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奏ノ奇跡

鬼滅の奏
刀鍛冶の里
ありがとう

令和6年(2024年)5月。
鬼滅の奏オーケストラコンサート刀鍛冶の里編。
奏の文字を背中に描いたTシャツを着て
マチネ後に再会したのは
非公式の鬼滅の奏メンバーである。
冒頭の一句は、その仲間がくれた
どらやきの焼印であった。

奇跡のつながりを、
改めて振り返る。

令和2年(2020年)11月。
コロナ禍であらゆる交流に支障が出る中、
SNSを通じて偶然、鬼滅の奏オーケストラコンサートの配信を知った。
アーカイブ配信もあり、期間中いつでもどこからでも楽しめる!とチケットを購入した。

チャットルームに配信日当日の感想を入力することができたので、
それぞれに演奏の感想や情報のやりとりを楽しんでいたのだが、
最終日の終盤に差し掛かったあたりで
不思議な事が起きた。

時柱(作品にちなんだ呼び名)が現れ、
「今、何時間何分のあたりを見ています」と
チャットで知らせてくれていたのだ。
次第にその時間に合わせて視聴する仲間が増え、
最後には実際の時刻に合わせて再生する場所を決めて一緒に配信を最後まで見届けるという奇跡的な空間が生まれた。

アーカイブ配信が終わる頃、各々のSNS情報がチャットルームに流れ、急速に繋がりが増えて行った。
その繋がりは、今では媒体を限定して続いている。

令和3年(2021年)、9月。
実際に生身の繋がりを実感できたのは、
無限列車編のマチネ後だった。
お忍び感覚で会場に行き、集合写真でマスクを外すことはできなかったけれど、会えたことが嬉しかった。
事情で来られなくなった夫のチケットを買ってくれたのは、SNSで繋がった仲間だった。隣り合わせで感動を共有できたことも嬉しかった。

令和5年(2023年)、3月。
遊郭編は無限列車編と同じ会場だった。
マチネをひとりで鑑賞した後に、やや慌ただしく
奏Tシャツの仲間と集結し、集合写真に参加。
マスクを外すことも、抵抗なくなっていた。
やっと普通に鑑賞できたという安堵感に包まれた。


そして現在。テレビアニメの鬼滅の刃は
柱稽古編の放映が開始され、
物語は鬼との決戦に向けて
更に見逃せない展開となっている。

今年は開催日程が土曜日限定となり
ソワレの当日券は現地でも購入できたのだが、
現地に来られない仲間も多かった。
それぞれの熱量で作品の世界観を味わいつつ、
音楽が融合したオーケストラコンサートに
参加できる機会が減ったことは残念だ。


コロナ禍に始まった奇跡の繋がりも、
4年の月日が流れた。

時の変化と共に、人流も移りゆく。
アニメが完結すると、サントラが出来上がり、
いつかまたコンサートが開催される。
そんな幸せな流れも終盤が近づく。


それぞれに歳を重ねて
初期の頃の熱量を失っても、
コンサート会場に足を運び
仲間と再会できる日を願い
作品とともに生きていきたい。

(蕗359号 掲載予定)






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