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one sheep, two sheep

Dear Sleeping sheep, 受動的な眠りから覚めると、いつかの迷いが夢の底に沈んでいるような静けさがカーテンの隙間を泳ぐ。グラスに注ぐ街に雨の耳朶を擽る、淡い歌を愛おしく思ってしまえば、きっと空っぽの海には。声から忘れてしまう、ラストノートだけを後悔のまま、流しに下げておいてよ。裸足になるには早すぎたみたい、ね?私だけの兵隊さん、後に残されて、ゆらゆらバタ足で夜を潜る。夢の残骸を愛さないように、真実でないように、未来まで胡蝶の夢で。どうか、名前を呼ばないで。愛

    • 日記0829

      例1 無駄のない夢をみようとフォークを手にとって、生クリームで溺死したいという金魚を掬う。 例2  少し眠い夜景を夢だと思いながら、タオルケットに包まれた小窓に今日のログインボーナスをあげる。 いずれも穏やかに、堕ちてゆく、自我のない小鳥。遅効性の誘惑だ。心がふわふわしているから安心感を買って、善性を売る。まるで見えないように、丁重に。透明感のある歪みを安心して享受している、僕らの窓枠。 声が聞こえないから言い直す、還元する。互いに疑いながら、じくじくした痣を擬似的なアイ

      • 日記0820

        溶けるから大丈夫だと言っていた意識が、一丁前に存在を主張する。無意味に流れ続ける待合室の夕方の教育番組。ソファーの上の綿がぺしゃんこのぬいぐるみと、セロハンテープでいっぱいの絵本。わからないまま記憶にある部屋。名前を呼ばれたら帰れなくなる気がした、から、夕焼けのまま暗闇に突き落とす。幼さゆえの純粋、憧れ。それから、なんだっけ。流れ落ちる、記憶も意識も、影のほうへ。 上手くいかないから、洗剤で漱ぐ。寝ても覚めても同じような景色が喉につかえている。一度口にすればね、と幽霊の咲く花

        • 深海魚

          嘘になってしまう、指先まで。 多機能不全の蛍光灯に呼び止められた。一度口にすれば幻になってしまう、とマグカップのふちを泳ぐ。常温保存のチョコレートみたいだ。微かに聞こえる夏の足音で揺らぐ存在、体温。声が届かない。 安定供給ができないから、ピアノの音が滲む。再び通り過ぎる、あの子の絶対音感を愛するには。走り書きのメモで鍵盤を覆う。甘くてやさしいすれ違い、それだけで嘘が下手になる。不揃いな靴で透き通る、加速する、数秒前。またね、泣かないで。苦しいだけの蝉の声で溺れてしまわないよ

        one sheep, two sheep

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        記事

          効用

          「健全で、少し冷めた恋をしようね。」 いつの間にか、底の見えない春になっていた。真夜中の宗教勧誘と、滲むランプと、4分休符。いつだって天使、と魔法の言葉で濁して消えた愛によく似ている。自己免疫疾患に落とし込む、希望、延命、失恋。1筋の光でいいんだ。2度寝を繰り返す休日の昼のこと。揺れるカーテンにふわり、洗濯物。私はあなたであって、あなたは私ではない。幸福な十分条件の静けさ1つ、声を添える。「そうね、もっと眩しい言葉だけ。」

          黙秘権

          ーーもうすこしすれば言い訳も化石となって。 遠くで鳴るチャイムの鼻濁音が廻る。ハ短調の海月を弾く、あの子のギターの歪みだ。目を離せば知らない体温計の都市に沈む夜、あるいはその先。叶えるための星空に、遺言に、額縁になろう、ね。盲目的なガードレールと、過ぎ去った火葬を不快感として模るのは眩しい。存在で満たそうね。やさしいと言えばすべて許されるつもりですか。 追伸 水溜りで首は吊れないってさ。天使の輪っかを砂糖漬けにしよう。目を覚まさないバニラ=シャーベット。見ているだけで、好

          黙秘権

          落下

          螟「縺ィ遏・繧翫○縺ー 夢か現実かわからないのなら、被害妄想です。 月を殴ってくると言ったクラムボンが懐かしい。変わらず好きだと言ってくれるフォントがいくつあるかは、ここから出してあげると約束した光くらい確証が無い。ほんとうは好きじゃないことを知っているので、の指先で塞ぐ。誤字みたい。存在、そんざい。目に見えるものだけ、愛してる。解像度の低い呪いだ。「命ってとっても短いからね。」なんだっけ。もうすこし、もうすこしだけ、赤。そうでないといけない。冷たい床だ。夢でなら会える、だか

          架空請求

          自己啓発本みたいな蛍光色に怒られた気がしてブラウザバックした。想像していたより被害妄想に恋していたんだ。「願っていようと思ったので書くんです、私のためだけに。」バレンタインに唆される幽霊をかわいそうだと思えるのも今のうち。きちんと大丈夫でないといけない。優等生の骨格標本が意外と脆いように。URLひとつでわかるわたしの人生と同じだ。そっか、これが死体洗いのアルバイト。そんな君の不確かさが好きだ。まだ1月に取り残されていますか、これはわたしの盲信です。 「件名:瞬きさえしなけれ

          架空請求

          日記0206

          夢見心地でいてほしいよ、あなたには。風見鶏の占いなんてあてにならないからね。足元が覚束ないんだ、空も飛べないのに。はしがきの微かな体温で脈を測る。指先ひとつで君に会いに行ける、が口上のいつまでもやさしいイマジナリーフレンド。少し背伸びした純文学が花束を贈るから、造花の関節がわかるようにね。君のままならない、の空白の部分になりたいとすこし思う。少なくとも昨日まではそう思っていたはずで。―――が邪魔をした。記念日のレシートがこっそり泣いてた。綺麗なままでは生きていけないってね。メ

          日記0206

          Errrrror

          ボウルの希望と憂鬱を混ぜこぜにしたような予言は当てにならないし、冷蔵庫の奥の昨日の残りみたいな視線はすっかり生活に馴染んでしまっていて。理想なんて偶像捨ててしまえばいいのに。最低な生活と映画のワンシーンみたいな暮らしは対照的で、それでいて、実際問題大差ないのが不可解なところ。実感の無い真夜中に街灯はいらないのに。いつかのユニコーンはそういうのやめたんだって、しばらく前から姿を見ていない。生きていく上での劣等感は設計し直してみてもカレンダーのばつ印はひとつも減らないし、ページの

          整合性 何処にいらっしゃるのですか。 永遠、だなんて耳を澄まして 平日の午前中には似合わないよ 確かな声が、色が欲しい 閑静な街の影では 少し狭すぎたみたい独壇場 ひとつ、ふたつ、みっつ 数えて、後悔。 誰もいない 風、浮遊。 かくれんぼをしようか 誰彼も、天邪鬼にはまだ 到底なりきれそうにはないからさ ユートピアに、連れて行って。 触れられないから、こその ワンルームに 貴方の命日は何時だったか 生憎憶えていないもので そろそろ日付け係は 懲戒免職、かな まだ、見つけ

          千 人影を持たない貴方の孤独が、やっとわかった気がします。 知らない明度の看板に 秒針が竦んだとしても きっとあの子の心象には敵いませんから。 いつまで続くのでしょうか、空中線。 落ちぶれたものです。 墜落した鉤括弧が調剤を続けるうちは 戦犯にもなりきれないのでしょう。 また見えないものに拘っては、失い続けるふりをするのは 大人になりたくないから。 言い淀んでしまった私は、 もう二度と貴方を見ることは出来ないのでしょう。 もし言い残したことがあるとするなら それはきっと遺言

          避雷針 tomorrow≠₄C₁ ? 昨日の夜 死んだような照明の下で人間をやめました 渇いた花の青は不釣り合いに暖かくて 路地裏で憎んだガム 味のしない、平坦な白 今となってはどうしようもないもの 明日も、きっと、このまま。 海底の呼吸を止めてしまったから 明日はシーラカンス 眠る有罪判決 フィラメントの焦げた匂い 明日を淘汰して、あたりを泳ぐ 鍵を失くしてしまったから、あの鍵のない扉は開きません 交渉決裂 さようなら チモールブルーで染めた赤飯 非合法のph 蒼い檸

          日記1025

          乾いたレモンの香りがした。乱雑に積み上げられたおもいで、はるかぜ、ミルフィーユ、エトセトラ。停滞前線と閉塞前線を間違えるなよ、といつかのせんせいが言った。立ち止まっているんだ、いつだって。追いつけないまま。幸福な王子は、つばめは、ほんとうにしあわせだったのか?愛は間違えちゃいけないんだ、とさみしい目をして言っていた。言葉も、声も、表情も、全部。ほんのすこしが届かない。振り返れば存在し続ける、ほんとは忘れちゃった、嘘だけど。ちゃんと、かくれんぼしててね。いなくなればもう違うひと

          日記1025

          スロウ

          並べる、本棚に。はじける、はじける、燃える。綺麗に忘れてしまったんだって。そうだっけ、そうだね。沈黙。「何になりたかったんだっけ。」そう言えば許されるような気が、した。逃げる、ここから。逃げちゃだめだって、怖い。ありもしない濁点、そういうふりをして仮面を被っている。おやすみを繰り返せば、大丈夫なんだ、きっと。寂しいね。イキテルダケデエラインダヨ、そう呟いてもわたしだけのものにはならないのに。顔の無いアイドルだってきっと。あなただけ、優越感。わたしだけのおまじないでいて。大丈夫

          スロウ

          Ivy

          最近は夢ばかりみてわたしが夢だったんじゃないかって星空の底で言ってた。しあわせはふわふわしてる綿菓子のはずなんだ。パステルカラーのユニコーンがマニュアルを持ってた。窓から舞い込んできたネオンカラーを探している。覚えていようね、ちゃんと。またきれいな花火で燃やしてほしい、きれいな色、形、正しい夏で。間違っているのは炭酸水だけだってね。幸福なアイデンティティで飾ってあげるね。こんなあついなつにさらさら溶けてしまえば冷凍室にしまっておくしかないね。ずっと冷凍しておいてあげるから、わ