見出し画像

京都戦~点の取れないFW

2022年7月17日 京都サンガF.C. vs サンフレッチェ広島 サンガスタジアム by KYOCERA


 蒸し暑い、蒸し暑い京都。お互い紫をチームカラーとするだけで妙なライバル意識を感じる。それでなくてもトップにかつて在籍していたウタカがいる。脅威であるのは間違いないが、だからこそ絶対にやられたくないとい。

 そんな意地があるものの、序盤は京都に押し込まれる展開が続いた。高い位置でのプレス。パスの受け手へのチェック。プレスに来られても前へ前へと進んでいく。そんな鬼気迫る迫力でで京都はボールを支配し続ける。サンフレッチェ陣内でのゲームが続く。マイボールにできない。京都の運動量に圧倒されるのだった。

 それだけの中盤でファールを貰ったことは流れを切るのに都合が良かった。距離はあるが野津田のキックは長いレンジでも狙える。ライナー性のボールを蹴ってきた。それに合わせたナス。タイミングは良かったもののボールは中途半端に飛んでいきGKにキャッチされてしまう。ああ、ナスはFWなのになんてヘディングが下手なんだろう。

 そんなもたつきをする一方京都のFWウタカは中盤での競り合いを制し一気に前線へスルーパス。ボックスの前でシュート。なんとか間に合った藤井が気になったか枠を外してくれた。だがその後もCKでは中央の飛び出しをファーに繋げられヘディング。完全に崩されたもののこれもバーに当たって助かる。危ない場面は完全に京都の方が作り出してるのだった。

 アグレッシブに前から押し進むスタイルに翻弄されれる。だが段々と慣れてくると落ち着きを取り戻す。そして後半になるとナスを下げ松本を投入。中盤を厚くしてサントスのワントップにするのだった。するとこの交代が功を奏しボール支配で上回るようになるのだった。

 右サイド藤井が高い位置を取れるようになってくる。だが自ら勝負することなく野津田に預けるとバイタルエリアへと運ぶと真横にクロス。そこに入った森島。ヘディングは強烈な弾道を持ってゴールの隅に叩き込んだのだった。

 決まった、決まった、決まった。野津田のクロスも良かったが決めた森島もよくあの距離をヘディングで決めた。これで有利になった。より一層押し込むことができる。まさにこの瞬間はそんな感覚に囚われてしまったのだった。

 ところがこの後早々にシュートまで持ち込まれる。なんとか防いだものの、先制すると逆に相手の方が勢いを持ってしまう昨シーズンずっと観てきた光景を思い出す。だがここで一方的にならずに右サイドのスペースから満田の抜け出しをつくり折り返す。一時はクリアされたもののそれを駆け上がった松本のシュート。まっすぐ飛んだボールはGK真正面。決定機だったもののブロックされてしまうのだった。

 決めきれない。それをいいことに京都はより前へと圧力を強めてくる。その前がかりになった京都攻撃に耐え忍ぶとサントスが中盤で競る。そこに競り勝ち一気に前線へ持ち上がる。自ら突き抜けシュートまで行きたかったがターンをして味方の上がりを待つと右サイド藤井に預ける。ドリブルで切り込む藤井。が、切り返したとこで倒れてしまう。なんでそこで倒れるんだよと顔を覆ってしまう。後でVARが入ったものの確かに足が掛かってるもののボールをコントロールできてなかったことでノーファールとなる。どことなく最近藤井もチャンスを潰してるように思えるのだった。

 そしてチャンスを潰すといえばサントスであった。最前線でボールを受けるもシュートを打てばGKへのパスのような緩いグラウンダー。流れの中でゴール真正面に来たボールに対してはゴールの遥か上に飛んでいくボレー。クロスを呼び込む動きもなく完全にブレーキになっている。もはやサントスがトップをやってる限り追加点は取れない。そんな安心感が京都をより一層攻撃への軸足を強めるのだった。

 左サイドへとボールを通される。東が対応し一旦は動きを止めさせたもののそこからクロス。するとこれをGK大迫が触るもファーにいた大前の位置に溢れるとそのままヘディングシュート。フワッとしたボールが狙い通り入れられてしまうのだった。

 同点。なんだよと脱力する。左サイドからファーへのクロスでヘディング。これでもう5回連続やられてる。しかも処理を誤り相手に渡したのも藤井がやったことがあり、これで2回目である。どうして毎回毎回同じパターンで失点をするんだろう。

 もうこの時点で勝てないのは決まってしまった。大前は交代出場3分で決めてしまった。対してサンフレッチェは何試合出場しようとも2点しか取ってないサントスである。そしてベンチにもストライカーと呼べるべき選手はいない。FWが点を取らない。その重石は大きい。

 再び点を取りたかったものの最後は京都の攻撃をファールで止めるという余裕のなさでこのまま1-1の引き分けで終わる。もうサントスには望みは託せない。中断期間中リハビル中のドウグラス・ヴィエイラと鮎川が復帰を待つかそれとも棚田の台頭を期待するか。両サイドのクロスの質が悪いのもあるが、適当に放り込んでも中で合わせてくれるという安心感がないのも事実なのだった。

 限られたポジションの中、こうして結果をまるで出せない選手が使われ続けてるのはもどかしさを覚える。確かにFWの駒不足はあるだろうがそれならそれでゼロトップなどを試してもらえないだろうか。それとも補強に動くか。なかなか点の取れるFWなんて余ってはいないだろうが少なくともサントスよりはマシな気がする。金銭的に余裕がないのならいっそのこと住吉、野上、塩谷のような得点力のあるDFをコンバートしてもいい。そこを解決しない限りもう勝てない。果たしてスキッベ監督はこの後の中断期間でどう立て直していくのだろう。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?