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入院人間観察記 #20 自分に言い聞かせる

自分に言い聞かせる


義理のお兄さんが病院に来る事になりそうで少し都合が悪そうな山口さん。体調が悪い事もあるのか看護師さんに愚痴をこぼす。

「義理の兄は一度言い出したら聞かない人で、おかしいくらい極端な人なんだ」

「周りが何を言っても聞かないから手がつけられなくなる、そのくらい極端な人」

看護師さんもあまり返す言葉もなく、先生に伝えて調整できるか聞いてみると伝える。そうこうしているうちに夕飯の時間に。看護師さん達も配膳の準備に取り掛かる。一番バタバタする時間帯だ。

そんな時にまたバタンッと言う音が響く。山口さんだ。配膳中の看護師さんが気づいて病室に集まってくる。横たわっている山口さんを確認しベッドに戻してあげる。本人の意識ははっきりしていて大丈夫そうだ。倒れた時にぶつけた後が頭にできているようだが。

看護師さん達は再度事故報告として対応しなければいけない様子。1時間に一度バイタルチェックも必要になる。ただでさえバタバタしている夕食前の時間帯がさらに騒がしい感じに。

思うように動かない体と義理の兄への対応へのもどかしさが重なり、二度倒れた山口さん、それでも周りに大丈夫と伝え、処方された薬が良くなかったと自分に言い聞かせている。これだとまた倒れるのではないか。



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