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叶わない夢について

本当に星が降ってしまったら、星が降る夜のことを思い描けなくなるだろう。
水の中で自由に息を吸い、くじらの街に行くことも、初めて息を吸えたら最後、それが夢であったこともきれいに忘れるだろう。

金曜夜のセブンイレブン、たばことコーラを買って帰る。

自転車を転がし、100万回繰り返した道程をゆく。晴れて価値を認められたビニール袋がシャカシャカとなびく、たった3円で買える騒めきと最悪な休日。

低気圧と淀んだ血によって彩度を増した単純な欲望は、ニューロンを伝い、いつのまにか漠然とした夢となる。まるで美しいもののような顔をして、もやもやと点滅し、視界を覆う。

例えば、冬の街のイルミネーション、その配線の終点に束ねられた黒いコードの群れ。そいつを直視できるか。

叶わない叶わないと言いながら、叶えないようにしている夢の真実。そいつを直視できるか。お前に。




「スキ」を押して頂いた方は僕が考えた適当おみくじを引けます。凶はでません。