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「北酒場」が聴こえる

一昨日、作曲家の中村泰士氏(81)
の逝去の報があり、
昨日、作詞家のなかにし礼氏(82)
の訃報があった。

このお二人で作り上げた名曲「北酒場」は
1982年のレコード大賞を受賞。
昭和を代表する歌謡曲、演歌。

♫「北の酒場通りには
長い髪の女が似合う
ちょっとお人よしがいい
くどかれ上手な方がいい
今夜の恋はタバコの先に
をつけてくれた人
からめた指が
運命(さだめ)のように
心を許す
北の酒場通りには
女を酔わせる恋がある」♫
細川たかし「北酒場」

快活なメロディと粋な歌詞。
昭和の、いや日本の元気を
象徴するような曲だった。

この曲が出た1982年は、
内閣総理大臣が鈴木善幸氏から
中曽根康弘氏に、
アメリカはレーガン時代、
ロッキード公判の頃で、
また日本電信電話公社が
テレホンカードを発売。

エンタメでは、
人気歌手中森明菜がデビュー、
お昼番組「笑っていいとも」が始まり、
アメリカ映画「ET」が公開。

昭和は遠ざかりて久しく、
あの頃の活力が眩しく
脳裏をよぎってゆく。

♫「北の酒場通りには
涙もろい男が似合う
ちょっと女好きがいい
瞳でくどける方がいい
夢追い人はグラスの酒と
思い出を飲みほして
やぶれた恋の 数だけ人に
やさしくできる
北の酒場通りには
男を泣かせる歌がある」♫
細川たかし「北酒場」

北酒場。真冬のカウンター。
感染拡大の今、酒場の活況が遠い状況下。

2日連続の悲報に、
酒場が泣いている。

この名曲が命を吹き返すこの季節に
お二人は旅立たれた。

遠ざかる背中、風の向こうから
「あの頃を知っているお前ら、
あとは任せたぜ」
と聴こえた気がした。

年の瀬や 手酌で歌う 「北酒場」弥七


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