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【2つのポルトガル語】「ElizabethⅡ」対「Isabel Ⅱ」

英国のエリザベス女王がご逝去されました。

謹んでご冥福をお祈り申し上げます。


ところで、
トップ画像は
「BBCブラジル」の見出しで、
「エリザベス2世」
「Elizabeth 2a」と表記されていますね。

「2a」「Segunda【センダ】と読まれ、
無論「Ⅱ」と表記することも可能です。

また、
「女王」「Rainha【ハーニャ】」、
「イギリス」「Inglaterra【イングラーハ」】」なので、

        ※ 「England」→「Inglaterra」
          「Great Britain」→「Grã Bretanha」
          「United Kingdom」→「Reino Unido」

「英国の女王エリザベス2世」
というならば、

「Rainha Elizabeth Ⅱ(Segunda) da Inglaterra」

ーニャ・エリザッチ・センダ・ダ・イングラーハ

といいます。

https://revistaforum.com.br/global/2022/9/8/rainha-elizabeth-ii-da-inglaterra-morre-aos-96-anos-122945.html

❇❇❇

と、ここまでがブラジルのケースで、

一方の欧州葡語圏のニュースを見てみると、

https://pt.euronews.com/
https://sicnoticias.pt/

このように

「エリザベス2世」
「Isabel Ⅱ【イザル・センダ】
になっています。

新国王「チャールス3世」
このとおり、

「Carlos Ⅲ」
ルロス・テルイル】
です。

こんなところにも、

「どんどん外来語を取り入れるブラジル」



「同じキリスト教文化の下にあり、
同じ欧州に存在する国家同士としての
伝統を重んじるポルトガル」

という違いを見てとることができます。

要は、
ポルトガル人としては、
「Elizabeth」を「Isabel」とすることに対しても、
「Charles」を「Carlos」とすることに対しても、
「外国の人名を訳している」などという意識はなく、
それは単なる
「それぞれの国における言い方の違いに過ぎない」
という認識なのです。

❇❇❇

ちなみに昔、母がよく

「ポルトガル語では『ニューヨーク』のことを
『ノーヴァイヨルキ(Nova Iorque)』などという。
他国の地名を訳すとは、なんと無礼な!」

と怒っていましたが、

私から見れば、

「昔からお付き合いのあるイギリスさんは、
新天地アメリカでお造りになった町に、
祖国のヨークの面影をと、
『新ヨーク』と名付けられたのですね!おほほっ♪」

程度のことで、
日本などとは比べ物にならないほど
昔からの「お知り合い」同士だからこそ
そうなるのだろうと解釈していましたが、

無論
「恐ろしい母」には
そのような反論はできませんでした。w

❇❇❇

そんなこんなで、
英国のロイヤルファミリーの相関図も、
ブラジルとポルトガルでは
以下のように異なります。

伯葡語版相関図

https://www.bbc.com/portuguese/internacional-61658175

欧州葡語版相関図

https://observador.pt/2015/05/04/charlotte-elizabeth-diana-nome-da-filha-kate-william/

とはいえ、こちら ↑ では
ウィリアム王子の世代以降は
「ポルトガル語化」されていませんので、
欧州葡語も「人名はそのまま」
とういう方向にシフトしているのだと思われます。

が、
ちょっと古くて画質も悪いこちら ↓ を見ると、

https://www.graphicnews.com/pt/pages/30750/nascimento-real-familia-real-britanica

「Anne」は「Ana」、
「Andrew」は「André」、
「Edward」は「Eduardo」、
そして
「William」までもが
ポルトガル語の
「Guilherme【ギリェルメ】」になっています!

❇❇❇

ま、「ところ変われば...」
といったところではあるのですが、
カタカナで世界史を考える日本人にとっては

「エリザベス2世」が「イザベル2世」になってしまうのは
いささか迷惑だとしかいえませんね…。💦

本日もお読み頂き、誠にありがとうございました!




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