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隅田川と駒形橋

スローリー余話
川と橋と美味しいもの#9

水上バスが運航する隅田川

パリとセーヌ川、ロンドンとテムズ川、ニューヨークとハドソン川など世界的に有名な都市には必ずその繁栄を支えた川があります。日本においても古来から奈良の平城京には大和川、京都の平安京には鴨川、大阪には淀川など都市の繁栄には欠かせない川があり、江戸においてはまさに隅田川がその役割を担っていたと言えるでしょう。

駒形橋と東京スカイツリー

江戸時代には隅田川に架かる橋は千住大橋、両国橋、新大橋、永代橋、吾妻橋の5橋でしたが、関東大震災後の復興事業により昭和のはじめに蔵前橋などとともに駒形橋も架橋されました。そんな駒形橋が架橋されるよりはるか前の1801年、徳川幕府11代将軍・家斉公の時代に創業された『駒形どぜう』の『どぜう鍋』は200年以上愛されてきた滋養食です。
(以下、2023年7月発売『東京Slowly² vol.1』より)

江戸情緒溢れる座敷

駒形のランドマーク
『どぜう鍋』は庶民の味方

浅草
駒形どぜう

暑い季節にこそ食べたい滋養たっぷりの『どぜう鍋』

江戸通りに面した時代劇の登場するような木造建築。『駒形どぜう』は軒先に行燈や高張提灯が掲げられた浅草駒形のランドマークだ。入れ込み座敷でかな板を取り囲み、名物をつつきながら一献傾ければ、ここでは誰しもが時代劇の演者の気分が味わえる。その主役は名物『どぜう鍋』だ。コロナ禍で客数は減少したものの、仕事で東京に来た近隣のホテル宿泊客などが身近な「江戸料理」として名物『どぜう鍋』を愉しんだお客さまも少なくなかったという。

丁寧に並べられるどぜう

江戸時代から滋養のある食材として重宝された泥鰌。臭みなくふっくらと仕上がった『どぜう鍋』は江戸の食文化を今に伝える郷土鍋。この夏も“庶民の味方”として私たちを愉しませてくれる。

駒形のランドマーク

駒形どぜう
〒111-0001 東京都台東区駒形1-7-12
03-3842-4001
営業時間:11:00~20:30(L.O.20:00)
定休日:不定休