[続.洋服物語] 理想の帽子物語。奇跡は何度だって。 (後編)
中学3年生の頃に同級生の影響で洋服の魅力に取り憑かれ、今に至る(41歳)までに体験した『洋服』をはじめとした『モノ』にまつわるアレコレ。
自分の価値観を形成するうえでターニングポイントとなった『私と"モノ" との記憶』いわばモノにまつわる物語を書き綴る日記。
これは、
『おすすめアイテムの紹介』ではない。
『私物紹介』でもない。
読んだあなたが、少しでも洋服を好きになるきっかけ、自分の使う道具を愛らしく感じてもらえるようになれば嬉しい。
:Episode.19
「Painted Blank "Carlino"」
今回も前回に引き続きオリジナルブランドで来月リリースする新作の帽子を紹介しようと思う。名前は Carlino(カルリーノ) 小さな男性という意味のイタリア人男性の名前がつけられたベレー帽である。
サンプルが到着した。ひとまずかぶってみる。
帽子の腰部分や、全体のボリュームなど諸々の仕様を前作とは違った作り方に変更したためか、前作と同じサイズでもこちらのベレー帽の方が大きく感じた。そこら辺は再度微調整してもらうことにした。
それ以外の見た目や着用感に関しては申し分なかった。
一回でほぼ満点に近い状態に仕上げられる2人の技術力はさることながら、今まで100人近いお店お客さんの要望に数ミリ単位で答え続けてきた経験もかなり大きいのではないだろうか。
形はあっさりと決まった。いつもの進行であれば、ここから生地選びに時間がかかったりするところなのだが… 実は生地はすでに決まっている。
サンプルを制作しながら、お二人独自のルートで素晴らしい生地を見つけてきてくれたのだ。至れり尽くせりとはまさにこのこと笑。イタリアで見つけた古いデッドストック生地。さすが私の好きな素材を熟知してくれている。
海外での生活が長かったお二人にとって世界中にそういったパイプがあるというのは毎度羨ましく思う。
あとはこの限られた素材でどのように販売するかである。帽子制作に必要な生地用尺(必要な大きさ)を計算すればこの生地で作れるのは数十個ほどである。もちろん生地を変えて今後も繰り返し制作するつもりだが、物語を語れる強い素材というのはそこまで多くない。
そんなことも考慮に入れつつ、いつものようにオーダーメイドで行うのが順当だが、100人のデータをみているとサイズはほとんど3サイズに振り分けることが可能だということが改めてわかった。
半分は主要サイズをあらかじめ制作し、残りの半分はオーダーメイド用にしようかと考えていたのだが、とはいえnoteの前編を読んだお客さんからの予約希望がすでに5人。note以外ではまだ何も告知していないが、告知するまでもなく完売する可能性もなくはない。
生地を引き続き探そうと思う。
今は、製品ひとつひとつに付属する冊子のテキスト作りを進めている。
「全ての物語を届ける」それをコンセプトにしているからこそ、作るアイテムにしろ自分との強い物語がないと作らない。素材にしろ縫製にしろできる限り公表する。
今までもこれからも言い続けるが、物語を秘めた洋服には人生を変えるほどの力がある。製品を手にしたあなた自身がその力を心から信じられるようになれるきっかけとなれば嬉しい。
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