「七実の卵」桐生七実の孤独と自立の物語

「少女革命ウテナ」テレビシリーズの27話目にあたるこのエピソードは、ベッドで目覚めた七実が心当たりのないカラフルな「卵」を見つけてしまったところから始まり、「卵」の正体を知ろうと奔走するうちにだんだん「この『卵』は自分が生んだものだ」と思い込むようになって苦悩し、その「卵」が同じく目覚めたベッドの中で割れてしまっているところで終わる。
「人間の女の子が『卵』を産んだ(?)」から始まり、登場人物のほとんどが何だかトンチンカンな話しかせず、結局正体不明の「卵」が割れて終わるこのエピソードは「不条理ギャグ」と言われて終わってしまうことも少なくないが、もしもこれが全て「七実の見た夢」であるならば、これは「七実の深層心理」を表した個人的超現実の物語、ではないんだろうか、と。
 そこでこう、あれやらこれやらちょっと整理し直してみようと思ったらとんでもなく長ったらしくなったので、大きく分けて「登場人物とその役割」と「エピソードから窺える七実の心理」の2方向で考えてみたい。

登場人物とその役割

七実の胸の内

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