〜白血病になった25歳〜 6. 美しい朝焼け
ホテルへ戻る時のことだった。寒空の中1人で歩いていた。
(大阪も寒いんだなぁ)
1人で呟きながら帰っていた。
ただ、体のだるさもあった。そしてもしかしたら熱があるかもしれない。寒すぎて体が温めようと必死になっているのか、熱を出して震えてるのかどちらかがわからなかったが体が震えていた。
(なんか嫌な予感がする)
そう思って近くのコンビニに駆け込んだ。ポカリスエットを購入した。暖かいコンビニに入った時に確信に変わった。
(これは熱だ)
少し気持ちに焦りが出てきた。
(明日の仕事大丈夫かな)
次の日は朝早かった。とにかくホテルに戻って体を温めて寝ようと思った。しかし、だんだん体が重くなる一方だった。
ホテルに着くと真っ先に部屋を温めた。お風呂も沸かした。しっかり体を温めるためにシャワーではなく湯船を選んだ。
そして湯船に浸かっている時だった。たこ焼き屋で感じていた二の腕の痛みが少し悪化していた。理由はわからないけどずっと何かに押されている感じがした。
布団に入っても変わらずだった。熱があることを忘れていたくらい腕の方が痛かった。持っていた湿布を貼って寝ることにした。が、寝れなかった。
夜中に何度も起きた。
(イタタタ)
一瞬夢なのか現実なのか寝ぼけててよくわからなかったが、しばらくしたら現実だと言うことに驚いて布団の上でもがいていた。
そして気づけば朝焼け。街が少しずつ明るくなり始めて街の先にある水平線からオレンジ色のグラデーションがとても綺麗だった。エモさに浸っていた。
痛みと闘ってる自分とは真逆の感情だった。
(東京帰ったら整形外科に行こう)
そう心に留めて仕事へ出かけた。
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