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年間ベスト 2021

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今年は3年ぶりくらいにTwitterに復帰したということもあって、久々にいろいろな音楽情報に触れることができ、改めて音楽を聴くことの楽しさを再認識した年となりました。ライブも多少行くことが出来たし、個人的にはなかなか充実した音楽ライフを送ることができました。

演奏技術のことや専門知識が全くないのと、ミュージシャンの経歴とか人となりにはあまり関心が向かないので、浅い知識のコメント(駄文)ばかりですが、自分なりの年間ベストをまとめてみました。

15.EVANESCENCE - The Bitter Truth

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20代以下の人は知らないかもですが、かつて世界中に旋風を巻き起こしたヘヴィロックバンドです。熱心に追いかけてるわけではないのですが、たまたま知った新譜。やっぱりエイミーの歌声は別格ですね。稀代のロック・ディーバ。この歌声を聴けるだけで満足です。新しさも変化もいらない。年齢を経たから出てくる言葉や言い回しとか、趣き深いです。「Wasted on you」めちゃくちゃ良い曲です。

1 4.Bruno Mars, Anderson .paak,Silk Sonic - A Evening With Silk Sonic

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自分の中でブルーノ・マーズはポップスやソウル、R&Bよりやっぱりファンクが1番似合うなと思っています。

このユニットについては詳しく知らないのですが、スペシャル・ゲスト・ホストとしてブーツィ・コリンズの名前があり、往年のファンクサウンドが詰まった作品かと思いましたが、そういうわけではなく、しっとり聴かせる歌ものメインで、時折爽快なファンクが効いてる作品でした。

今作とは関係ないですが、70's、80'sのディスコ・ファンクとか知らない時代の音楽を聴いてみると新鮮で面白いですね。

13.諭吉佳作/men - からだポータブル

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どういったルーツからこういう音楽を作っているのか気になるミュージシャンです。

生演奏では再現が難しいんじゃないかと思うような、切り貼りされた音の組み合わせのように聴こえますが、複雑な音の構成なのに聴くと凄くポップなのが癖になりますね。リズムも複雑でジャンルとしてはマスポップでしょうか。歌詞の言葉遊びも心地良く、中毒性が高いです。

12.Really From - S/T

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今年前半密かに楽しみにしていた作品。知らぬ間にバンド名が"People Like You"から"Really  From"に変わっていました。前作がかなり好きで聴き込んでいたのですが、エモ/マスにジャズのエッセンスを融合したコンパクトな曲が多かった前作を引き継ぎつつも、プログレッシブに展開をするスケール感のある曲が増えたのが変化ですね。

このバンドを好きな理由でもあるのですが、エモーショナルに爆発するのと、凄く一音一音を大切にしている繊細さが共存しているのが良いですね。こういう彼らの姿勢が好きなこともあり、今作をオールタイム・ベスト・マスロックという企画にも投票しましたが、今思えばどう考えても間違いでした。マスロックの枠に入れる作品ではないですね。ベスト・エモならありかな。とにかく良いアルバムなのは間違いないです。ライブが観たい。

11.downt - S/T

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まだ結成8ヶ月?とからしいのですが、来年の今頃には武道館ワンマンでもやってるんじゃないかというくらい、日々人気が沸騰しているバンドですね。最初に聴いた時はリーガルリリーのフォロワーバンドという印象でしたが、繰り返し聴いてるうちにどんどんそのイメージもなくなり、このバンド独自の良さにハマっていきました。
粒立ちの良い綺麗な音色から重みのある激しい音色を行き来するギターと厚みのあるドラム、そして特に個性的だと思うのですが、ベースの音がこのバンドの曲に奥深さを生み出していると思います。

J-ROCKリスナーからエモ/ハードコアが好きな音楽ファンまで幅広い層を虜にしそうなバンドです。
また、時折癖のある歌い方も良いのですが、歌詞がもの凄く良い。とくに「111511」の歌詞「誰かのイメージの中で僕は(君は)生き続けてく」というフレーズ、深いですね。
普段音楽を聴く時に歌詞をあまり重要視していないのですが、久々に刺さる言葉を使うバンドに出会ったなと思いました。

10.SPOILMAN - SOLID GREEN

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スポイルマンの2nd。スポイルマンに関してはnoteでも散々語ってきたのですが、改めて聴いてもラストの「Solid Green」のシャウトは凄まじいですね。叫ばれている「ソリッド」と「グリーン」という言葉は何かの暗喩というわけではないけれど、なんらかの感情を宿わせて、めちゃめちゃ強引に説得力を持たせてしまうというのがスポイルマンらしいなと思います。意味がないことに意味があるというか。意味がないことに意味があるようでやっぱりないとか。いや、かっこいい。

9.梅井美咲トリオ - humoresque

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梅井美咲トリオのデビューアルバム。軽快な「Seek」から幕を開け、インプロを挟んで名曲「Of a river, a small murmur」へと繋がっていく最初の3曲の流れが最高です。

こう言うと語弊があるかもですが、曲ごとに全く色が違うので凄く聴きやすいアルバムです。ジャズは難しそうでなかなか手を出せないって方にもオススメ出来ます。

8.Little Simz - Sometimes I Might Be Introvert

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話題だったから聴いてみたらハマりました。全くの予備知識なしでパフォーマンス映像を観て魅了されました。クールなのにパワフル。カッコいい。

攻撃性とそれとは真逆にあるもの、様々なジャンルの要素が飛び交い、ミュージカルのように展開される聴き応えのある一枚でした。

普段HIPHOP全く聴かないのですが、たまに聴くとトラックの面白さに気づかされます。ネオ・ソウルはそのうち掘っていこうと思っていたジャンルなので、今作もまさにその要素が多く、トラック部分だけに耳を傾けてもめちゃめちゃ面白くて繰り返し聴いていました。

7.black midi - Cavalcade

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今年前半Twitterに復帰してからやたら目にしたこのバンド。試しに聴いてみて、なんだこの怪物バンドは、と物凄く衝撃を受けました。前作でもすでに話題だったそうで、洋ロック聴く人なら誰でも知ってるくらいの知名度はあるようですね。
ただ私にとってはバンドのこともさることながら、その音楽も未知のものでした。ポスト・パンクを基調にいろんなジャンルを混在させて奔放に表情を変える曲群は新鮮でした。カオティックになるだけではなく、ちゃんと筋が通ってるのが凄い。
前作も聴きましたが、前作はマスロックの要素を含んだ曲も多く、さらに好きになりましたね。
未だ延期にはなっていますが、来日ライブのチケットも即買いました。楽しみです。

6.狭間美帆, The Danish Radio Big Band - Imaginaly Visions

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至高のバンド・アンサンブルを追求していくとビッグ・バンドに辿り着くんじゃないかなと思っています。幾重にも重なった音の波に身を委ねて揺蕩う心地良さは最高です。

狭間さんの作品を聴くのは2作目ですが、素晴らしいwell made作品(かつては褒め言葉ではなかったかもですが、ここでは最高の褒め言葉です)という印象を受けました。

ビッグ・バンド特有の徐々に徐々に高まっていく感じとかゾクゾクしますね。情緒感溢れるしっとり系もあり、目を閉じて聴くと異国の風に吹かれる系まで、ひたすら感動してしまう作品でした。

5.上原ひろみ The Piano Quintet - Silver Lining Suite

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深い悲哀に満ちた「Uncertainty」と長い夜が明け最後に朝日が差し込んでくる「11:49PM」、この2曲がアルバムのキーになっていると思われるのですが、通して聴いてみると軽い意味ではなく元気づけられ前向きになれるような作品でした。
音楽に出来ることと真摯に向き合った上原さんの人柄も感じられますね。

今回新プロジェクトとなるクインテットですが、ピアノと弦楽器のアンサンブルが本当に素晴らしく、上原さんの曲はいつも凄く饒舌だと感じるのですが、さらに他楽器との会話も楽しめる内容になっていました。ラストの曲のピアノと弦楽器の掛け合いは何度聴いても鳥肌が立ちますし、感動します。

4.Olivia Rodrigo - SOUR

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完全に歌に魅了されました。表現力、素晴らしいですね。

楽曲はプロデューサーの力が大きいのもあるとは思いますが、ギター一本の弾き語りでも全くその魅力が衰えないのは凄いなと思います。

ミュージカル仕立てのプロモーション動画も素晴らしくて何回も観ました。

3.CARTHIEFSCHOOL - S/T

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初めて聴いた時、追い求めていた音楽はこれだ、と思ったバンドです。北海道で活動する3ピースバンドの1stアルバム。系譜的には54-71の孫?世代にあたる感じでしょうか。

ロックバンドの音数は、少なければ少ないほど魅力を感じるという個人的な嗜好もありますが、もう全てがどストライクやねん、って感じでした。

日本の80'sパンクのような古い言い回しを多用した歌詞、がなり、喃語、ノーマルと幅を効かせるヴォーカリング、刻むギター、面白いフレーズを繰り出すベースとドラムはこれ以上ないシナジー効果を生んでいます。

「全ての後悔へ捧げる 絶対にまた会うと約束しよう」(約束)こんな歌詞を若干二十歳そこそこで書いているのも衝撃です。

作家の場合、1作目は経験、2作目はその応用、3作目に真の力が試されるみたいなことを誰かが言っていましたが、これはミュージシャンにも当てはまると思っていて、1stから追いかけているバンドにはさらに色々期待が膨らみます。

2.SMTK - SIREN PROPAGANDA

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このバンドはメンバーの名前の頭文字をバンド名にしているんだな、と先週ふと気付きました。

リリース前、石若氏がTwitterで「凄いのが出来た」みたいなことを言っていたのをみて期待していた今作、実際に聴いてみると期待以上でした。Dos MonosとRoss Moodyをフィーチャーした5曲とメンバーのみの3曲。あらかじめ決められていたかのように見事な化学反応起こしてますね。

完全無欠のフリーキーなジャズに、カッコいいラップが乗っていて、向かう所敵なしって感じです。

メンバーのみの楽曲も前作よりタイトになっていて、より演奏技術の高さが窺えます。メンバーの中でも特に松丸契氏のファンなのですが、どの曲もサックスがめちゃめちゃカッコいい。

今このバンドの知名度がどの程度あるのか分からないのですが、誰が聴いてもカッコよさがわかると思うので本当にオススメです。

1.cesco - The Natural Diet

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今年の個人的年間ベストはcescoの1stアルバムです。

心地良いサウンド、ソフトな印象のバンド像からはイメージが湧きにくい、MV、アートワーク、ミックスまで自分たちでやったという、根っこにはとてもハードなDIY精神を持つバンドです。

大阪のFlake Recordsから出された1stですが、1stとは思えない完成度で、遊び心もありながら自分たちの音楽への自信と芯の強さをひしひしと感じる仕上がりでした。圧巻です。

妥協しない、曲を最良の形で仕上げるためだと思うのですが、Snarky Puppyのように曲によってメンバーが増減する不定形なバンド形態を取っているそうです。

一つ一つの楽曲のクオリティが本当に素晴らしく、こだわったサウンドと素晴らしい歌声が極上の音楽体験を味わわせてくれますね。もう永遠に聴いていられます。とにかく心地良い。

ライブではとてもソウルフルな歌声を聴くことができ、今後ますますの期待しかないです。ヴォーカルuiさんのポテンシャルはまだまだ底が見えない。次のリリースが楽しみで仕方ないですね。

アルバムに含まれていない配信限定の曲含めて、リリースされている全ての楽曲が最高に素晴らしいです。形に残らないのは本当に勿体無いと思うので、いつか全ての曲を形にしてもらいたいですね。














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