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少子化問題を子沢山が考えてみた件 Vol.2_3

10年以上前に地方創生の名目で
国会議員と地方の首長さんと東京のベンチャー社長たちで
どうしたら地方が元気になるのかをテーマに
官民連携の枠組みでNPOを作って活動したことがあった。

俺のくせにNPOってねぇ~ 苦笑

国会議員のおじ様たちはとにかく朝が早くて
7時から自民党本部の会議室に50人ほど集まって
意見交換や議論をした。

俺は当時若かったから夜な夜な飲むのが日課で、
朝早くから始まるこの会がとにかくつらかった。

あと、自民党本部の入口で
俺だけ警備に一回止められるのは
怪しい風貌だからだろうけど毎回、傷がつく・・・

そんな活動を繰り返している中で
とある地方の首長さんが自分の町をアピールするのに 
「うちの町の子供の出生率が極めて高い」と話し始めた。

大きな理由は二つ
「教育」「医療」の充実があるから、出生率が高いんだというんだ。

確かに
出産育児において安心して産めて、
そのあとも健康に育てられることは極めて大事だ。
更に待っている保育、学校教育までもしっかりしていることは
親からしたら大きな安心材料なんだろうね。

初めての出産には不安がつきものだし
不安のない出産は誰しもが望むものなんだろう。 

すると
そこにいた役人さんが続けざまに
東京よりも地方の出生率が高いというのは、データ上事実だから
少子化を止めるには皆さん地方に移住するほうがいい的な話を始めた。

首長さんの手前上、リップサービスの一環だろうけど、
当時の若い俺には聞き捨てならなくて、
「少子化の本質はそこじゃねーだろ!」的に噛みついてしまった。

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イキってる俺が話し終えて、
その場にいた自民党総裁が苦笑いして 
荒れた場を回収してくれたと記憶している。


少子化の最大の原因

そもそも、うちはなぜ子沢山なのか?

結婚する前、
俺は収入がないまま23歳の時に一人目の子供が出来た。
まだまだ 遊びたかったからうだうだやってると 
彼女(のちの嫁)から「一人でも産むわよ!」と言われたから観念して結婚を選択した。

この時点で俺は消費者金融で150万ほど借金して生活してた。

子供が出来たら養えるかどうか分からない、だから不安だ!
というよりかは
稼ぐしか選択肢がない状態だった。

それからすぐに起業して
収入が安定してないにもかかわらず
続けざまに2人目、3人目と子供を作った。

運よく、何とか借金を返し終わった20歳代のこの間、
俺は大してお金もないし、貯蓄もないのに 
夜は遊んでばかりいた。

4人目が出来たあたり、30歳ぐらいの俺は
初めて子供一人当たりを大学まで出すまでに 
約2000万かかることを知った。


あれ?
俺 すでに子供4人だから 
・・1,2,3 
はッ、8000万が確定してるんだけど!
  ・・・時はすでに遅かった。

それから今までに合計7人子供を授かった。

正直、子供は3人ぐらいは欲しいと思ってたけど、7人までは考えてなかった。

・・・・・・・

・・・・こんな感じでうちは子だくさんになった。

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読んでくれてる皆さんなら 
すでに気が付いてると思うけど
何故 うちが子だくさんなのか、
その、答えは簡単だ。

俺も嫁も「馬鹿だから」だ。 

結婚する前に子供が出来るずぼらさ。
借金しかない若造が子供を産ませる無責任さ。
育児にかかる費用や労力を計算しない無計画さ。
子一人だけでも大変なのに2、3、4人と生み続ける学習力の無さ。

まともな人ならきっと出産育児という人生にとって一大事なことを
こんなにいい加減には扱わない。
ちゃんと計画的に準備するのは当たり前だと思うからね。

でもうちはそうではなかった。
「何とかなるだろう!」って随分といい加減だ。

いい加減な結果が9人家族になったわけだ。

逆に言うとちゃんとした人ほど計画的にモノゴトを進める。
自分のこれからはどれぐらい稼げるのか、
それに伴って
育児費用にどれぐらいかけられるのか、
だとしたら生める人数はこれぐらいだろうと組み立てるもんだ。

日本は経済停滞が長く続いてきて、
皆の収入が増えない最中ではあるけど
それとは反比例に
このちゃんとした人たちが増え続けている。 
ちゃんと計画性のある人たちが増えたから、
産む数が減るんだと思うんだよね。 

ほら、
逆に東南アジアの発展途上国の貧しい家族ほど
子だくさんじゃない??

おいおい、
「そんな小さい子は働かせないでちゃんと学校行かせろよ!」
って、俺らは彼らを見て大丈夫か?って心配になる。
養えないのならそんな無責任に産むなよ
馬鹿なんじゃないのか?って思うじゃんか。

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欲求の制御に必要な理性=計算する力

一回、全然違う話するね。

台湾生まれの俺は幼少時代、学校に行くのに市バスを使ってた。
乗客が満員なのに道を譲ってもらえないからって 
怒ったバスの運転手が乗客を置き去りにして、
タクシーの運転手と殴り合いをしてた。
当時はまぁまぁあることだ。

信じられないかもしれないけど、ほんとの話だ。
発展してきた今の台湾では見られない現象だけどね。

日本の昭和初期だって
巷で大人同士が口論になって喧嘩することはよくあった。

それが今ではリスクがあることを計算して 
皆ちょっとしたことでは怒らないで
我慢することが出来るようになった。

この民度の上昇はまさに教育のたまものだと思う。
お受験を突破するには
計画的に我慢して勉強を頑張り続ける必要があるからだ。

だけど、教育がもたらした民度上昇は 
少子化の原因にもなっているとも言えるんじゃないのか。
 
学校教育の普及などで人々が賢くなると
経済を良くする人たちが増えたりして
社会は徐々に先進国の仲間入りするようになる。
先進国になればなるほど、
少子化が進むこの構造は世界の国々が証明している。

そうなんだよ。
みな教育によって 
ちゃんとしすぎてきたから
簡単に将来不安を計算することが出来てしまうんだ。

子育てにかかる費用、それに伴い失われる自分たちの時間、
すり減る精神力・・・・

それらを考えると無理してまで子供を増やすことはないし、
必要以上にリスクを取りに行くことをする必要もない。

なんだか悲しいことに
子作りがリスクと直結しているかのようだ。

これが少子化の原因だ。

育児環境の問題、労働環境の問題、
女性の社会進出の問題、不妊の問題・・・etc

いろいろと枝分かれしている少子化問題だけど
金銭リスク少子化の最大の原因なんだ。

育児による精神力とか時間の消耗はともかくとして
やっぱり金銭の問題はクリティカルなんだ。
だからこの金銭の問題を解決すべきなんだ。

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あの時
俺が自民党本部で嚙みついたのは
地方に行けば出生率が上がるのは 
相対的に地方の生活費が都会よりも低いこと、
娯楽が少なくてやることも少ないこと、
人々の距離が近いから 
地域社会が子供たちを育てられること。

これらのことがあって比較的まだましなだけで
原理原則は 
余裕があれば子供を産むんだということだ。
特にお金の余裕なんだ。

余裕がある人は余裕のない他人を
助けれられる理屈と近いものがあるように思う。

少子化の原因は 
金銭余裕がないから子供を育てる自信がないこと。
だから若い家族は子供作りを躊躇する。
そのうえである程度稼げるようになった時には
年齢がかさみ複数人を産むのが難しくなっていること。

嚙みついたついでに提案したのは
日本人の一人当たりの生涯収入が3億円ほどで
これから見込まれる 生涯納税額は3000万~4000万だってことだ。
  

だから出産したら2000万でも配ればいいって話だ。
投資の世界で考えれば 
約150~200%のリターンが国に持たされるし、少子化も止まる。

現状 国から、すでに一人当たり
子供たち(高卒までに)に使われている教育費や医療費などで
ざっくり1200万円ほど使われてるそうだ。
それが効果的な投下になってるかどうかはともかくとしてね。

残り800万をフェーズに分けて 
10年かけて支払っても良いし、15年かけて支払ってもいい。
 
少なくとも金銭負担が減るだけでも
だいぶ、不安がなくなって子供を作りやすくなる。

こうやって言うと、
「お金目当てに子供を作る無責任な親が現れたらどうするんだよ~」
って言う人たちが現れるけど、

うるせー!

黙れ!!薄ら禿!!
重箱の隅をねちっこくつつくな!!

何より俺だって無責任にやって来て子供7人になったし、
それでも何とかなるもんだ。

もっと言えば 
子供がたくさん居てくれたからこそ、
俺は親としてもそうだし
人としても、たくさんの学びが得られたのは確かだ。

子供たちのお陰で、少しだけ人間に近づいてきてる気がしてるんだ。

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