お酒、衒示的消費ではなく原始的消費を①

皆さんはどんな時にお酒を飲みますか?

仕事終わりの一杯、お祝いの一杯、嫌なことがあった時の一杯
様々な場面でお酒は飲まれます
その一杯が多くの人の幸福の支えになっていることと思います

さて早速タイトルについてですが、衒示的と原始的について説明しておきましょう
まず「衒示的」とはアメリカの経済学者のソースタイン・ヴェブレンによって作られた言葉で、簡単に言えば「見せびらかし」や「誇示する」といった意味合いになります

一方の原始的は言葉通りですが、この記事及び私の使い方としては、
「本来の用途」という意味で使っていきます

スプーンで考えてみましょう
スプーンは何かを「掬う」「混ぜる」などに使われるものです
衣服で考えてみましょう
衣服は自分の身体を、攻撃や気温変化など様々な脅威から「守る」ためのものでしょう
ではお酒で考えてみると、
お酒は「飲む」ものであり「味わう」ものです

ものすごく当たり前のことを言っているので、当たり前にしか思わないかもしれません

しかし実際のところ、どうでしょうか
人間は多くのものを原始的に消費できているのでしょうか?

スプーンも様々な装飾、色、材質など……
掬ったり混ぜたりするだけなら装飾は必要ありませんし、色も何色でもいいわけですし、金属ではなく木製やプラスチックでも良いわけです

衣服も体の重要な部分を守り、寒さや暑さに適応できれば高価な素材である必要も、華美な装飾も必要ありません

もちろん、歴史的にみるとその素材である必要があった時もあります。銀食器は毒から身を守るために、暑い地域では黒い服よりも白い服のほうが快適に過ごせます

しかし人間が文化的、文明的に進化をすればするほど「階級」というものが生まれてきます

現代の日本では、昔の身分と呼ばれるような階級はありませんが、収入による格差、すなわち富裕層と貧困層は現実としてあるわけです
他にも正規雇用か非正規雇用かというのもある種の格差、階級と認識されているといっても過言ではないでしょう
クレジットカードの申し込みするときにそれは如実に現れますね
社会的信用というやつです

衒示的消費とは富裕層が自分が所属する階級に身分を証明するために一生懸命に行うものとされています。これは皮肉や揶揄のように感じられますが、富裕層が真剣に行なっている消費です。分かりやすく言えば「見栄」というやつでしょうか
自分と自分のコミュニティを守るために、自分には能力があると誇示するために、高価なものを買い、華美なものを身につけているのです。また、その本人だけではなくコミュニティに属する人にも同じ事をさせます。これは代行間暇と呼ばれたりしますね。
本人が間暇を過ごせないため、代わりに一族やコミュニティの誰かに贅沢な間暇を過ごさせることで、自分の世間的評判を守るという方法です。

その層に属さない人からすると、なんとも滑稽に見えてしまうかもしれませんが、そういった人々が経済を回し、世界を発展させていっているのです。

さて、私は別に経済学的な話をしたいわけではないのです。自分は専門家ではないし、ヴェヴレンの本も1冊しか持っていないので、細かい事を突っ込まれると、ごめんなさい知りませんでしたとなってしまうでしょう。

ここからが、少なくとも私にとって大事な所なのですが、
現代の日本ではお酒を衒示的に消費している人が多く、またメーカーもそれに便乗するようなビジネスを展開しているのではないかと思うのです

これは悪い事なのか
答えはYESでNOでしょう

この理由を話すために、次の記事では私の味覚についての考えを書いていこうと思います

キーワードは「太古の海は塩辛くなかった」

記事を読んでいただきありがとうございました
次回は1月15日に投稿予定です
よろしくお願いいたします

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