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築地川と門跡橋

スローリー余話
川と橋と美味しいもの#4

江戸のはじめに東京湾が埋め立てられ誕生した「築地」。その周囲に運河として整備されたのが「築地川」。その大部分は埋め立てられ道路や公園などになっていますが、本流の他に銀座あたりから隅田川に至る「東支川」と聖路加国際病院のあたりから築地本願寺の南側を通り東支川に合流する「南支川」がありました。その埋立工事は1960(昭和35)年頃から1990年代まで長年に渡って順次執り行われたようです。

保存されている「門跡橋の親柱」

現在晴海通りにある「門跡橋」は築地川南支川に掛けられてした橋の名残です。関東大震災の震災復興橋梁として造られましたが1986(昭和61)年に南支川埋立とともに撤去されました。「門跡橋」という名称は江戸時代に同じく築地川南支川に架けられていた「小田原橋」の俗称で開架当初は「築南橋」という名称でしたが築地本願寺門徒の皆さんの陳情により「門跡橋」と改められたと遺構の説明パネルに記されています。そんな「門跡橋」の近くに築地で働く人に長年愛されてきた蕎麦店「長生庵」があります。
(以下2023年10月発売『東京Slowly² vol.2』より)

街で人気の蕎麦店は
築地ならではハイクオリティ

築地 長生庵


お蕎麦屋さんとは思えない豪華な「海鮮丼」

1971(昭和46)年創業。そのメニューの豊富さと美味しさで築地の仕事人たちに愛されている人気店。そのこだわりのひとつが築地ならでは本鮪などの厳選した食材と100種類以上の地酒。特に季節限定や初物など市場ならでは美味しさを愉しめる「そば」として市場関係者のみならず近隣の住民やオフィスワーカーにも人気が高い。朝食から大間産の本鮪を使った限定の定食などは決して他では出会えない希少品だ。また夜にはリーズナブルな価格で日本酒が呑み放題になる宴会コースも用意されおり顧客の楽しみがつきない人気店。当日お会いできなかった二代目のご主人・松本聰一郎さんは「築地はしご酒」など街のイベントで委員長などを務めるなど築地場外市場活性化のリーダーでもある。

思わず微笑み返したくなるほどの笑顔の女将さん

築地 長生庵
〒104-0045 東京都中央区築地4-14-1
03-3541-8308
営業時間:月~金7:00-15:00 17:30-21:00 土7:00-14:00 
休:日・市場休市日・祝(不定休)