名古屋戦~2試合連続無得点によるスコアレスドロー

2022年9月17日 名古屋グランパス vs サンフレッチェ広島 豊田スタジアム


 惨敗した前節から1週間が明け、どことなく今まで突き進んでたものが蓋をされたような気分になっていた。アグレッシブな守備の上にどこからでも点の取れる攻撃性。試合ごとに入れ替わるヒーローというのはチームとしての底上げを感じてたもののその自信が一気に瓦解しただけあってこの試合に賭ける意味合いは大きい。このまま止まってしまうのか。それとも再浮上の原動力となるか。結果次第では残りの戦績に大きく影響することが予想されるのだった。

 そんな1戦にメンバーを微調整してきた。満田を右サイド、ヴィエイラ、ナスの2トップである。ヴィエイラには前線でのキープ力を期待しただろう。そしてナスにもそれに準ずるものを考えていただろう。だが実際に試合が始まると目についたのは前線の機能のなさだった。

 それはよく言えば一進一退、悪く言えば主導権に握れない展開であり、DFからビルドアップしてもどうにも中盤以降にボールが行き渡らない。中央は人数を掛けられサイドも縦を封じられてる。そこをパスワークで打開を図ろうとするも予測の元にカットされカウンター。右に振られると相馬が単独でドリブルで駆け上がる。これには対峙する満田が追いつくも簡単に振り切られクロス。幸い中で合わなかった為に難を逃れたもののこの後も相馬の脅威は続くのだった。

 サンフレッチェのもたついた攻撃、ヴィエイラのポストプレーのほんの僅かなズレからのカウンターも相馬に渡ると一気に持ち上がってくる。単純にサイドだけを辿るのではなく中からも上がってくるのでコースが読めない。必死に体を寄せるDF陣。ここでなんとか食い止めたものの名古屋のカウンター攻撃はこれに止まらないのだった。

 攻め上がろうとすればする程手詰まりになるサンフレッチェ。むしろそこをボールの狩場と利用することで素早い攻撃へとつなげていく名古屋。ボールへとチェックに行くもののその勢いは止めることができずゴール前まで運ばれる。DFが身体を張るもパスを出される。完全に崩されたと思ったとこでGK大迫の飛び出し。これにより救われたのだった。

 その後何度も何度も訪れる危機にGK大迫が立ちはだかる。塩谷の不用意なボールキープを永井が掻っ攫うとそのままゴールに向かって直進。シュートはブロック。だがその跳ね返りを正面で捉えられた。が、これも素早い反応でシュートを阻む。大迫、そのセービングは神がかっているのだった。

 その奮闘に応えたい。その為にも前線の活性化の為にヴィエイラを下げてピエロスを投入する。前線でのターゲットとして確かにボールの収まりは見せた。だがそれだけでは戦況は動かない。ナスに代わって入ったエゼキエウもドリブルでアクセントをつける。後半から入った川村も遠目からのシュートを狙っていく。でも入る気がしない。それはやはり名古屋のGKランゲラックが優秀であるのも大きかった。

 ミドルシュートしか打たせてもらえない。対して名古屋はペナルティエリアからのシュートがあるもののGK大迫のファインセーブで凌いでいる。スコアは動かないものの両者せめぎ合いの中、攻撃に向かった時名古屋の方が際どい場面をつくっているのは明白だった。

 そこに風穴を開けたい。ボールを持った森島は右サイドを駆け上がる。中央にはピエロスが走り込んである。そこを狙ったピンポイントのクロス。ピエロス合わせる。が、枠に入ることはなかった。前を走ってた名古屋DFが触ったことで軌道が変わったことでジャストミートできなかったのだ。

 この試合最大のチャンスは決め切ることができなかった。そしてこのままスコアレスドローとして終わる。負けなくてよかったとも言えるが2試合連続の無得点に勢いの減退を感じずにはいられない。でも負けてしまったら本当にこのままズルズルと落ちていくような気もする。なんとも気持ちの持ちようの難しい結果となってしまったのだった。

 どことなくヴィエイラのスタメンは機能してないような気がする。スーパーサブとして結果は出すがどうも長い時間プレーするとパワーが薄まるようなとこがある。更に満田をサイドに置いたことでプレーエリアが狭まってしまい本来の力を出しきれなかった感もある。かといって右サイドだけは定着感がないのが頭の痛いとこである。

 藤井、浅野、今津、ベンチに入ってないメンバーだけでもこれだけ人材がいるような気がするのに使わない。それでも勝ってる内はよかったものの結果が出てこないとやはりモヤモヤしたものが出てしまう。果たして4日後のカップ戦でその答えを出してくれるだろうか。それともこれはカップ戦の為の布石なんだろうか。じっくりと見守っていきたいとこなのだった。

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