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自分の言葉で。自分らしく。

今朝は、やはり各紙一面、
菅総理退陣の記事一色。
中面の受けでも、かなりの紙幅を割き、
この一年を振り返っている。

思えば緊急事態宣言を連発し、
命を尊さ、医療の大切さ、
仕事があることの有り難さを
見つめ続けた激動期の総理だった。

ただその肖像は、
ジャズで言えば自分の節を持たず
モノトーンなメロディを奏で、
個性がないのが個性とも言える、
歌を忘れたカナリアの風情。

脱炭素化への大きな一歩を踏み出し、
マイナカードを普及させるが為と
揶揄されるDXも、デジタル庁の発足で
板に着いた格好には映る。
器作って魂入れずとならぬよう
今後も注視され続けるだろう。

残念なのは、総理自らの、
入魂の言葉がなかったことだ。
プロンプターに頼り切った会見、
官僚あるいは部下がこさえた原稿を
そのまま無表情で読み続けては、
国民の心を揺さぶるに足りず、
ましてや刺さるはずはない。
残るのはモノクロームの横顔だ。

手振りを交えながら、
オーディエンスに向かって、
必死の形相で、目に力を込めて
自分の言葉を発して頂きたかった。
各政策決定につき、
なぜ、そのような選択をしたのか、
自らの思いを国民に
真正面から、ぶつけて頂きたかった。

3ヶ月前、僕の職場に着任した方がいる。
前の部署の仕事から畑違いのわが部署に
管理職として来られた。
大変聡明で勉強家で、努力する人。
自分より業務知識や経験のある部下から
謙虚に懸命に学ぼうとしている。
少しでも早く戦力になって、
会社を支える一員になりたいと
格好付けず、なりふり構わず、
凍え震える心を奮い立たせ、
ひるまず一瞬ごとを大切にしている。
きっと心の余裕などないはずだ。
だけど僕から見たら、熱狂出来てる人。
今を生き切っている人だ。


その頑張る姿、必死の横顔に、
僕なんぞ、とてもかなわないと思う。
もう鳥肌が立つくらい
心を揺さぶられる。
事に当たる姿勢が格好良く、美しい。
感謝でいっぱいになる。

来週予定されている菅総理の記者会見。
自分の言葉で、プロンプターを見ないで
国民にご自分の思いを伝え、
真心を注いで頂きたい。

不器用で良い。
とちっても、どもっても良い。
かんでも良いのだ。
要領が悪くても良い。

受け手は、懸命な姿を見ている。
その人自身の言葉を待ってる。
そこから何かを感じたいと願っている。
送り手その人が、本物なのかを見てる。

僕の職場で
懸命に頑張るその方の瞳を見ると、
僕は尚更、そんなふうに思う。
言わずもがな、
彼女への支持率は100%。

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