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充電ケーブル

考え事が多すぎて、ある日、
あたまの電源が切れた

まず、視界が真っ暗になった
こころはびっくりして、
暗闇の中で電源を探した

しばらくして、耳からゴーッと大きな音が聞こえて
こころは混乱して
耳を塞いだ

真っ暗闇と鈍くて低い音に囲まれて、
こころはずっと下まで
サーっと落ちていった

ずーっと落ち続けるから
こころは怖くなった

怖いけど、電源は見つからないし、音も止まないから、わからないまま落ち続けた

こころは恐怖に耐えるしかなかった

それで、ずっと耐えてみたけど
今度は耐えるのもしんどくなってきた

こころは恐怖から逃げたくなった

握り締めたスマホに気がついた
そのスマホには壁から生えたケーブルが繋がっている

ああ、ここにこんなにも使えるものがあったな。

藁にもすがる想いで
こころはそれを握り締めた