渡部直也

人気はないが任期はある大学教員。専門は言語学、特にスラヴ語と音韻論。全角キリル文字は許さない。

渡部直也

人気はないが任期はある大学教員。専門は言語学、特にスラヴ語と音韻論。全角キリル文字は許さない。

最近の記事

コロナ脳を増産するメディアの闇

 ここ数日「感染者数」の記録更新がマスコミやネットを賑わわせている。しかし実際にどれだけの問題が生じるのかについてはあまり報じられていない印象で、しかも感染していない「大丈夫な」事例について話題になることはほとんどない。こうした状況を見るに、ネットによる情報化社会において多くのことがわかるようになったのは錯覚で、むしろ本質が見失われているように思っている。 「感染者数」の問題  11月下旬に入り、日本国内における「感染者数」が最多となったという報道が連日続いている。確かにこ

    • 日本学術会議について思うこと

      菅総理が日本学術会議への任命を却下したことが話題になっている。これについてマスコミで大きな批判が繰り広げられており、学術界からも多くの反対意見が出ている。 個人的には今回の件について政府のやり方を批判しようとは思わない。ただ任命拒否について意見するつもりはなく、曲がりなりにも一研究者として、日本学術会議について**個人的感想**を述べてみたい。 学術会議?なにそれおいしいの?!正直言って、今回まで私はこの組織についてほとんど知らなかった。ニュースを聞く中で思うのは、この議員

      • 大学は「完全オンライン」でいいのか?

         大学のオンライン授業が一部で問題視されている中、多くのいわゆる有名大学は来学期もオンライン継続を決めたようだ。もちろん、オンライン授業自体が完全に悪とは言わないし、利点もあると思う。私が現在一番問題だと思うのは、少しでも対面での実施に問題がある(と考えられる)場合、「完全にオンライン化」する以外の選択肢が充分に検討されていないことではないかと思う。 対面授業にできないワケ  演劇や講演会といった室内でのイベント、博物館や映画館なども条件付きで再開した中、大学の授業はなぜ「

        • オンラインとオフラインの断絶について

           noteを始めたばかりで、元々最初は真面目な話題で書こうと思ってたのですが、元々性格が不真面目なのでしょうもないことを書きます。インターネット老害の戯れ言にお付き合いいただければ幸いです。 元祖オンラインとにわかオンライン 私は平成2年(1990年、ソ連崩壊1年前)に生まれた。中学に入った頃は、ゼロ年代オタク文化の黎明期で、ネットは2chに代表されるようにまだまだアングラ(アンダーグラウンド)という感じであったと思う。  そんな中、前略プロフ、Yahoo!ジオシティーズ、

          大学のオンライン化に関して思うこと

           世の中何でも外出自粛でオンラインという流れになっている。最初に言っておくと私はオンライン全てに反対するわけじゃないし、むしろ優れた点はどんどん活用してゆけばいいと思う。ただ自分の関わる教育・研究業界については、昨今のオンライン化の流れに否定的である。本記事ではこれに関して私見を述べるものである。 大学におけるオンライン授業の実態 最近Twitterでも話題になり、今学期(一部を除き)史上初のオンライン授業について色々な話が出てきている。すでにまとめられた記事などもあると思

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