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不思議な思い出・後編【何か帰りたくない】

今日は通院で、遠出して体力消耗したから、早く寝られると思ってたんだけどね〜。

頭のどっかがグ〜ルグル。
考え事。
創作の原動力にはなるんだけど、どうでも良いことがいつまでも頭に残ってるとキツイな。

そんなわけで今日も睡眠導入剤の出番です。

それじゃあ、また薬が効くのを待ちながら、不思議な思い出話の続きをば……。


《前回はこちら》


綺麗な龍の顔……っぽい雲を見た翌日。

眠い目をこすりながら身支度をする。

「小野神社」までの行き方はしっかり叩き込んだ。何度も何度も。
方向音痴なもので。


個人的な意図で外出するのって何ヶ月ぶりだろう。

何となく緊張する。

ちょっとドキドキしながら、服を着替えていると……


「ふふっ」


女の人の、小さい笑い声が聞こえるんだ。

嫌な感じはしない。ただ、急にそんな声が聞こえたもんだから、ビックリして顔を向けた。

声は「ここ」から聞こえた。

自分で描いた龍の絵。

見よう見まねで瞑想してたら、こんな龍のイメージを思いついたことがあって、忘れないうちにと描いたんだ。

自分の頭に貼り付いている「瀬織津姫」。

龍と関わりのある神様らしいのだが、特に白龍と一緒に描かれているイメージが強い。


霊感らしい霊感は無いんだけど、実を言うと声や音は聞こえたことがある。
そのときは自分の祖母の声だった。

……まぁ、それはまた、別のお話。


さて、身支度を済ませていざ出発。

平日の昼前だったのでそんなに混んでない。助かる。
せっかく行きたい所に行くのに、パニックになってちゃ台無しだ。


人がほとんど乗ってない電車。良いよね。

電車に揺られてのびのび。

ただ、目的地に近づくにつれて、ちょっとずつ緊張が増した。

名前が頭に貼り付いたのは去年の8月。
あれから半年以上経ってる。

そりゃあ声は聞こえたけど、「楽しみ」の“ふふっ”じゃなくて、「何を今更」の“ふふっ”だったらどうしよう。

そんなおかしな不安を抱いていた。


約1時間かけて「聖蹟桜ヶ丘」に到着。
初めての場所はやっぱり不安が強い。

頑張って覚えた道筋を頼りに先へ進む。

マックやサーティワンが入った、「ザ・スクエア」っていうデカい施設に沿って歩いていく。
駅前なんかは人が多いんだけど、施設沿いに左に曲がっていくと、だんだん人も少なくなる。

静かな住宅街。

真っ直ぐ進むと、道が二手に分かれたようなポイントが現れる。

三角形の、角が鋭い建物を起点に、二股に分かれている。

そのうちの左、白っぽい道を進む。車も通るので気をつけて。


この道の左右にね、ちっちゃい川(?)が流れてるのよ。鯉なんかも泳いでて。

普段、街中で見かけない光景を見ると、何か特別な場所に来たんだなと思う。


外出時はイヤホン常用なので、後ろからの車に気をつけて進んでいく。

歩いてる途中に、高い木や赤いお社が右手にチラッと見えてくるから、迷うことは無い。

神社に近づいた所で、イヤホン外して、モタつくの嫌だから財布を出して、いざ小野神社へ。


まずは門の前で一礼。

門をくぐると現れるのがこちら。


「随神門」というらしい。
木彫りの龍や虎、小ちゃい生き物達がお出迎え。

事前に予習はしていたけど、この目で見るとインパクトがすごい。

創作活動を続けている身だからかもしれないが、惹きつけられるようなパワーがある。これを作った方の気持ちというか。


随神門を潜り抜けて本殿へ。

コロナ禍以降、手を清める時はウェットティッシュを使っている。神社によっては手水舎が使えないようになってる場所もあるから。


入ってすぐ。
真正面にあるのが赤い本社。

こちらに、「瀬織津姫」が祀られている。

ドキドキ、ドキドキ。

何となく、遠方の親類に久しぶりに会う時の感じに近い。
「名前が頭に貼り付く」っていう、特殊な経緯も関係あるのかな。


初めは写真を撮ってる人が居たんだけど、自分が本殿に入ったらすぐに帰られた。
広い本殿。居るのは自分1人になった。
コレ、調べたら「神様に歓迎されてるサイン」なんだって。知らんけど。


本社の前まで来て、思わず1000円札を賽銭箱へ。
ステッキを足で挟んで、鈴を鳴らして、二礼・二拍手・一礼。

余談だが、鈴を鳴らしたり、拍手をするのは、音を立てて魔のものを追い払うという説がある。

基本的に、神社では「お願いごと」はしない。
「自分はこういうものです。こういう目標があって、それに向けて励んでいます」という、自己紹介みたいなことを頭の中でする。

ただ、気持ちが不安定になってた自分は、珍しく「力を貸してください」とお願いごとをした。ちょうど、noteで小説を書き始めたばかりだったし。

手を合わせていると、一際ひときわ強い風。
コレも歓迎のサイン……らしいのだが、正直「風が吹くのは自然現象だろ」と思う。

本社以外にも祀られている神様方がいらっしゃったので、全員にご挨拶。

ふと、本社に目を向けると、ちょうどアゲハチョウが飛んでいくところだった。
ちょいと「しつこい」かもしれないが、コレも歓迎のサインらしい。
確かに、アゲハチョウ綺麗だしね。本社から飛び出していったのはレアだなぁとは思ったが。

最後に御守りを買って帰る……はずだったのだが。

自分の中で、不思議な気持ちが湧いてくる。


「帰りたくない」


先程、「遠方の親類に会う感じ」と表現したが、もっと詳しく言うと、母方の祖父母の家に行ったような気持ちだった。

母方の祖父母がとにかく大好きで、幼稚園児の頃、祖父母のもとを離れるのが嫌で、泣きながら母の髪を引っ張ったことがあった。


その感覚に近い。

さすがに、いい歳した大人が境内で泣きじゃくることは無かったが、「もう少し、ここで過ごしていたい」という気持ちが強くなった。

ただ、ずっと境内に居座るのもどうかと思うし、時間はかかるが、来ようと思えばまた来れる。今一度、赤い本社に一礼して、神社を出ようとした。

すると再び随神門に目がいく。
格好良いのよ。格好良いんだけど、この時は「何か理由を見つけて留まりたい」という気持ちが出ていた。


新しいお客さんもいらしたので、いよいよ帰ることを決意。

すると——

何故か涙が流れてきた。
何回も振り返って、神社を後にした。

お参りは今回が初ではない。
ただ、「帰りたくない」という気持ちが出てくることは、今まで一度もなかった。


創作のネタ集めに色々調べていると、「神社には相性がある」なんて言葉を見かける。

「んなこたぁねぇだろ」と思っていたのだが……

あながち間違いではないのかもしれない。


……薬が効いてきた。

実は昨日、もう一度小野神社に行ってきた。
「やりたいこと」が新しく出てきた時期だったから、改めてご挨拶にと。

それから、この頃心身の不調が目立ってきたので……また、神様に甘えてしまった。

とは言え、脳内のイメージを言葉に変換するのに苦労する人間だ。
それはお参りでも同じ。ちょっとグダってしまった。

家を出る前、何となく、「これから伺います」と御守りに手を合わせたのだが、参拝の瞬間、吹いていた風がピタっと止んだ。
せっかく話を聞いてくださったのに、グダってしまった……。帰宅後改めて、御守りに手を合わせた。

そうそう。
家を出てすぐ、こんなのも見かけた。

うっすらでゴメンね。彩雲。
両手伸ばして、堂々と撮ってたんだけど、やっぱり誰も気づかない。
お疲れ様です。余裕が出来たら休んでね。顔もあげてみてね。

……何か、思いっきりスピリチュアルな日記になっちまったな。

まぁ、こいつは日記よ。
何もあなたに「信じるものは救われる」なんて訴える気はさらっさら無い。

ただ、「夢うつつ」という言葉が似合うこの時間。
ちょっと不思議な思い出話を綴っただけさ。


……ぼちぼち眠れるかな?
通院も行ってきたから、体はクタクタ。

明日はずっと寝たまんまかなぁ。
というわけで、お付き合いいただき、ありがとうございました。

おやすみなさい。

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