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キングジムツイッター担当の著書「寄り添うツイッター」から、つながる作法を学んだ話

ともこです。今日もスローライフを探しています。

昨年から、物販ビジネスでInstagramを運用しています。

親切な情報提供者の皆さんの発信を見て、「Instagramの伸ばし方」を色々と実践してみています。月利3万円の弱小ショップらしく、フォロワー様は約1000人です。

この本を手に取った動機の一つには

SNS運営のワザを盗みたい!

という、いつもの下心がありました。

しかし残念ながら、この本を読んでも、
1年でフォロワー5000人を達成するSNS運営のワザは盗めませんでした。
その代わり、SNS運営の哲学を覗き見ることができ、感動したので、

今日はこの本の感想を書いていきます。2分ほどお付き合いください。

この本に、残念ながら書かれていないこと


この本には、「フォロワーを増やす方法」「急上昇中の話題に波乗りする方法」「ツイッター集客のノウハウ」が書かれておらず、むしろ「当たり前の、人付き合いの作法」が書かれています。

目標:ある時ふと、好印象とともに思い出される

ツイッターを『売る』道具にしない
・・・(略)・・・売ることを目的にすると、短気的には成功するとしても、長期的にはデメリットが大きい
(「寄り添うツイッター」196頁より)

ツイッター運用で多くの人が失敗しがちなのが、「目標の立て方」です。
特に「いつまでに」の部分が短期間だと、根本を見失いやすいので注意です。

実生活に置き換えてみると、

今年の誕生日までに、プレゼントをくれそうな友達を10人作る

みたいな目標って、確かに見かけませんよね。

とはいえ企業のプロジェクトですから、最終的にはイメージアップや売上アップが目標になります。


キングジムさんは、「3年・・・いや5年」とゆったり構えてアカウントをスタートさせました。
(この本は、アカウント運営10年目を迎えた今年の3月に出版されています)

キングジムさんのツイッター長期目標:
・短期的な購買数増加ではなく、「ふとした時」に思い出して選ばれること
・コールセンターに言うほどではない「お客様の声」を気軽に寄せてもらうこと

攻めと守りのバランス

以前投資の勉強をちらっとした時に、
「攻めの投資、守りの投資」という分け方を学びました。

少ない元本から、短期間で大きなリターンが期待できる攻めの投資と、
元本と期間をたっぷりとかけて低リスクでジワリと殖やす守りの投資。

キングジムさんのツイッター運用は、守りの投資です。
しかし背景にあるのは、キングジムという会社の風土自体は、
リスクが高くても、挑戦する「攻めの姿勢」だということです。
尖った商品を生み出す企画会議のエピソードや、社長さんの「ファーストペンギン」という言葉からも、攻めの姿勢が見て取れます。

尖った文具メーカーの中で、広報担当のお姉さんが
一人きりで十年間「守りのツイッター運用」を貫いたというのは、
私が一読して持ったイメージの100倍、精神力が必要なことだと思います。

キングジムさんは、尖った社風を逆風にせず、失敗を恐れないマインドを抽出して味方につけました。

「攻めの会社の、守りのプロジェクト」という背景が、
尖るだけではない、守るだけでもない、キングジムさんの絶妙なバランス感覚につながっています。

共感と信頼の積み上げ

長い時間をかけて、キングジムさんが何を増やしたのか。
注目ではなく、信頼でした。

キングジムさんは、広報としての経験から、謝罪会見にヒントを得たルールを持っています。

信頼につながる、誠実なアカウント運用ルール:
・一度発言した内容は削除しない
・問題を指摘されたら、ツイッター上で対応


「お客様と企業」ではなく、
「ツイッターランドの住人同士」でつながる

キングジムさんは定期的にツイッターで今日のおやつを報告します。

食べものは、誰の生活にも必ずあります。身近で感情移入しやすく、安心の源にもなります。(「寄り添うツイッター」100頁より)

おやつをきっかけに共感を呼び、身近に感じてもらう作戦です。

キングジムさんの周りにフォロワーが集まるのは、
呟き全体から「安定した人格」と「波長があう感覚」を感じ、
自然と「つながりたい気持ち」にさせるからです。

有益なツイートは、大切だけど一方向的になりやすい。
今日のおやつのお知らせは、有益でなくても
共感と双方向のコミュニケーションを呼びます。

美味しいものが手に入ったらお隣やお向かいにおすそ分けをして、数日後にお返しがくるのも「ご近所あるある」ですね。今、私はツイッター上でこれを叶えています。・・・(中略)・・・こうした、細やかで心温まる交流を、ずっと大事にしていきたいものです。(「寄り添うツイッター」101頁より)

まとめ

この本を読んで、
数字ではなく近所の人としてフォロワーをとらえることを学びました。

SNSは新しいコミュニケーションツールだけど、
ツールが変わっても「コミュニケーション」の本質は変わらないんだぞ

と言うメッセージを勝手に読みました。

この本には他にも、
タニタさんやシャープさんとの人間模様の裏側や、
キングジムさんの絶妙なセンスの源泉や、
ツイッター映えする写真についてなど
勉強になることが色々書かれています。

手っ取り早くフォロワーを伸ばす方法が知りたいんじゃー!

と思われる方にとっては、
欲しい情報が書かれていないし、
個人アカウントには関係ない本に思えるかもしれません。
ご注意ください。
かく言う私も、読書の序盤は

有名な企業の公式アカウントは、
名前が認知がされていて泥臭い活動をしなくていいから、
こんなきれいごとが言えるんだい!

と思いながら読み進めていきました。

でも今振り返りを書いていて

キングジムの中の人が、もし
この本に書かれているマインドを持たずにアカウントを運用していたら、
きっとキングジムさんのアカウントはすでに削除済みだろうな
認知度の高い優良企業だろうと、個人の弱小アカウントでも、
ここはたぶん同じだな

と思ったのでした。

以上!
明日も笑顔で過ごしましょう!!

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