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【ケムリクサ】第11話感想 僕たちのケムリクサはこれからだ!(第一部完)

昼飯のどん兵衛を食べながら、第11話感想の感想になります。第10話に続き非常に面白い回でした。なお10話の感想は途中まで書いていたんですが、うまくかけずにタイムアップしました…。

さて、今回は世界の設定を大部分を明らかにする怒涛の回でしたね。まずストーリーについての簡単なまとめと、その上でどういった展開になるのかといった点をこの作品のテーマと交えて書いていきたいと思います。

わかった状況の整理

ひとまず、この回でわかったことを「わかば」と「りり」について分けながら整理していきます。

かなり情報は多いですがはっきりと明示されているのでこれまでより格段に楽になっています。

【ワカバ/わかばについて】
・「ワカバ」※カタカナ表記は記憶を失う前の「わかば」
・「ワカバ」は地球外から来たケムリクサを操る「ヒト」
・「ワカバ」以外にも「ヒト」はいる(ただし地球にはたぶんいない?)
・地球は雲の下にあり文明的には滅んでいるか非常に衰退している。
・「ワカバ」は文化の保存として派遣されたケムリクサの研究者であり管理者であり創造主
・ケムリクサは「ワカバ」達の世界の技術の産物だがわからないことも多い
・フネは空中に飛ぶもので「わかば」達が今いる建造物
・フネに乗っていた「せんちょう」は「ワカバ」
・フネに乗って地球の世界を「島」として部分的に複製して雲の上に再現している
・「ワカバ」は「りり」を守るために一人赤い木に立ち向かった
・「ワカバ」は発芽というプロセスを経てミドリを「赤い木」同様樹木化(紫特性利用?)「緑の木」を作り更に防壁を築いて「赤い木」の進行を抑えた
・長い時間を経て「緑の木」から実のようなかたちで「わかば」が復活したが記憶を失った


【りりについて】
・第10話ラストの子はやはり「最初のヒト」で名前は「りり」
・「りり」は分裂後の姉妹の特徴を持つ
・「りり」は「ワカバ」に救われた地球人
・「りり」は一度死んてるということなのでケムリクサの技術で複製された『ヒト』かも。
・「りり」の両親は死んでいる。
・「りり」は「ワカバ」の仕事がはやく終わるよう「赤い木」を作った
・「赤い木」は自律性(紫特性)やケムリクサの機能を止める働き(赤特性)がある
・「赤い木」を止めようとした「ワカバ」を助けるために大人になりたかった
・大人になるのはケムリクサの制限を解除するため
・「分割」という手法により6姉妹にその特性・性格・嗜好なども別れた
・記憶の引き継ぎには失敗したが予め想定していたため保険として「記憶の葉」を残した

といった形になっています。

残された謎と課題について

正直、本質的に重要な謎はもうあまりないかもしれませんが、課題を含めて以下に挙げます。

・何故、誰が「ダイダイの葉」の目的の記述を消したのか?

おそらく完全に消える前の「りり」が眠っているときなどに意識の表層にあらわれてが状況の困難さを認識し「ワカバ」の最後の言葉どおりに好きな道を歩むことを推奨したといったところでしょうか?

・「赤い木」をどうやって抑えるか?

この辺は姉妹達の復活登場の見せ場かもしれません。「りょく」ちゃんがサポート?「ワカバ」か「りり」の知識を使うなどの展開かもしれませんが、決め手としては「赤い木」のケムリクサの構成部分をいじって調整し直すことでなんらか抑える形になるかもしれません。(完全には倒さないと思う)

・「りん」以外の姉妹のゴースト化の謎と今後は?

ゴースト化自体は正直仕組みはどうでもいいかなと思いますが、記憶の葉とケムリクサ周りの兼ね合いで起こっている現象で前回のnoteで考えた「ゴミ箱ファイル」や「一時キャッシュ」や「物理フォーマット」される前の記憶の断片みたいなものが表出したものと考えていいのではないでしょうか。
とはいえ重要なのは彼女たちがどうやって終わるのか?「スキ」を体現したそれぞれの終わり方というものに注目したいと思います。

・「りなむ」は何故寝ていたのか?りなぞうに出番はあるか?

「りなむ」自体は「りく」達ゴーストの実体化に関与していると思います(イタコ状態)。りなぞうはとりあえず出てこないと可愛そうなのでどこかで確実に出てくるでしょう!(根拠なし)

・「りん」「わかば」の今後は?

YOU付き合っちゃえYO!というのは冗談として、「りん」は「ワカバ/わかば」への「スキ」を強く持った分割体ということだと思います。想いの強さは体の強さ。問題は「りん」は「りり」になっていくのか?「わかば」が「ワカバ」になっていくのか?それは幸せなことなのか?…このあたりがテーマと絡んで一番大事なポイントなので、じっくりと考えていきたいと思います

以上が現状の簡単な整理となります。

第12話に向けて「テーマ/コンセプト」の面で考える

私としては本作を視聴するにあたり、たつき監督という稀有なクリエイターが作り出す「テーマ/コンセプト」について注目してきました。
ケムリクサについては第6/7話にnoteで書いた記事にてコンセプトに関する考えをまとめております。こちらを振り返りつつ現在の情報をプラスして改めて考えていきたいと思います。

こうして振り返ってみるとだいたい60%くらいは予想通りの展開だったかなと思います(小鼻をひくつかせつつドヤ顔をキメる私)

わたしのこれまでの考えをまとめは以下の通りです。

・「ケムリクサ」のテーマは『キャラクター』の命や死をどう捉えるか
※あくまで「キャラクター」というところがキモ

・別の言い方では『キャラクター愛』の倫理と限界を問う作品

・わかば/ワカバは『人』であり『視聴者』であり『クリエイター』であることを意味している。

・ケムリクサを本体として宿す「りん」達は『キャラクター』で区別を明確にされている

・「アカムシ」はデータベース的に増殖するキャラクターのイメージ

・世界(創作の世界)はデータベース的(スマホゲーム的)キャラクターの増殖により滅びかかっている

・一方、「りん」達はよりクリエイターの想い(最初のひと)から生まれたものでありたつき監督が行っているような「スキ」を主軸においたキャラ&’物語設計をもつ『キャラクター』しかし滅びに瀕している

以上のような比喩的なイメージを元に話をすすめてきました。

今回カタカナの「ワカバ」が世界を作る描写の登場によってより明示的に『クリエイター』さらには『造物主』というイメージが確認できたかと思います。


一方「りり」について改めて考えてみます。

第7話時点のnoteの私の記載を引用すると

「さいしょのひと」は『クリエイター』であるわかばが記憶を失う前の「恋人(想い人)」であると考えられます。それらのイメージが分割(創作上のモデルとして)して「キャラクター化」=「要素のデフォルメ」したのが「りん」たち。それがアカムシ的な存在とは一線を画する特別な想いのこもった『キャラクター』である根拠ともなりえます。また「さいしょひと」の目的はなんらかの意味での「わかばの救済」と考えられます。

引用元:【ケムリクサ】第7話 コンセプト目線での感想

と書いております。大体合ってる?
具体的には例えば初恋の人を元ネタにして部分的にデフォルメをしつつヒロインのキャラを創作で作っていくようなイメージです。

そうなると「りり」は現実世界での創作の素となるイメージの象徴です。今回でも「りり」に対しては好奇心を大事にしてほしいということを「ワカバ」が最後にいっていました。

またもともと「りん」は好奇心旺盛だったという話もあるのでこのあたりのメタファーもだいたい符合しているといってよいかと思います。

なおここまでの話は基本的にはこの話は古典的な神話をベースにした話といえますので予想するのはわりと難しくないように作られているように思います。

つまり以前書いた「黄泉下り」や今回の話でいうと「アダムとイブ」や原罪の話が原型といえるかもしれません。

ということで重要なのは第12話です。

そしてここまでシンプルな話を11話かけて丁寧に描いてきた意味として『視聴者(ヒト)』と『キャラクター』との関係を築くとそこに宿るものはなんなのかという準備がどうしても必要だったからです。

このあたりは以前書いたたつき監督の「キャラクターをキャラクターとして割り切れない」独特のナイーブさの話でもありそこを手抜くことは絶対に許されない人なのでしょう。

【テーマ上のポイント】

・この長い旅を通して『キャラクター』の生と死を我々視聴者がどう感じたか。そしてどうしたいのか?(視聴者へ向けて『スキ』問う方法)

ということになります。

ここで私が考えるのは、正直この『ケムリクサ』という作品は第11話までで終わりと言っても実は良いと思っています。

ここから先の話は自分たちの「スキ」を自ら構築する「クリエイティブ性」こそがある種の突破口としてテーマに内包されているからです。

たつき監督は第6話のnote後半でかいたように初代「けものフレンズ」では

「フレンズ化」とは”人工物”と”自然物”との区別がつかない段階まで”人”と”キャラクター”の関係を巻き戻すこと。

という手法で「視聴者側をある種の幼児退行させるハックすることを通じて『キャラクター』との親密な関係性の実現を新たに提示した」ということが斬新な作品でした。

一方で「ケムリクサ」ではこの「フレンズ化」という手法を封印しつつ、別のアプローチで『キャラクター』との関係性を提示することが課題となっていました。

今回の第11話ではより明示的な『クリエイター』である「ワカバ」が記憶を失い、物語の世界の登場人物「わかば」としてある種の転生しています。

これはある意味自分を投影する『キャラクター』を自分で創作し、その地道な創作活動を通じて「りん」達『キャラクター』と絆を結んでいくという行動そのものがそのアプローチになっているように読み解けます。

全体を通じて「わかば」はうざい『ヒト』らしさをもつ存在から、主人公ぽい『キャラクター』に変異していき、一方で「りん」達『キャラクター』は丁寧な描写を通じてより『ヒト』に近づいていってます。

このクリエイティブを通した『キャラクター』とのふれあいこそが、「フレンズ化」を使わないキャラクターとの新たな関係性の提示となっていると思います。

だからこそ私が考えるケムリクサは、この第11話にていったん物語としては終わっており、第12話はあくまで「たつき監督のケース」としての物語としてみていきたいと思います。

そうした一方で、私を含めた『視聴者』はそれぞれの『スキ』に合わせた第12話を作る余地があるということがたつき監督からの最大のプレゼントだと思います。

とはいえ2次創作をするというのは大げさなので、この第11話から第12話まで楽しく妄想するくらいのことでいいと思うんですが、この余白部分こそがたつき監督の想いに応えるような『視聴者』の姿勢であり、それこそがまさにデータベース化したキャラクター性を意味する「赤い木」や「アカムシ」と対抗する「想像力」という手段なのだと思います。

↓たつき監督も以下のようなtwitterを残しています。

よって以下は私なりの第12話の妄想を書いていきたいと思います!

第12話の展開予想の前提

ここで以前のnoteにて記載した第6話時点での私のオチ予想を引用いたします。

「フレンズ化」を拒否した滅びゆくキャラクターの世界で、一体なにが『わかば』だといえるのか問題

この物語にどうオチをつけるかという話ですが、
・わかばのクリエイティブパワーで世界が再生する(創作活動をし続けるとこによりキャラクターは死なないと宣言する)
・わかばが逆にキャラクター化してりんとくっつく。(創作物内での限定された幸福の実現)
・わかばはこの世界から抜け出し、りんたちはケムリクサ(詩情の断片)となって現実に持ち帰られる(キャラクターの思い出を糧として現実の暮らしや別の創作活動に活かす道)
・別の世界を見つけてみんなで移住する。(ゲームなど別のプラットフォームを使うことによるキャラクターの新鮮さの再生)

引用元:【ケムリクサ】6話まで感想 「キャラクターの滅びゆく世界」になにが救いとなのか?

としています。なかなか良い線いっていますね。(ドヤァ)

この時点での私自身の「スキ」でいうならば、元々は3番目の考え方をしていました。若干ビターですが現実的な展開です。

私の趣味としては、
「さいしょのひと」へキャラクター統合はできず、りんたちは死に本体のケムリクサに戻るけど、わかばは新天地(別のバーチャルワールド)でそれらのケムリクサから新たなキャラクターを生み出す…というオチを予想しています。とはいえ実際はさっぱりわからないのでやはり今後の展開が楽しみな作品ですね。

引用元:【ケムリクサ】第7話 コンセプト目線での感想

しかし!わたしは11話をみて、「りり」も「りん」達も含めて全員への愛着が捨てがたいんですね。というわけであっさりと宗旨変えしました。
駄作といわれようが

4番目の全員生き残りの展開をより「スキ」な展開として推していきたい

と思います。

僕が考えた、さいきょうの第12話

以下、私なりのざっくりとした12話のシナリオ予想になります。

>>>>>>>>>>>>

・まず冒頭はわかば安否は放置して「りつ」「りな」が登場

・ただし既にゴースト化

・「りなぞう」「りなこ」もここで復活
 「久しぶりナ!」的な展開へ

・対アカムシのバトル中「りなむ」覚醒

・りなむ「この日のために12年分パワーをためてきたわ。」からのアカムシ瞬殺「すごいのナ!わかば達を助けに行くナ!」

・一方、「りん」と「わかば」はなんとか逃走するもするもわかば重傷。

・りん「お前は私が守る!」からの「りく」「りょう」「りょく」登場

・「りなむ」の体と記憶の葉によって一時的に復活してるんだぜー。的な説明が入る。

・しかし、なんで記憶の葉の記載を消したかは趣味のアニメ0.1~0.4をtwitterでアップするからそこで説明するぜー(ナンダッテー!)となる。

・記憶の葉により「赤い木」をなんとかしてフネにのって別の星にいけば助かるかも知れないとわかる。

・「りつ」「りな」含めて赤い木とバトル。ここでみんな消えていく。ここはガチで泣けるシーン。これにより「りん」はみなの能力を受け継ぎ完全体に近づく。

・完全体の大人となった「りん」髪の毛がほどけて大人になった「りり」のようになる。

・「りん」がケムリクサを操り「赤い木」の制御になんとか成功

・ただし「りん」も力尽きる。

・このときわかばの記憶も戻り最後のお別れ「おまえがスキだ!」

・「わかば」は電車と位牌「りん」達のケムリクサを回収してフネで別の星へ。

・別の星で「わかば」は新たな芽を育てるとそこから「りり」が復活

・助かったのは「りり」だけか?と思いきやわかばのポケットから「モモちゃん」発動

・「りり」の背後から「りな」含めてみんなにょきにょき出てくる。

・「りり」含めてみんな復活。

・一方、赤い木が調整された地球ではシロたちが赤い木とともに地球を再生し始める。たぶん「どうぶつ」とかも復活する。

・ED(いままでの道中がダイジェスト・シルエット全キャラ復活)

・Cパートで「わかば」と「りん」がチューしそうになるところを「りり」たちに見つかって冷やかされる。

・めでたしめでたし

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うぁあーーーめっさ駄作!めっさ駄作!
だがそれがいい!こんな感じで他の人の意見もみてみたいですねー!
(といいつつ他の人の考察はいままで通り作品完結まで見ない予定です。完結したら考察もみまくった上で視聴もループしたいですね!)


まとめ

たつき監督はかなり変態(いい意味で)だと思うので実際はこうはならないでしょうが、いずれにしてもオチの扱いは「スキ」の違いによってさまざまだと思います。

12話や12話以降もファンのみなさんの「スキ」を増殖を見させてもらうのも今から楽しみです。

さあ、俺たちのケムリクサはこれからだ!(完&続く)





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