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[物語のある英語]~第2回~"thank my stars" 星に感謝は何のため?七夕企画

-こんにちは!スロバールです。

言葉は人によって作られた。だからその過程には物語があって味がある。
単語帳では語られない物語を味わって味わい尽くそうというのが本シリーズの目当てです。

第2回目は「thank my stars」についてです。今日は七夕なので、星にまつわる表現にしてみました。直訳すれば「星に感謝する」になるこの表現。My stars→私のスーパースター→私の好きなアイドルに感謝する?なのでしょうか。

◆目次◆

・thank my stars の意味
・関連表現1
・物語~ベツレヘムの星~
・雑学~8角形の星の正体とは?~
・thank my starsの使い方
・関連表現2
・日本のことわざ
・おまけ~次の惑星直列は●月●日~

この表現に不可解な点が1つありますがお気づきでしょうか。何でStarsは単数形じゃなくて複数形なのでしょうか?実はここに、この表現の意味を解いていくカギが隠されているのです。

◆thank my stars の意味◆

この表現の意味は「運が良くてありがたいと思う」です。身近な例は、毎朝めざましテレビなどでやっている1位から12位までのランキング….占いです!あれは血液化型の占いではなくて、星座の占いですよね!

1つの星座というのは複数の星を結んだものなので、thank my stars のstarが複数形になっている理由はstarsが星座を指しているからなのです。

占いを見たその日の運がよかったら自分の星座に感謝していますか?

もしかしたら読者さんの中には、今どき占いなんて…という人もいるかもしれません。

しかし昔は、星は人の生活と切っては切れないもので星の持つ影響力は大きく、幸運も不運も星によってもたらされると思われてきました。だから何か良いことが置きたら、自分の守り神的存在である星に感謝をしていたのです。

◆関連表現1◆

英語は時の歩みと共に成長していったので英単語の中に昔の人の思想を見ることができます。その例が「disaster (災害)」です。この単語を分解してみると、dis (離す)+ aster(星)になり、「星に見離された」となります。

身に降りかかる災害は、自分を守ってくれている星に見捨てられたから起こるのだという考えが見事に盛り込まれていますよね。

このように、今では古臭くなった考えであっても英語を学習する上では大きな助けになるので知っておいて損は無いと思いますよ!

違った角度から見ると、英語ができるというのは単に語彙が多かったり、文法に詳しいというだけではなく、こうした雑学も含まれると私は思っています。雑学を知っていると、話していて面白いとネイティブに思われるから話が弾むと思いますよ!

そこで、英語ネイティブが知っているお話を1つ紹介していきたいと思います。

◆物語~ベツレヘムの星~◆

これは聖書のお話で、特にキリストの誕生の時の話です。

時は今から2000年ほど前。
今のパレスチナにベツレヘムという地がありました。

ある日、隣国からベツレヘムの方の空に今まで誰も見たことがない八角形の星が現れたのです。この時、ベツレヘムでキリストが誕生していたのです。

星占い師は新たな王(キリスト)が誕生したことを悟り、現国王に告げます。

キリストの居場所を突き止めるために3人の学者が調査団として派遣されました。学者たちはその奇妙な星を追い、その星の真下に差し掛かった時キリストを見つけた

という話です。

◆雑学~8角形の星の正体とは?~◆

あの8角形に輝く星の正体は今で言う惑星集合(惑星直列)という現象だったと推定されています。ご存知の通り、地球や金星や木星などの天体は太陽の周りを回っていますが、まれに周期が重なって一直線に並ぶことがあります。キリストが生まれた時にうまい具合に金星と木星が重なり、その輝きが8角形に見えたという説が有力らしいです。

木星と金星の惑星直列は星の並びから起こる現象ですよね。また、thank my starsのstarsが指すのは星座で、星座は星の並びですよね。どちらを例にとっても、昔の人は星の並びを意識していたことが見て取れますね。

◆thank my starsの使い方◆

thank my starsは幸運の意味合いを強めてthank my lucky starsと表現することもあります。

1.I thank my lucky stars that I got a good job.
(いい仕事が取れて星に感謝する→いい仕事が取れるとは幸運だ)

2. You have to thank your lucky stars that you survived the accident.
(事故で死ななかったその強運に感謝しなくちゃね)

*starsの後ろにthat を置いて、ラッキーだった内容を持ってきます。

◆関連表現2◆

今回の関連表現は「to be born under an unlucky star」です。to be born (生まれる) + under an unlucky star (不幸な星の下)なので、生まれつきの不幸であることを指す表現です。ちょっと残念すぎ!霊にも守護霊あり、地縛霊ありで全てが良いとは限らないということでしょうか。

He is stupid and ugly. Plus, his parents are very poor. My friends say that he was born under an unlucky star.
(彼はバカでブサイクで、その上家族は貧乏だ。私の友達は彼は生まれつき不幸だって言っている。)   こ、これはヒドイ…

もちろん、幸運の星の下に生まれるという表現もありますよ。unを取り去って「to be born under a lucky star」にすれば、生まれつきの幸せ者に変わります。

◆日本のことわざ◆

良い英語力は豊かな母国語力の上に実ると信じていますので、母国語もついでにレベルアップしておきましょう。

さて、星と運勢に関する諺を1つ、「我が上の星は見えぬ」。

日本語でもやはり運勢と星の関連は見えますが、日本の幸運・不運に関する諺には星や天体をモチーフにしたものが英語と比べて少ないことに気が付きました。日本と英語圏では星に対する見方が違うのでしょうか。

◆おまけ~次の惑星直列は●月●日~◆

https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2018/08-topics01.html
金星、木星、土星、火星が来月1日に集合します!
天体ショーをお見逃しなく!

いつも記事を読んでいただきありがとうございます。英語学習に苦しんでいる方、つまらなそうに嫌々語学を学んでいる方が周りに居ましたら、シェアしていただければと思います。楽しく、深く、語学に取り組める人が1人でも増えたら幸いです。