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猫小説

生きるということは
嬉しかったことを
積み重ねていくことだ
ということを
『猫はうれしかったことしかおぼえていない』
というエッセイ集が
教えてくれた。

訪問介護の道すがら
地域猫と触れ合う。
日向ぼっこしたり
遊ぼう!と寄ってきたり
いつも猫は嬉しそうだ。
幸い触れ合う猫たちは
ご飯の心配はないようだが、
寝床事情は気温や天候により
決して穏やかな日々ではないはずだが、
だからこそ
嬉しそうに見えるのかもしれない。

そんな猫と過ごせる今を
愛おしく思う日々は、
どんどん猫色に染まっていく。
親しい猫が虹の橋を渡るたび、
猫のいる日々が
色鮮やかに感じられる。

朝の静寂の中、
猫の本を少しずつ読むことが
習慣化しつつある。
心が穏やかになり
訪問介護に向かう日常へと
スムーズに頭が切り替わる。

訪問先で目にする
日々のドラマ。
扉を締めたら、
頭を切り替える。
悶々とすることがあっても
心に線を引いて割り切る。
8年目にして習慣化して
心に波風が立ちにくくなった。
そして時に
嬉しい余韻が残る事も増えた。

ここのところ
私の日常は
穏やかでほんのり嬉しい。

毎日猫に会える日々。
いつかは自宅で
猫と過ごす日々。

そんな日々は
間違いなく傑作の
猫小説。







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