わたしを構成する惑星
なくなった会話の隙間を埋めるように
比喩だけを頼りに
横断歩道の白を選んで歩く
あなたの猫背に急かされて
嵩張った髪を間引いて
わたしは低空飛行をはじめる
たくさん失う
わたしの星を数えて
(遠くで踏切の鳴る)
、だから二日ぶりの雨が
慰めにすらならないと知る
息絶える夜を見送って
出口に逆らって
電車が夏を産む
枯れ草のように乾いた髪を梳くたび
いとおしく思う
春が滅んでいく
*『現代詩手帖』(思潮社) 2018年7月号 新人作品
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