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お金稼ぎだしたときに陥る罠 Vol.93

前回、お金を稼ぎだした子供に対する
親のスタンス・考え方的なことを書いてみた。

その流れで今回は、実際に俺が大学生から社会人にかけ、お金を稼ぐようになって陥った罠について書いてみたいと思う

大学生時代

俺が大学生のころは、自分で生活費と学費を稼ぐのにバイトに明け暮れた。
学校のすぐそばのアパートに住んでたのに、ほとんど学校には行かなかったほどだ。

学費を稼ぐの大変じゃない?って言われていたけど、自分から望んでやってることだから、特段苦労してるとは思っていない。

ただ、ほかの伸び伸びとしている学生を見ると、うらやましいと思うあまり少し卑屈な思いでいたのは記憶にある。

まだ精神が未熟な証拠だね。

そんな苦学生ぶって社会人になった俺は半年間
成果を出せずにまともな給与をもらえなかった。 

ってか数か月0円だったけどなっ!(笑)

その結果当時、流行り出した消費者金融に
大変お世話になり、22歳にして俺は150万ほど
借金を抱えて生活をつづけた。


それから仕事で少しずつ成果を出せるようになり
給与も月を追うごとにみるみる増えて行った。


お金を持つことによる罠の始まり

気が付いたら周りの社会人一、二年目の子らの
3~5倍も稼げるようになった。
150万の借金が完済されるまでにそこまで時間はかからなかった。

借金がなくなり、生活に余裕ができた23、4の俺。

本当にアホなガキが金を持つとろくなことがない。

キャバクラでちやほやされて気分がすっかり天竜人になった日には、雑誌や電車のつり革にある「投資・不労所得」などの広告にばかり目が行くことになった。

当時はヤフー株長者と言われ Yahoo!株 を一株買っただけで、1億儲かった人たちが雑誌などのメディアに特集され、情報が少なかった時代背景もあいまって「投資=イケてる」が過熱してたように思えた。 

今でいう仮想通貨を買って儲かった「億り人」と同じような事かもね。


俺は特に「不労所得」という言葉が響いちゃって、
それをはき違えて理解してしまった。

働かなくても収入が得られるなんて最高だ!
毎日上司に怒られないで済むし、アホな
スタッフが夜逃げしたトラブルを詫びなくてすむ。

そう考えてしまった。

おそらくは自分が学生から苦労して
働いてきた分の反動なんだろうね。


自分なら大丈夫 という勘違い


楽して稼ぎたい!
メディア取り上げられてるギラギラした誰かさんになりたい!

不動産、株投資、FXといった通貨投資・・・・

俺は不勉強のまま、株の投資を始めた。

少額デイトレーダーのようなことから始めて
ちょっと儲かったり、ちょっと損したりと一喜一憂していた。

自分の本業も大して理解もしていないのに
株価チェックに時間ばかり奪われていく。

IPO株やら 信用取引、空売り、、、、 
当時なんも知らない俺には、どれもすごそうな必殺技のように聞こえていて、俺もそんな技を繰り出して儲けたい!!
 
損した人もいるけど、俺ならきっとうまく行く!!


そう思った。


気が付いたら、俺は必殺技を繰り出したつもりだったけど、証券会社から「ロスカット」なるカウンター技を受けて高級外車一台分の損をこうむった。

20代の俺には金額が大きすぎて、嫁には言えずに
20年ほどずっと黙ってたけどね・・・苦笑
    


本質を見よ


お金を失って凹んでた当時
先輩に言われた言葉でずっと覚えているのは、、

「持たざる者が持つと消えてなくなる」

って言葉だった。

高級外車分のお金を当時の俺は持っていたが、持ち続ける人としては適してなかったってことだった。たまたまラッキーで宝くじに1000万に当選したけど、すぐ使い果たしちゃう人と同じだ。

それを維持する、もしくは増やしていく人として能力がないんだ。
だから消えただけの話だ。

俺はこの件を皮切りにこういう投資をしなくなった。
そもそも自分の会社への投資だけで十分すぎるから。

・お金を稼ぐ本質とは何か
・何のためにやるのか

こういうことを考えないで、表面的な手段として稼ごうとするから学ばないし、身につかないし、習慣化されないんだ。

その結果「持たざる者」になる。


つまり、偽物なだけなんだ。


俺からの忠告


近頃コロナの助成金詐欺がニュースに流れている。
いまだにオレオレ詐欺が年配者を騙し続けている。
友人と呼ばれる人を呼びだしてマルチに勧誘する。

「道徳無き経済は悪であり、経済無き道徳はたわごとだ」
これは俺が好きな二宮尊徳の言葉だ。

当時、何も考えたなかった俺が選択したのが、
たまたま株式投資だったから大金を損して終わった。

幸いにも結果として誰かに迷惑をかけたわけではなかった。

でも、一歩間違えたら俺だって、この詐欺やマルチや投機と言った 「道徳無き経済」に 足を入れた可能性は十分にあったと思うんだ。

だます側なのか、だまされる側のか、分からないけどね。 

だって、何も考えてなくて楽してお金を増やしたいだけだからね。

今、大人になって分かるのは、人の役に立つことを
するから周りに感謝され、それがお金に変わる。


つまり、これが仕事(道徳ある経済)だっていうことだ。

人を騙したりして手に入れるお金や、能力にたがわずにお金を稼いだとしても、そもそも人を助けれる能力・それを獲得する習慣がなければ、そのお金はすぐに消えてなくなるということだ。

こういうことを稼ぎだした子供たちに知ってほしい、
俺みたいに不労所得をはき違わないでほしい。