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【英→ポ誤訳】ありがちな翻訳ミスを見つけてしまいましたよ!

こちらをご覧ください。

(英語版:https://twitter.com/wawawiwacomics)
(ポルトガル語版:https://www.comics.zenite.nu/category/cartoons/page/10)

これは
コロンビア人のアンドレス・J・コルメナレスという
イラストレーターさんが運営しているサイトの英語の漫画と、
それをポルトガル語に訳したものが、
ブラジルのサイトで紹介されていたものです。

コルメナレス氏のサイトはこちら。

最近ちょくちょく紹介している
可愛い地球君とかお月様とかが出てくる
漫画を描いていらっしゃる方ですね♪

ちなみに私がポルトガル語版をお借りしているのは
こちらのサイト。

これ☝は
宇宙やUFOや宇宙人をテーマにした
国内外の漫画を紹介しているブラジルのサイトで、
私は最近何気にハマっちゃっているのです。

ちなみに
今回紹介する漫画の
英語からポルトガル語への翻訳は
https://www.facebook.com/ProfessordeFisica
という、物理の面白実験などを紹介しているサイトが
行ったようなのですが…、

(↓ ここからがようやく本題です!w)

英語のオリジナル文が

「Let's play!」


ということは、

英語が苦手な方でも
「あ、『遊びましょ!』って誘っているのね!」
と、すぐに分かりますよね?

ところが、対訳の筈のポルトガル語の

「Vamos jogar!」


では、
「遊びましょう!」にはならないのです!!

勿論
英→ポ辞書で「play」を引くと、
第一語義として「jogar」が出てきますし、

なんなら
Google 翻訳に
「Let's play!」
ポルトガル語に翻訳させても

見事
「Vamos jogar.」
という結果が出てきてしまいます…。

が、でも、それでも、

これでは違和感アリアリなのです…。

というのも、
英語の "play" には、
日本人も学校で習ったとおり
「(スポーツやゲームを)する」
という意味と
「遊ぶ」
という意味があるわけですが、

ポルトガル語の場合も日本語のような違いがあり、
① の意味の場合であれば、
漫画に出てくる「jogar」で OK。

でも、②の意味であれば、
正しい動詞は「brincar」であり、
「 Let's play ! 」の訳は「 Vamos brincar ! 」なのです!

(・ ε ・) フーン!


要は、
① の意味の 「jogar」動詞は、
何かスポーツなどを「する」という意味ですから、
その「何か」にあたる直接目的語がなければ
意味がはっきりわかりません。

※このような「直接目的語を要求する他動詞」のことを、ポルトガル語では
  「verbo transitivo direto」といいます。

一方、② の意味の「brincar」であれば、
「遊ぼう?!」「うん、遊ぼう!」
と、一言で意味が通じ、
「何を遊ぶの?」などという
意味不明な質問はあり得ませんから、
動詞のタイプそのものが異なります。

 ※「何々で遊ぶ」とか「何々をして遊ぶ」というのは副詞的要素であり、
       目的語ではありません。
       こういった「brincar」のように、「目的語を要求しない動詞」、つまり
  自動詞のことは「verbo intransitivo」といいます。

詰まるところは、

「Vamos jogar !」


とだけ言われたのでは、

「しよう!」

と言われたのと同じ感覚になり、

「しようって何を?」

と聞きたくなってしまうのです…。

www

いや、
実生活だと、
例えばボードゲームの箱を見せながら、
「しようよ!」

と言って、それだけで通じてしまう
シチュエーションがあったりもしますし、

この漫画の場合でも、

この2人は、いつもこうやって遊んでいて、
遊びには2人に通じる「レースごっこ」的な名称もあって、
その上で地球君が(自分のところにはいっぱいある)車を
持ってきながら、

(いつもの遊びを)しよう!」

とか、

(じゃあ、約束していたとおりに例の遊びを)しようよ!」

てなことを言っているのかな?

と、想像を膨らませて
脈絡があることにしさえすれば、
あり得なくない文なのですけどね…。

😅😅😅

そうは言っても、
こんな一発勝負の一コマ漫画で

「しよう!」

って台詞じゃ、やはり無理がありますよね!w

ましてや、
子供がお友達の家の前で
「あ・そ・び・ま・しょー!」

と言っている日本の漫画の吹き出しがあったとして、
それをポルトガル語に訳そうとした人が

「これは英語だったら『Let’s play』だわよね。
『play』はポルトガル語では『jogar』だったわね!」

などという安易な思い込みから、

「Vamos jogar !」
(「し・ま・しょー!」)

などと訳してしまったら、

これは
声だけで通じなければ意味がありませんから、
それこそ

「な~に~を~?!」

と返すしかありませんよね…。w

※ 子供の「○○ちゃーん、あ・そ・び・ま・しょー!」の呼びかけは、
  日本語とまったく同じ形式で「○○、Vamos brincar!」といいます。
  ☆ 相手の名前は、呼び捨ての場合もありますし、「~ちゃん」に相当
    する 「-inho-inha」「-zinho-zinha」といった接尾語が付く
    場合もあります。
  ☆ 「Vamos brincar!」の発音は、正式に読む場合は【ヴァームス・
    ブリンール】ですが、呼び声の場合は【ヴァム・ブリン・ー】
    のように、3音節に分けて、リズミカルに呼びます。

ちなみに

ポルトガル語の「brincar【ブリンカール】」
という動詞ですが、

英語の「play」を介しては、

「遊ぶ」という意味と
「(スポーツなど)をする」という意味に分かれますから、
一見日本語と一致するように見えますが、

これはこれで
日本語とはニュアンスが違います。

それについては
こちら ⇓ の記事で解説しておりますので、
よろしければ参考にして下さい。

また、
「(スポーツなどを)する」を意味する
「jogar【ジョール】動詞についても、

・本来は「投げる」という意味である
・ブラジルでは「捨てる」という意味もある

といった特殊性があります。

それについてもこちらの記事 ⇓ に記しておりますので、
よろしければご覧下さいね!

それでは長々と失礼致しました。

本日もお読み頂き、まことにありがとうございました!

※ 「3兄弟で遊びます ネコ」はこたつぶとんさんのイラストです。



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