【罠の戦争】#1 感想(ネタバレ有)
【罠の戦争】#1
楽しみにしていたカンテレ×草彅剛ドラマ。
実はこの戦争シリーズはちゃんと見たことがなく、
銭の戦争をチラッと見たことがあるのと、
嘘の戦争は今やっている再放送でチラッと見た程度。
そんな私でも十分楽しめた。
シリーズとは言えど、
毎回違うストーリーなので問題ない。
冒頭の時点で鷲津(草彅剛)が
超絶良い夫、良い父であること
おまけに仕事まで優秀というのが分かる。
蛍原(小野花梨)のシゴデキ後輩っぷり
虻川(田口浩正)のただムカつく感じ
海老沢(杉野遥亮)の隠しきれない闇
この秘書事務所の中だけでも
かなり惹きつけられる演技派の皆さん。
大臣のポンコツぶりに溜め息が出るし、
前期の「エルピス」でも柔く触れていたが
漢字読めないってなんだよ?
お前は麻生太郎なのか?と言いたくなる。
律儀にふり仮名を打つ鷲津だが、
その裏で最愛の息子・泰生が意識不明の
重体となっている。
この可奈子(井川遥)の憔悴感に
こちらも胸が苦しくなる。
そしてあの大臣は「わっしづ」と呼びつけて
まさかの発言。
いや、分かっていた展開ではあるけど
それでも苛立ちが抑えられなかった。
あんなこと言われたら
「どういうことだよぉぉぉ!!!!」
と、胸ぐら掴む展開が予想されるが
ここで「頭あげてください」と弱々しく言う
鷲津が、この男の性格を表している。
でも、本当は誰よりも怒りに満ちており
復讐を誓うには十分過ぎるぐらい
何もかもを侮辱されたのだ。
復讐の始まりだ。
さて、どう進めていくのか。
ここで直接大臣に仕掛けるのではなく、
虻川からのパワハラ、セクハラに悩む蛍原と
その事実を知った海老沢を取り込む。
本当にこんな秘書いるのか、
いるんだよな。
【永田町は変わらない】
こんな絶望的な言葉に
何も驚かない現実が悲しい。
弱い者には弱い者なりの戦い方がある
それは正面からぶつかるのではなく、
外堀からじわじわと攻め込む。
あの定食屋でめちゃくちゃ内部事情喋ってて
少し心配になったが・・・。
あの店員のおあばちゃん、リークしない?
なんて疑ってしまったり。
記者の熊谷(宮澤エマ)と組み、
鴨井大臣(片平なぎき)を利用して
虻川の素行を暴く。
しかし、虻川は反省どころか
蛍原をクビにさせようとする。
「いや、ここで蛍原さんがクビになれば・・・」
弱者を追い出す大臣という社会的批判は免れない。
これは「エルピス」で嫌と言うほど見てきた。
秘書の不祥事は大臣の責任。
まぁ、それもただ原稿を読むだけである。
ここ「ふり仮名なしにしろ!」と思っていたが
割とストレートに暴言原稿でスカッとしたし、
釈明の余地はあったのに逆ギレするところなんて
情けないが実際見たこともある・・・。
散々な結果で終えた”釈明会見”は
鷲津の復讐の始まりだ。
仕事のできる鷲津だからこそ
持っている情報量も半端ないだろう。
今まで彼が”秘書”という仕事を全うしてきたことを
様々な形で知ることになるポンコツたちの墜落を
毎週息苦しくなりながら見ていきたい。
【罠の戦争】なだけに一筋縄ではいかないだろうし、
海老沢がキーマンであることは間違いないだろう。
彼が植物学に精通しているというところも不穏・・・。
まぁ、兎にも角にも面白いドラマだ。
改めて草彅剛の怒りに震えた表情は鬼気迫るものがあるし
一気に引きこまれて感情が持っていかれる。
一言一句が彼の人生と重なる部分もあって
グッときたりもする。
私は特別グループのファンでもないのだが、
これだけ演技力のある人がずっと演技ができず
番宣や告知もさせてもらえない状況が続いた後、
アカデミー賞を受賞し今年カンテレに帰還した。
何も言葉にしない、できない、ただひたすら時を待つ。
そういうところに鷲津の姿を重ねてしまった。
(シリーズ見てないのに偉そうでごめんなさい)
フジ月曜22時はもう、こういうジャンルでいこう。
日曜劇場よりも汚くて綺麗事のないものが見たい!!!