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洋服を好きになった理由/S&S OPEN TALK #14

SLOW&STEADY ではオープン直後から、お客様からの相談窓口として、LINE@を利用しています。
その内容は、商品の在庫状況の確認から始まり、商品ご購入後のアフターケアに至るまで多種多様ですが、そんな中「これは多くの方も同じようなお悩みをお持ちのはず」と感じるようなご質問も少なくありません。さらに、そういったご質問ほど短文では返しづらいのが正直なところで、そこでこの度、そんな魅力的なご質問の数々をピックアップさせていただき、ここnoteにてマガジンという形で回答させていただく、という試みを開始いたします。

名付けて『OPEN TALK』今週はこんなメッセージからです。

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「洋服を好きになった理由」

初めまして、自分は社会人1年目のものです。洋服が大好きで週に一度はセレクトショップ巡りをしています。そんな自分も洋服屋になってみたいと一度は考えたのですが親の反対もあり、大学の専攻を優先し一般の企業に就職しました。今でも後悔とまではいきませんが、違う人生の選択もあったのではないのかと思う日もあります。そんな中、インスタグラムでSLOW&STEADYさんを発見しブログ等を拝見させていただきました。自分は、岡崎さんの洋服に対する熱量や向き合い方を見て大変感動しました。同時にこの方は自分よりも何倍も服が好きなのだろうなと思いました。ここまでの愛がないと洋服屋という職業は続けられないんじゃあないか、そう思うことで少しホッとした自分もいます。自分の話が長くなってしまって申し訳ありませんが一つ質問させてください。そんな岡崎さんが洋服を好きになったきっかけを教えて欲しいです。(S様)

僕が洋服を好きになったのは、中学1年で出会った同級生がきっかけです。それまでは、全く洋服にも興味がなかったし、比較的真面目な学生だった、いや、どちらかというとファッションセンスにかなり疎い人間だったと思います(笑)

当時、同級生の彼は周りから見ても明らかに異端児で、というのも勉強は常にトップクラスの成績なのに、喧嘩っ早く素行は悪くて不真面目。
当然先生らには目をつけられる一方で、その姿に同級生の多くは憧れの対象となっており、僕も例外ではありませんでした。

偶然にも家が近かったこともあり、僕はいつしか彼と一緒に登下校を共にする仲になります。そのうち、同じ高校に進学したと同時に、学校そっちのけで夜遅くまでバイト三昧の日々。貯まったバイト代はというと、洋服やレコード、年齢を偽っては背伸びしてクラブ遊びに繰り出したりと、まさに若気の至りの毎日でした。

そのまま、彼は東京文化服装学院へ。僕は当時、懇意にしていた洋服店へ就職することになります。
もちろん大した覚悟も、ましてこの仕事をまさか20年を超えて続けるなんて夢にも思わず、「数年でやめて適当に社会人になるんだろな」ぐらいの気持ちでした。

そんな当時の僕ですが、なぜか「3年は頑張ろう」と心に決めていました。それは親の猛反対を聞かずに就職したというのがひとつ、あとは、3年経ったところでまだ21歳、いくらでもやり直せると考えていたからです。

その3年間が、思えば僕の人生を変えてしまったわけです。

お客さんに顔と名前を覚えてもらいたい、うまく販売できるようになりたい、自分のお客さんを10人は作りたい。店長に認められたい。展示会に行きたい。店長になりたい。
そうして最初は、その都度に思い浮かぶ目の前の目標をただ漠然とクリアしていたのですが、ある程度ひとりで店を任されだしたあたりから、自分の100%想いの詰まったお店を出したい、と考えるように至ります。

そこからちょうど10年後、出来たのがいまの店です。

最近思うのですが、人生はどうやら思っている以上に短く、また自分ひとり好きに生きたところで、この社会には何の影響もなさそうだということ。

だから、あまり細かいことを考えず、僕はできる限り思うままに生きて行こうと、40歳になったいま…いや、好き勝手生きてきたいまだからこそ、強く思います。

洋服屋は、洋服を通して自分を表現する仕事です。その結果、好きになってくれる方もいれば、もちろんそうならない方もいます。
当店は徳島にあります。多くの方が日本地図でもしかしてパッと当てられないほどには田舎にある店の一介の店主に、こうして他県からご質問をいただけるなんて、こんなに嬉しいことはありません。
毎回、好き勝手の言葉ばかりです。それでも多少でも何かを受け止めてくれる方がいるのだと思えば、この仕事を続けていてよかったと、心から思えます。

最後に、社会人として少し先輩の僕が伝えたいことは、「真面目な人と正直な人の差」です。仕事柄たくさんの職業の方と話をさせていただきます。来店されるお客様の中には、仕事に打ち込み、真面目に取り組んだ結果、社内で信頼を勝ち取り、大成功している人もいます。
その反面、同じように社内で信頼を得た結果、真面目な性格が仇となり、洋服を好きに着る時間すらなく、毎日心身をすり減らして働き、ついには心が壊れてしまった方も、一人や二人ではありません。果たして、何が違うのか?

僕は、真面目な人と、正直な人の差なのではないかと考えます。
自分の許容範囲を超え、真面目がゆえに走り続ければ当然誰でも限界が来ます。

正直な人というのは、苦しい時は苦しいのだと、自分を守ります。

もし今、自身の今に疑問を感じているのなら、ぜひ正直に生きることをお勧めします。それが、仕事を成功に導くひとつのコツです。

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今週は、以上です。
洋服と全然違う話をしてしまいました。時節柄、社会人になったばかり、新生活をスタートさせた、そんなお客様のメッセージが相次ぎ、忙しいながらも楽しい日々です。いつもありがとうございます!

ここでは、あくまで僕の答えられる範囲内にはなりますが、このマガジンを使って、皆様からお寄せいただく「洋服に関するご質問やお悩み」を、ざっくばらんにご紹介しております。

個別の商品に関するご質問ももちろん歓迎です。ご質問は、以下より随時受けつけております。どうぞお気軽にご連絡ください。

本日より、「LINE以外でもメッセージを受け付けてほしい」という多くのお客様のご要望にお答えし、メッセージフォームでの質問も受け付けることとなりました。LINE@でも引き続き募集すると共に、ぜひ下記メッセージフォームからも、お便りをお送りくださいませ!

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