「駄目で元々!!」、ラジオ奮える
「駄目で元々、駄目で元々じゃないですか。
どーんと行きましょう!❢」
中学生の頃だから
もう40年位前の話だろうか。
日曜の朝はラジオ(ニッポン放送)で、
「不二家歌謡ベストテン」を楽しんだ後、
「日曜は駄目よ」という番組を聴いていた。
パーソナリティーのくず哲也さんが
軽快な語り口で、リスナーからの
失敗談のハガキを紹介して構成。
同番組の中で大きな声で叫ばれていたのが
「駄目で元々、駄目で元々じゃないですか。
どーんと行きましょう!❢」
と小さなトランジスターラジオを
奮い立たせる程の、水前寺清子さんの声、
歌の一節だった。
半世紀近く経つ今でも、あの声だけは
鮮明に覚えている。
今年の1月31日、くず哲也さんが逝去。
今でもくずさんと水前寺さんの声が
時折、心が沈みかけるときに頭に浮かんで、
背中を押してくれている。
そう、ダメもとなのだ。
自分の欠点は
自分が一番よく知っている。
うまくやろうとするから、
そういう想いを抱いて臨むから、
うまくいかなかったときに落ち込む。
人間誰しも、
もともとたいして者ではないのだから
ダメでもともと、
妙ちくりんなプライドを捨てて
どーんと行けば良い、
それだけだ。
駄目な自分を愛おしみながら
懸命に前を向く。
そして何かを得て、僅かながらの成長を
噛みしめるとき、喜びがある。
僅かな自信を携えて、
自分を少し好きになる。
白血病から復活した
競泳女子、池江璃花子さん。
命の瀬戸際で
ご自分と懸命に向き合われてきたこと、
察して余りある。
若い命から、ほとばしる強い意志から、
諦めないことの大切さを教わる。
そしてまた、
この一週間を何とか
乗り切ってきた自分を省みる。
ダメもとの自分、
それでいい。
そう、命が躍る。
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