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墓参のち鳥ぎん

佃島に暮らす家族と鎌倉霊園で落ち合い墓参り。「鎌倉殿」ゆかりの「太刀洗」から園内に入る。

あと少しで桜が開花。佳い枝ぶりの樹のそばに我が家の墓がある。よく樹木が整えられ、季節の花々で彩られる空間には朗らかな陽光、清らかで開放的な空気が満ちている。ぼくはいつものように手を合わせながら苦境を抜け出して良縁にめぐり合えるよう独りよがりに祈る。不思議なことにたいてい願いが叶うから守護されているんだろうと信じられる。

墓参後は葉山木古庭の「葉山鳥ぎん本店」に直行するのは毎度のルーティンであり愉しみ。釜飯定食をオーダーしてから数ヶ月ぶりに近況報告し合うひとときに心が深く和む。焼き鳥も釜飯も安定した味。佃島での、たまの外食では南砂のショッピングモールに入る「銀座鳥ぎん砂町店」を目指すのがお決まりだった。葉山の鳥ぎんは銀座より味付けが優しく、しょっ辛さに慣れた家族も葉山の方が好みと讃えた。いちどお気に入りを見つけたら、ずっと贔屓に通うのがマイファミリーの習わし。

ぼくと父は美味しさの余韻に浸りつつ、最後に甘味を頼む。これも毎度のワクワク。

旬のデザート、桜アイスクリームのあんみつを二人してチョイス。86歳の誕生日を前にすっかり痩せ細った父。頑強だった骨格は大きな手のみに残存している。その無骨な手で好物をすくう姿に何か安堵する気持ちになった。次に顔を合わせるときもどうかまた元気で。自分も前を向いて進まなくては。

#LEICA
#summilux50mm

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