ガンバ戦～リーグ戦初勝利

2023年3月12日　ガンバ大阪 vs サンフレッチェ広島　パナソニックスタジアム吹田

　リーグ戦、まだ勝利のないチーム同士の対戦。ただその中でもカップ戦で勝利できたというのはメンタル的に大きい。ベンチを含めてカップ戦の結果を加味したものとなった。

　アウェイゴール裏は２階に押し込められてるのがもどかしい。応援が響き渡ってる割には姿が目立たなくされてしまってる。かといってホームのスタンドには空席が目立ち、空の色も灰かかってる為に全体的にスカスカな印象がするのだった。

　そんな中でのキックオフ。サンフレッチェは前線からのプレスを敢行していく。その序盤の圧力によりボールを奪うとじっくりと組み立てる展開から左サイド東に渡る。そこからDFの裏に向け浮き球。ボックスに入り込んだ森島のトラップはボールが浮いた。だがそれが相手の意表を突き落下地点からシュート。GK東口片脚でブロック。リフレクションが流れる。逆サイドにいたナス。ダイレクトで押し込み決まったのだった。

　先制、先制、先制。開始2分でのゴールはこの試合を優位に進める条件を得た。だが今シーズン失点なしで抑えきれた試合が１試合しかないだけに浮かれることもなかった。ここで追加点を取らないとその内ペースを握られる。そんな危機意識も潜在的に働いたものの前線からのプレスは効きまくり高い位置でのボール奪取に成功していくのだった。

　左で崩し右から崩して行こうとする。ナスが上手い位置取りとボールキープで粘りをもたらす。森島が巧みなターンを使って相手をかわす。そして川村がシュートを狙う動きを見せる。だが決まらない。それだけにセットプレーを生かそうとCKを佐々木がヘディングシュートを打ち込むも決まらない。まずい、まずい。このままシュートが決まらないというのは今に始まったことではないにしてもその追加点の入らない展開の中でガンバはロングボール1本で左サイドを切り裂きクロスを鈴木武蔵が飛び込んで合わせる。枠には入らなかったものの、これによりガンバが前かかりになってくるのだった。

　それにより高い位置でのプレスが嵌まらなくなった。それどころかサイドの福田を使うことで塩谷がスピードで振り切られるシーンが出てきた。満田がそのカバーリングの為に守備に追われる。それにより右サイドを崩されることはなかったものの何度もCKを与えてしまう事態に陥るのだった。

　跳ね返して跳ね返してGK大迫がキャッチする。こういう時GK大迫のハイボールをキャッチしてしまうプレーに助けられる。ところがここからの繋ぎが思うようにできなくなってくる。それにより再び守備に追われるとピエロスがパスのでどころへプレッシャーを掛けてくる。だがそれも段々と相手のボール回しが円滑になるにつれ無理なボール奪取を試みるようになってしまいファールに繋がってしまうことでイエローカードをもらってしまうのだった。

　こうなるとプエロスのチェイシングが不安になってしまう。その後も度々審判に注意される場面が現れる。自身のゴールのないことに対して焦りがあるのかもしれない。それだけに早く前半が終わってくれることを願うのだった。

　そしてスコア動かずハーフタイム。恐らくピエロスは交代だろうという予想はできたが入ったのは中盤の松本泰志だった。それにより中盤が厚くなりボールを落ち着かすことができるだろうと思いきやガンバの攻撃は一向に止まることはないのだった。

　前からのプレスも効果が薄れた上にプレスを回避する為に蹴り出した適当なボールが相手型の選手が収めてしまうのだった。それによりズルズルと下がるDFライン。サイドを活用され福田がスピードで何度もチャレンジしていく。更には宇佐美がポッカリ空いたスペースで受けるとそこからドリブルで突き進んでくる。荒木が縦を切り松本泰志も着いていく。が、カットインしたシュートを放つと松本泰志のブロックが中途半端に当たる。GK大迫が飛ぶも届かない。そしてゴール隅にふわりと入り込んでしまったのだった。

　追いつかれた。やはり追加点を取れないことが響いてしまった。やはりこのチームはゼロで抑えることができない。もはやこの雰囲気だと再び勝ち越し点を入れることはできないだろう。また勝てなかった。リーグ戦初勝利とはならなかった。そんな悔やみを抱えてる中、スキッベ監督はメンバー交代に動く。何と、途中投入の松本泰志を下げ、中野を入れた。それにより満田を中にポジションチェンジ。点を取る為のメッセージを送った。

　すると前線でのプレス強度が高められ、それによりGK東口もパスの出しどころに躊躇する。そんな一瞬の気の迷いのせいだろうか、縦へ出したパスをカットできた。そのままペナルティエリアへ流れる。ナスが拾いボールコントロール。そこを足を絡められ倒れた。間髪なく響く主審のホイッスル。PK。最後の最後にPKのチャンスを得たのだった。

　ペナルティスポットには満田立った。そこで思い出したのは天皇杯決勝。満田が決めていれば勝てた試合で決められなかった。ゴールに向けて視線を固定するとピーンと緊張が走る。スタートのホイッスル。一呼吸置くとゆっくりとしたモーションから助走のギアを上げるとキックを放つ。GK東口が飛ぶ。方向は読まれてた。が、それ以上にシュートの威力が高く触れられることもなくゴールに叩き込まれて行ったのだった。

　決まった。勝ち越し。ついについに勝つことができる。残りはアディショナルタイムの数分。とにかく耐えるんだ。

　コーナーでの時間稼ぎ。無難なクリア。それにより終了のホイッスルはなった。勝った。やっと勝つことができた。リーグ戦初勝利。やはり勝ちがないというのは雰囲気が重くなる。それだけに貴重な１勝となった。

　だがここでやはり選手の配置において悩ましさが残る。満田を真ん中にして点が取れた。だけど右サイドを崩されることがなかった。嬉しくも未だにメンバーの固定ができないのはまだ成長の余地があると肯定的に捉えることにする。そんなメンタリティになるのも勝つことができたからだ。どんないいサッカーをやろうとやはり勝つことは大事なんだと今更ながら気付かされるのだった。