見出し画像

年末はホリデー、ボーナス、リベンジ消費に期待のフィリピン小売業!でも見通しは暗い?

どうもshoheybeatzです。

今、さっき家の近くにあるSMショッピングモールにいってきたんですが、

もうフェースシールドをつけなくていいですし、年齢制限もないので、マスクと体温計測があることを除いて、客入りもコロナ前とほとんど変わらない状態でした。

今年は長い間、外出規制が続いたことで、多くの企業に影響をきたしましたが

最近感染が落ち着いて、マニラ首都圏はレベル2になったことで、ようやくもとの生活に戻りつつあるフィリピン。

来月はサラリーマンにとって嬉しいボーナス、そしてバケーション、ホリデーシーズンを迎えますが、

気になるのは、企業の第4四半期の決算です。

とくに、小売業はこのシーズンは稼ぎ時にあたるんですが、果たして今年はどうなるんでしょうか?

そこで今回は、2021年末ホリデーやボーナスシーズンの小売業とその株価見通しについて考察してみたいと思います。

フィリピンで12月は特別な月


フィリピンでは12月から1月にかけてのホリデーシーズンは1年の中でも特別な月です。

国民の80%がカトリックですので、宗教的にも重要な月です。

バケーション中は離れている家族、親戚一同が集まってクリスマスや正月を一緒に過ごします。

大晦日から正月は年を明けると同時に花火を上げて爆竹を鳴らして、大人は朝から酒を飲みカラオケをやってお祭り騒ぎで、粛々とした日本のお正月とは全く異なります。

さらにフィリピンではGive awayと言って、年末に日頃お世話になっている人たちにギフトを配る日本のお歳暮のような習慣があり、この時期にスーパーなどでギフトパッケージが売られているのをよく目にします。

クリスマスのプレゼントにgive awayのギフトにと、毎年この時期はどこのスーパーやモールでもバーゲンセールをやっていて、大勢の客で賑わいます。

経済的にみても、毎年第4四半期は、会社員のボーナス支給と海外で働くフィリピン人からの送金の増加によって支出が促進されるため、小売業にとって絶好調な時期です!


しかし、残念ながら今年はそうはならない・・と予想している人たちがいるようです。

リベンジ消費に期待する小売業界

不動産や投資管理会社のColliers Philippinesは第3四半期の小売レポートで、フィリピン人の支出傾向は依然として弱く、

マニラ首都圏の検疫状況は依然として不安定であるため、今後6〜12か月で消費者のトラフィックがパンデミック前のレベルに戻ることはないと見ています。

またマニラ首都圏が現在より緩和されたアラートレベル2にあり、コロナウイルス病2019(COVID-19)の症例が急落しているにもかかわらず、通年の小売売上高は依然として横ばいである可能性が高いと述べました。

しかしそんな状況下にある2021年のホリデーシーズンですが、

小売業は今期リベンジ消費に期待をかけています。


リベンジ消費とは、コロナによる封鎖から抜け出した国々で最初に見られた傾向を指し、消費者はサービスやグッズにお金を費やしたり外出したりすることで失われた時間を埋め合わせをしようとする行動です。

フィリピン小売業者協会(PRA)の副会長であるRoberto S. Claudioは、電子メールのインタビューでBusinessWorldに、

小売業者はまだ「リベンジ消費」を見ていませんが、来たるホリデーシーズンに失われた売上を取り戻すことを期待している

と語りました。

マニラ首都圏は、11月末まで、企業が容量を増やすことができるアラートレベル2になりました。

ショッピングモールでは、入場を許可された個人に年齢制限がなくなったため、徒歩での交通量が増加しています。

さらに選挙シーズン中に通常見られる需要の増加を理由に、スーパーマーケットは2022年半ば頃に回復する可能性があると予測しています。


上記のことからも、コロナ前とまでは行かないまでも、今期もある程度の小売業の業績回復はあるじゃないかと思ってます。

果たして小売業に『January Effect』はあるのか?

フィリピンで12月が特別な月であるように、フィリピン株にとっても重要な月で、フィリピンにはJanuary Effectというアノマリーがあります。

アノマリーとは、「株は5月に売れ」と言った格言で、January Effect(1月効果)とは、12月の最終週から1月の第2週目まで株価が1番高いということがあり、事実過去のデータをみても証明されています。

(詳しくは過去に記事を書いてますので、そちらをご覧ください)

ですので、12月から1月にかけて相場強気になる可能性があるわけですが、小売業はどうでしょうか?

第3四半期の振り返りと共に、小売株の現在の株価をみてみたいと思います。


Robinsons Retail Holdings Inc(RRHI)

ゴコンウェイ財閥JG Summit傘下のRobinsons Retailは昨年の7億5,000万ペソから10億4,000万ペソに帰属純利益が38.7%増加し、9月までの四半期に勢いを維持したことで純売上高は374.7億ペソでした。

RRHIの株価はちょうど1月初めに高値(January Effect?)をつけてから長期間の下落トレンドになっていて9月末にようやくトレンド転換してます。

よくみるときれいなWの形になっていて、今月10日には68ペソまで上昇後、現在20日移動平均線付近まで落ちてきています。


Pupegold Price Club Inc.(PGOLD)

食料品小売事業であるPuregoldPrice Club IncとS&R Membership Shopping Clubは、同社のコア純利益合計の63%を占め、純利益は13.6%増の57.3億ペソ、連結売上高は4.9%減の1,152億ペソでした。

チャートをみると、5月から上昇トレンドに乗っているように見えるので、ここで反発できたら仕込むにはいい感じに見えるチャートです。



MerryMart Consumer Corp(MM)

第3四半期の純利益は1年前の8億3,645万ペソから65億9,000万ペソに急増し、同社のトップラインは、7億8,273万ペソから23%増加して9億6,608万ペソとなりました。

最近MerryMartはケソンを拠点とするCarlos Super DrugチェーンおよびZamboangaを拠点とするCecileの薬局チェーンと契約を締結したことが注目されています。

January Effectの効果なのか、年末から1月初めに最高値の8ペソをつけてからほぼ一年ずっと落ちっぱなしのMMですが、現在8月につけた3.05ペソまで落ちてますがここが底値になりトレンド転換したらRRHIにあったようなダブルボトムで株価上昇のカタチになりそうです。

SSI Group Inc (SSI)

第3四半期の純損失を「四半期中の力強い売上成長を背景に」前年同期の2億8,524万ペソから5%削減して2億7,097万ペソになりました。

RRHIと似たようなチャートで、1月初めに最高値をつけてから半年近く下落し、5月に上がり、7月から下落。9月に入ってから上がってきて現在50日移動平均線まで落ちてしまっています。

MetroRetail Stores Group Inc(MRSGI)


セブに本拠を置く小売業者MetroRetail Stores Group Inc(MRSGI)も、第3四半期の純損失を1億2,447万ペソに縮小。

これは前年同期の3億3,721万ペソの損失から63%の改善であり、同社の第3四半期の収益は、70.2億ペソから7.7%増加して75.6億ペソになりました。

一度50日まで落ちましたがここ数日でリバウンドを見せています。このまま上昇してくれることを期待です。

Cosco Capital Inc (COSCO)


Lucio L.Coの小売持株会社Cosco Capital Incは、第3四半期に13億8000万ペソの帰属純利益を計上し、前年同期の13億5000万ペソから2%増加。

四半期のトップラインも412.7億ペソから414.3億ペソに上昇した。9月までの9か月間、コスコキャピタルの帰属純利益は、前年の38億3000万ペソから13%増加して43.4億ペソになりました。

前半は下落トレンドで、5月に一度上がりその後落ちてからの上昇は小売業のパターンなのかもしれません。

AllDay marts Inc(ALLDY)

今月初めにIPOを果たしたAlldayは9月末時点で2億6500万ペソの税引後純利益を計上し、前年同期の1億6500万ペソから61%増加したAlldayの9か月の売上高は、昨年の56億ペソから22%増加して69億ペソになり、2019年同期の販売実績から121%改善したとのことです。

この形を誰が予想したでしょう?

私も含めて、多くの人が昨年のMerrmartのように数日でドーン!と3倍くらいになる!なんて思って公募に殺到してオーバーサブスクリプションしちゃったんだとすれば、なかなか上手くいかないものです(泣)

まだ上場してから間もないため、チャートは1時間足ですが、サポートが0.7付近にあり、レジスタンスは0.83だと思いますが、これを超えて1.5まで上昇を期待です!


まとめ

毎年は12月はホリデーやボーナスにより支出が増えるフィリピンで、今年はリベンジ支出を期待する小売業ですが、専門家は悲観的に考えているようです。

第3四半期の結果をみると各社で販売実績の改善を背景に収益の伸びを報告していますが、一部の損失は減少しました。

各上場企業のチャートを見てみると似たり寄ったりで、大体今年の前半、長いあいだ隔離処置が続いていたためか、長期の下落トレンドに乗っていて、

5月に入って緩和されてきたと同時に株価も上昇したのは一時的で

その後デルタ株が流行り、再度封鎖に繋がったころにまた下落し、各地で規制が緩和されてきた9月半ばから上昇してきていることを考えると

小売業は今後も政府による外出規制が大きく影響してくると思います。

上記からも、現在その規制がルソン島全域で緩和されており、年末までこの状況が続くことにより、小売株が上昇する可能性は十分考えられ、

さらに12月末から1月初めまでに高値をつけている銘柄が多くJanuary Effectも期待できそうなので、あまり悲観せず今後の値動きに注目です。


関連記事:


引用:

https://www.bworldonline.com/retailers-look-to-recover-lost-sales-in-4th-quarter/

https://www.bworldonline.com/retailers-report-income-sales-growth/

https://www.bworldonline.com/robinsons-retail-posts-39-earnings-growth-as-sales-improve/

https://business.inquirer.net/331809/bright-future-for-ph-retail/amp

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?