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君はマスロックを聴かない

マスロック(Math Rock)というジャンルの認知度が今どの程度あるのかわかりませんが、体感では昔とあまり変わってないんじゃないかなと思っていマス。いまだに知る人ぞ知るジャンル、になっている感は否めないのかな、と。ただ、現在国内にも沢山マスロックバンドがいるし、人気もあると思うので、状況は良くなっている、まだまだこれから良くなっていく、さらには50年後その先まで脈々と受け継がれていく、ことを願っていマス。

とはいえそもそも、多くの人がジャンルとして知ったとしても、マスロックを好きにはなるとは限らないし、その望みも薄い所がかなしいところではありマス。

マスロックは知らない人に説明しずらいし、曲を聴いてもらっても良さが伝わりずらい特殊なジャンルなんですよね。

ロックだけど、ノレない、ノリずらい、ノろうとするとなんかカクカクする、という具合いで、とにかく他人に薦めずらい所はありマス。

マスロックって何?

凄く簡単に言うと、拍子が変化するロック、です。異論、諸説はあると思います。ただ私は長年この認識で聴いてきました。

もしこの文章を読んでくださっている方の中で、まだマスロックを知らないっていう方がいらしたら、まずこちらを聴いてみてください。

拍子が変則的なのがおわかりいただけると思いマス。

こちらは日本国内でもめちゃくちゃ人気の台湾のバンドです。まるでビートルズのように、凄い才能とセンスを持った3人が奇跡的に集まったバンドだと思っています。

マスロックの起源

音楽史になぞらえると

ロックンロール→プログレッシブ・ロック→パンク→ハードコア・パンク→ポスト・ハードコア→マス・ロック

という感じでしょうか。

私がマスロックというジャンル名を初めて目にしたのは海外のサイトででした。21世紀になって少しした頃だったと思いますが、流行っていたポストロックにちょっと飽きてしまって、もっとタイトな演奏重視の音楽、バンド・アンサンブル重視の音楽はないのかと、海外の音楽サイトをひたすら巡って探していました。そして、こういう音楽が聴きたかったんだ!と思ったバンドを見つけた時、ジャンルの所にMath Rockと書いてあり、「マスロック?あなたマスロックっていうのね!」とトトロの名前を聞いたメイばりの感動を覚えたのを記憶しています。

※ちなみに、フランスにバンド名にトトロと冠したマスロックバンドがいます。この曲はノリやすく、爽やかで聴きやすいので、マスロック入門にも向いてます。


それ以来、マスロックで検索して出てきたバンドを片っ端から聴いて、気になったらAmazonで通販してってことを繰り返してました。国内でマスロックバンドを紹介してる音楽雑誌もサイトもほぼなかったですし、マスロックというこの言葉自体見かけることはなかったです。今みたいにSNSもサブスクもない時代なので、自分で見つけるしかありませんでした。

あなたのマスロックはどこから?

全世界でみても、マスロック好きな人の絶対数がそもそも少ないので、そういう方達がどういう経緯でこのジャンルと出会い、好きになったのか凄く興味がありました。

なので、先日Twitter上で行われたアンケート企画「#オールタイムベストマスロック」は神企画でした。めちゃめちゃ面白かったです。みんなマスロックを好きになるきっかけになったバンドには絶対投票するだろうし、世代の違いもあり、様々なバンドの名前があって参考にもなりましたね。

ちなみに私の投票結果はこちらです。出来るだけ古今東西のバンドを入れるようにしました。

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※この中で20番目のSLINTの『TWEEZ』だけマスロックとは言えないのですが、私がマスロックの沼にハマっていくきっかけになった作品なので、あえて入れてあります。

第1回チキチキ拍取り選手権

マスロックの良さを知ってからは一人で拍取り選手権をする方も少なくないと思います。気に入ったちょっと難し目な曲の拍を完璧に把握した時、音ゲーをクリアしたかのような満足感を得られるのもこのジャンルならではではないでしょうか。

拍を完璧に掴んだ時気持ち良い曲第1位(私的)でお馴染みの宇宙コンビニの『EverythingChanges』。純粋に聴いても名曲です。


マスロックと青春

今回のこの文章のタイトルの元になっている、あいみょんの『君はロックを聴かない』ですが、歌詞のロックの部分をマスロックに変えてみるとなかなか感慨深いです。

君はマスロックなんか聴かないと思いながら
少しでも僕に近づいてほしくて
マスロックなんか聴かないと思うけれども
僕はこんな歌であんな歌で
恋を乗り越えてきた

・・・泣ける。

マスロックで恋を乗り越えられるかはわかりませんが、理解され難い音楽を好む自分に、少しでも近づいてほしくて、なんて健気ですね。

私も結婚前に妻にDon Caballeroの『For Respect』を聴かせたことがあるのですが、趣味でバンド活動もしていた妻の感想は「音がヘヴィーね・・・」という一言だけでした。私も何も言えず、これ以降マスロックの話しはガチガチに封をしてクローゼットの奥深くにしまい込みました。普通に考えればDon Caballeroを聴いて「やばーい、カッコいい❤️」なんていう女子がいるはずはないですね・・。

この文章の落とし所

を完全に見失いましたが、要するにマスロックというジャンルに一人でも興味を持ってくれたら幸いです。ハマると癖になりますので、音楽界のパクチー的な存在です。パクチー美味しいですよね。







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