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酒:J&B レア、推定1990年代のチョイ古酒・安物ブレンデッドスコッチウイスキー

昔の人は言いました。『柳の下にいつも泥鰌は居ない』と。とはいえ謹言に反して『火中の栗を拾う』酔狂もまた人生の面白みということで、一つ。

今回の選択、吉と出るか凶と出るか、果たして。

……ホワイトホースで味を占めたな。

ドーモ、酒オタクかぶれの素浪汰 狩人です。皆様、飲酒してますか?

今回は半ドンの会社帰り、今宵の晩酌酒を得るため地元の酒屋を物色したら酒棚で埃を被るブレンデッドウィスキーを発見。おまけに今なら、売り切り特価の20%OFFですって奥さん! 日焼けしたラベルは明らかに古そう。

ここで私の頭に、悪魔的な考えが閃いた。

もしかすると、ウィスキーバブルが来る以前に出荷されたロットを掴めば、現代の酒よりいい原酒を使っていて、安酒でも美味しい両コスパなのでは?

酒クズ特有のギャンブル思考。私は幾度となくこれで悪酒(店晒しにされて劣化した古くて不味いだけの酒)を掴み、文字通り苦い思いをしてきたが。

だがこれまで掴んだ悪酒は醸造酒。蒸留酒なら容易には経年劣化せんやろ。

買わねば(即決)。20%OFFでお値段1,550円。

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素浪汰 狩人、豪遊……ッ! 給料日前にスコッチ……フルボトル……ッ!

ホワイトホースで知見を得た私、スコッチなら安酒でも大丈夫だろと慢心。

というわけで、J&B レア。ラベルに並ぶは華麗なるイングランド王家一族の錚々たる名前の数々。情報量が多過ぎラベルがうるさい。しかしその実態はホワイトホースのご同類で、庶民向けである典型的な安酒。何の変哲もないブレンデッド・スコッチ・ウィスキーですな。モルト&グレーンだけどさ。

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裏側。日に当たっていない方は、割合ラベルが鮮明な色味を残している。

それにしても、ラベル表面の下側にある

DISTRIBUITO DA UDY ITALIA
DIV. DI F.&C. S.P.A. - TORINO

といい、ラベル裏面の左下に記された

NON DISPERDERE
LA BOTTIGLIA
NELL'AMBIENTE

といい、明らかにイタリア語が記されているのはどういうことか。ネットの検索でヒットした、日本で一般的に流通しているJ&Bとは記載が異なる。

ひょっとすると並行輸入品なのだろうか?

輸入商社は吉田産業株式会社……検索すると、京都・大阪・神戸に現在でも営業所を構える貿易会社だが、大阪営業所の住所は中央区南船橋ではないし謎である……同じ名前の別会社か、ネット上に記録が残ってないだけなか。

ネットで色々検索していたら、どうも直近の10年ほどに仕入れたボトルではないことだけは確かなのだ(時期によって微妙にラベルの記載が異なる)。

だが……具体的に何年にリリースされたボトルなのかサッパリ分からん! 英語検索かけても判別方法に該当なし。瓶底に成形された刻印を眺めても、

IN 700ml 55mm
0603 35

ううむ……これは内容物である酒より、容器たるボトルそのものの情報ではないか?(困惑) 検索ワードを買えたり、画像検索で矯めつ眇めつしてもどうにも酒の製造年・リリース年をトラフィックできる情報に、少なくとも現物本体のボトル・ラベルを隅々まで観察する限り、訪ね当たらなかった。

まあどこまで行っても安酒だから、そういう判別法は無いのかね?

愚痴をぶちつつ懲りずにめげずに調べていたら、古今東西でリリースされたJ&Bを収集しまくっている、酔狂でオタクな外人ニキのブログを発見した。ここで、該当するラベルから大体のリリース年が確認できた。

これの、Label 1994という物に私のボトルのラベルが酷似している。数字は言うまでも無く年数で、1994年……何を以て1994年なのか素人の私には皆目見当もつかないが、大雑把に「1990年代」ということにでもしておこう。

問題解決。やはりどんな界隈にもオタクはいるものだ。

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というわけで、飲む。まずはニート(ストレート)で。ラベルが色褪せてる上に、瓶が埃っぽいので割と心配ではあるが、開封した時の匂いは問題ないスコッチ感。蜂蜜よりは、割とリンゴとかに近いフルーツ系かな? J&Bに使用されているモルトはノッカンドゥを始めとするスペイサイド系を主軸としているらしく、アイラ系みたいにイカツイ香りでなく親しみ易くはある。

一口。うーんこれは……若干、経年劣化の兆候か? 余り好ましくない類の煙たさを感じなくもないけれど、正直ニートでも全然飲める。水っぽいけどフルーティ系だね。グラスに注いだ酒の匂いを嗅いだら、着香料で頑張って誤魔化したような、安っぽいフルーツ香がある。好き嫌いが分かれそうな、草いきれっぽい青臭さが後味にフワリと香る。私は割と好き。まあ全体的に期待するラインより上がるでも下がるでもないけど、晩酌酒としては上等。一応言及するなら、毎度比較して悪いがサントリー・角瓶よりは格上かと。

ブレンデッドスコッチも玉石混淆らしいが、これは割と悪くないかもね……40°とは思えない驚愕の飲み易さ(個人の感想です。真似しないように)

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ちゅーわけで、二杯目はトワイスアップ。若草のような淡い色味が消滅して頼りなくなりました。色だけでなく味の方も……水だな(個人の感想です)

何というか、水っぽいと表現するのも憚られるぐらい、ただひたすら薄い。

何だろう、粉末スポーツドリンクとか駄菓子の粉末ジュースとか、ああいう希釈系の飲み物をケチって水入れすぎた時のような、ああいう薄味がすると言えば分かるだろうか。微かにウィスキーっぽさを感じるだけの仄甘い水。

ホワイトホースはトワイスアップに耐える強度があったが(アイラモルトをキーモルトに使っていたからだろうか)、この推定1990年代……約30年前のJ&Bは、水で割ってトワイスアップすると味が間延びするだけで芸がない。

こういう酒質の違いは興味深いね。ちょいスペイサイドのシングルモルトも興味出たわ。私はニートでちびちび飲むことにします。水で割って飲むより確実に身体に悪いがね。薄め過ぎたポカリ飲んでるんじゃ仕方ないからね。

そんなことを考えた日々是徒然酒飲みDayz……。

とかいいつつ、剣菱のアレ、期間限定商品、ポチったった、ぜ……。

今月はクーラーの修理代で5万円はらわにゃイカンのになあ。無駄遣い。

……ストレスは酒飲んで忘れよう!


【酒:J&B レア 推定1990年代 おわり】

From: slaughtercult
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