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入院人間観察記 #8 あせり

あせり

調子の良さそうだった山口さんだったが、坐薬を使ったあとになんだ様子がおかしくなる。夕方からは静かになり、夕食の時もご飯に手をつけず、看護師さんになんだか体の状態が悪い事を伝える。

入院していると朝昼晩で体温、血圧を看護師さんが測りにくる。この日もいつものように測りに来ていたが、山口さんはいつもより血圧が低いらしく、あまりにも低過ぎて血圧計がエラーを連発。どうやら本人も状態が悪くなっている事に動揺を隠せない様子。

おそらく、山口さん本人の考えとしては、少し入院すればすぐに退院できるだろうと思っていたようだが、なんだか状態は悪くなる一方なのと、担当医から告げられた病名についてもあまり理解できず、体の状態が理解できないまま退院の目処が立たない事に不安とあせりが表れてきていた。

そのタイミングで義理のお兄さんからの電話が。

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