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こころ

梅雨がしつこい。もう1ヶ月以上ずっと雨か曇りのような感覚だ。実際東京は7月、2日間しか晴れていない。

僕が仲良くなる人たちは、多くがどこかしら繊細な部分を持っているので、全員低気圧に負ける。

ご存知の通り僕もメンタルヘルスがあれなので、この1ヶ月はずっと満員電車にいるようだった。つらかったなあ。

そんな湿った七月は、僕にとって大切な人の心の弱さに触れることが多かった。そして、そのたびに考えていた。

承認される喜び、あるいはその対岸にある、自分が誰かの手を引いたときの幸せ、すべて原始的な欲求だ。お腹が空いているとき、目の前にミディアムレアのお肉があったら食べたくなる。それくらいシンプルな欲求。

胃袋がないと腹が空かないように、心がどこか欠けていないとその欲望は生まれないし、満たせない。

僕もしっかり欠けているので、誰かの欠けた部分を適切な温度で埋めてあげたいなと思う。壊れた部分を直さなくていいから、できるだけ楽になるように。

世界中の全員の力になりたいなんて到底思わない。知らない奴は知ったことじゃない。人の心がわからないやつは消えればいいと思っている。僕は大切にする人を冷酷なほど選んでいる。自分のシンプルな欲望を満たすために選んでいるのだ。

そういう残酷さからは、人間である以上逃れられないと、腹に刻み込まなくてはならない。俺は善人じゃないと。

もう、綺麗になることは諦めて、残酷に選んだ大切な人たちがボールを投げてきたら、ちゃんと投げ返したい。その感触でもって、僕らが楽になれるように。

「スキ」を押して頂いた方は僕が考えた適当おみくじを引けます。凶はでません。