米長期債の金利上昇、マニラの一部封鎖から考える今後のフィリピン株の見通し
どうもshoheybeatzです。
また米国の10年国債金利が上がりましたね。
そしてフィリピンのコロナ感染者数はまた跳ね上がり、マニラの一部のエリアではロックダウン(封鎖)が始まりました。
こんな状況なので、ここ数週間は本当にパッとしない感じのフィリピン株ですが、
今回は米長期債金利の上昇、マニラの一部でのロックダウンから考えるフィリピン株の現状と今後の見通しについて考察してみました。
米国長期債の金利がまた上昇
先週木曜日に行われたバイデン大統領の演説で、ワクチン接種の年齢を成人まで引き下げると発表したことで景気回復への期待が高まり、12日金曜日に米国10年債の利回りが1.634%まで上昇し、昨年2月以来の最高水準となりました。
米国では独立記念日までにすべての成人がワクチンを接種できるよう州に指示を出しているようです。
これにより、今後米国は集団免疫を獲得して本格的に経済を回復をさせることができるようになります。
世界経済をリードしている米国の景気回復は喜ばしいことですが、金利上昇により米ドルの価値が上がり、ドルと逆に動く金や銀、銅などのコモディティ価格が下落しました。
先週半ばに金利、ドル指数ともに安定しだしてから金、銀、銅などの価格も徐々に戻り初めていたことで、フィリピンのマイニング(鉱業)株も上昇してきていましたが、
週末は金利がまた上がり、同時にドルも上がってきていますので、週初めのマーケットにどう影響するのか、気になるところです。
フィリピンは感染者の増加とロックダウン
一方で、フィリピンでもワクチンの接種がスタートしたにもかかわらず、コロナ感染者は日々増加していて、それに伴うマニラの一部で(フィリピンの最小自治単位である)バランガイ規模でのロックダウン封鎖が始まりました。
ドテルテ大統領も経済を停止させることを懸念して、国レベルでの封鎖は行わないと発言していますが、この先どうなるか正直誰もわかりません。
米国では経済回復の兆しが現れているのですが、フィリピンではよくなるどころか感染者が増え続けている現状があり、ロックダウン(封鎖)に逆戻り。夜間の外出禁止令まで出されています。
とは言え、フィリピンの街中の大通りやモールなどではコロナ対策をしっかりしてますが、田舎の方や都市部のスコーター(スラム街)ではもう昨年末からマスクやフェースシールドを外して、毎日大勢でどんちゃん騒ぎをしているところがありました。
こういう慎重性に欠けるのは、むしろフィリピンの国民性かもしれないですが、コロナに対して楽観視しすぎてる気がしていたので、当然と言えば当然の結果かもしれません。
最近ではワクチンの接種が始まり、従業員に無料でワクチンを提供する企業が出てきましたが、ワクチンに対して抵抗がある人が多くあまり進んでいないと聞きます。
私の周りにも、「コロナなんてない」、「ワクチンは打たない」と言っている人がいるのでせっかくワクチンがあっても先進国と比べかなり遅れるんじゃないかと思います。
フィリピン株の現状と今後の見通しは・・
フィリピンの株式マーケットはと言うと、
先週から米国長期債の金利上昇とコロナ感染者の増加のダブルパンチにより株が下がってるっていうのを別の記事で書いたんですが、
現状はと言うと、3月に入ってから予想通りぱっとしない相場が続いていて、ようやく底打ちし始めた銘柄がいくつか出てきたところで、金曜日に6428.55でクローズしています。
セクター(業種)別で見ると、ホールディングスファームが0.4%、製造が0.26%上昇で、最も下がっているのは鉱業とエネルギー株で0.64%の下落です。
例のごとく、ペニー株の投機的なトレードが毎日横行していることを除けば、ほとんどの銘柄は毎日真っ赤で、正直あまり見てて楽しくない退屈なマーケットになってます。
週半ばで長期債が安定して米ドルインデックスが下がり始め、同時に金や銀などコモディティの価格が戻り始めた場面でマイニング株の底打ち感がありました。
しかし今回の米長期債の金利がまた上がり始めているニュースを見る感じだと、まだまだマイニング銘柄の見通しは悪いです。
今月はDITOの営業スタートやフィレックス、ACエナジー、サンミゲルフードの決済など好材料が全部潰された感じで、このままだと23日に上場するDDMP REITもタイミング的にあまり盛り上がらないかもしれません。
今年に入ってからフィリピン株は3回コロナ関連で大きな下落があって、長期的に見ても下落トレンドでボラティリティ(変動率)がかなり高い不安定なマーケットになっています。
長期的に考えれば、底打ち後はバーゲンセール、絶好の買い場だとも取れますので、私はDITOがちょっと前まで18ペソだったのに、金曜日に8ペソまで落ちたときに再購入しています。
今後のフィリピン株の(短期的な)見通しとしては、
今回の下落原因である感染者数がある程度減少して、マニラの規制が緩和され、米国の長期金利を投資家がどのように今後消化していくのかによりますが、
ここ数ヶ月間はこういったつまらないマーケットの状態が続いていくんじゃないかと思ってます。
具体的に言えば、当分の間はレジスタンスの7160からサポートの6613の間を値動きすると思います。
今のところ、上の画像のように、ちょうど三角持ち合いの形になっているんですが、どちらかと言えばネガティブな方で、大体4月前半から半ばくらいにトレンド転換がありそうな形になってます。
ただその時にポジション転換の原動力になるような力強いポジティブなニュースが出てなければ、そのまま下落トレンドが継続され、フィリピン株のマーケットは更なる底に落ちていく可能性があります。
まとめ
米国ではワクチン接種の年齢が下げるというバイデン大統領のスピーチから、経済回復の期待が高まり米国長期債の金利がまた上がってきています。
フィリピンはというと、ワクチン接種は始まったものの、感染者数が増加しマニラの一部のバランガイではロックダウンに逆戻りしています。
この2つが引き金となりフィリピンの株式マーケットは3月に入ってから連日下落していて、当面は下落トレンドが続くと思います。
今後のフィリピン株の見通しはハッキリ言って良くありません。
米国や日本ではガンガン株価が上がっていて、フィリピンは今世界でも最も最悪なマーケットの一つですので、焦る気持ちもあるんですが
フィリピンは将来性があり、ポテンシャルが高いマーケットですので、長期的には今がチャンスでもありますので、
こんなときは底値で買って、あとはのんびり気長に待っていることにしています。
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