】」
になっています。
新国王「チャールス3世」も
このとおり、
「Carlos Ⅲ」
【カルロス・テルセイル】
です。
こんなところにも、
「どんどん外来語を取り入れるブラジル」
と
「同じキリスト教文化の下にあり、
同じ欧州に存在する国家同士としての
伝統を重んじるポルトガル」
という違いを見てとることができます。
要は、
ポルトガル人としては、
「Elizabeth」を「Isabel」とすることに対しても、
「Charles」を「Carlos」とすることに対しても、
「外国の人名を訳している」などという意識はなく、
それは単なる
「それぞれの国における言い方の違いに過ぎない」
という認識なのです。
❇❇❇
ちなみに昔、母がよく
「ポルトガル語では『ニューヨーク』のことを
『ノーヴァイヨルキ(Nova Iorque)』などという。
他国の地名を訳すとは、なんと無礼な!」
と怒っていましたが、
私から見れば、
「昔からお付き合いのあるイギリスさんは、
新天地アメリカでお造りになった町に、
祖国のヨークの面影をと、
『新ヨーク』と名付けられたのですね!おほほっ♪」
程度のことで、
日本などとは比べ物にならないほど
昔からの「お知り合い」同士だからこそ
そうなるのだろうと解釈していましたが、
無論
「恐ろしい母」には
そのような反論はできませんでした。w
❇❇❇
そんなこんなで、
英国のロイヤルファミリーの相関図も、
ブラジルとポルトガルでは
以下のように異なります。
伯葡語版相関図
↓
欧州葡語版相関図
↓
とはいえ、こちら ↑ では
ウィリアム王子の世代以降は
「ポルトガル語化」されていませんので、
欧州葡語も「人名はそのまま」
とういう方向にシフトしているのだと思われます。
が、
ちょっと古くて画質も悪いこちら ↓ を見ると、
「Anne」は「Ana」、
「Andrew」は「André」、
「Edward」は「Eduardo」、
そして
「William」までもが
ポルトガル語の
「Guilherme【ギリェルメ】」になっています!
❇❇❇
ま、「ところ変われば...」
といったところではあるのですが、
カタカナで世界史を考える日本人にとっては
「エリザベス2世」が「イザベル2世」になってしまうのは
いささか迷惑だとしかいえませんね…。💦
本日もお読み頂き、誠にありがとうございました!
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