柏戦~6連勝

2024年8月25日 サンフレッチェ広島 vs 柏レイソル エディオンピースウィング広島


 気温35度。お盆が過ぎ日差しの強さは若干緩んできたかと思いきやしっかりと高温の気温を保ってる。そして試合開始は18時半。運動量を使うサンフレッチェはそれでも不動のスタメンで揃えてきた。天皇杯から中3日、コンディションにキツさはあるだろうがやれてるのは出場のチャンスを逃したくないという選手個々の切迫感もあるだろう。結果を出してる限りは使う、スキッベ監督の哲学は徹底してるのだった。

 対する柏。アウェイでは勝てたもののたった1発のシュートを守り切ったという苦しい試合だった。後ろが固く、前線ではマテウス・サヴィオが違いをつくり出し最前線に重戦車細谷が構えている。現状今ひとつ成績で振るわないもののいつ覚醒するかわからない。それくらいのポテンシャルのあるチームなのだった。

 そんな柏は序盤にDFラインから中盤に当て小屋松が縦パス。これに細谷が抜け出しゴール前。そこに佐々木が寄せ、GK大迫が飛び出すことでブロック。が、セカンドボールをサヴィオ。グラウンダーのシュートを打ったものの中野のカバーで防いだ。危なかった。開始早々に柏の強みとも言えるプレーを見せつけられたのだった。

 その後もサヴィオの縦パスに細谷が反応しゴールまで一直線に向かう場面が訪れる。が、これもGK大迫が飛び出すことでシュート前に食い止めたのだった。そんな奪ってからの速い攻撃はサンフレッチェに攻撃への手詰まり感を与えた。下手に攻め上がれば奪ってからのカウンターが速い。その為DFラインでしかボールを回せない。すると柏のFWは最終ラインにプレッシャーを掛けてくる。プレス回避でGK大迫に下げる。するとすぐにGK方向にプレスの先を変えるので堪らずロングキックを飛ばすもののこれが柏の選手が処理する。そこ結果柏の攻撃時間が次第に多くなっていくのだった。

 我慢、我慢の時間が続く。どうにも柏の選手に比べサンフレッチェの選手の動きが重い気がする。何度か訪れたカウンターの機会も途中で萎んでしまう。その中でも特に満田のキックの精度が悪く毎試合激しい運動量でのプレスが負担となってるのかもしれない。なんだかんだ言ってやはり連戦をターンオーバーせずにやるのは無理がある気がするのだった。

 クリアしてもセカンドボールを柏に拾われてまるで水の中に顔を漬けられてるような苦しさの中、中野がボールを奪う。前線へ繰り出すとワントップの加藤に入る。囲まれるもボールキープ。するとその前で貯めた時間は新井が上がる時間を与え右サイドに出す。駆け上がる新井。連動してゴール前へ詰める満田と松本泰志。更に右サイドからもう一人中野が駆け上がってきた。そして柏のDFがゴール前に戻り切るとこでアーリークロス。これがペナルティエリア内まで上がった中野の背中に当たる。ああ、味方がブロックしてしまったと思うとボールは中野の目の前にこぼれる。前が空いた。GKとゴールの隙間を狙いシュート。速い弾道が飛ぶとファーサイドの上に突き刺さってしまうのだった。

 決まった、決まった、決まった。意図してない形で背中にボールが当たったのが逆にいい場所に落ちた。そして最後列から駆け上がりゴールを決める中野は走力もさることながらその決定力もすざましかった。圧倒的に攻められてる中、このゴールはあまりにも貴重だった。

 ただ前半でのゴールは相手に余計勢いを与えかねない。とりあえずは前半は無失点で終えたい。そして後半にテコ入れをいていきたい。無事無失点で切り抜けたもののハーフタイムを挟んだ後半はメンバーの変更はなかった。ここも勝ってるのに替える必要はないというスキッベ監督の哲学なのだろうか。

 体力的に厳しいのでは、そんな懸念は全くの杞憂とでもいうように後半の方が動きが良くなる。相手の攻撃の芽を摘み前掛かりになる。追加点を狙いにいくも柏の守備は崩れない。左サイドに展開し佐々木が最終ラインから攻撃参加。東、松本泰志と3人の関係から縦のスペースに出ると泰志が抜け出す。ゴール前目掛けてボールを入れる。ブロックに戻ったDF。が、次の瞬間にはゴールネットが揺れていた。入った。入ったのだった。ブロックに足を出したのがオウンゴールとなったのだった。

 2点目。まさかこんな形で追加点になるとは思わなかったもののこれはほとんど泰志のゴールだった。DFにしてみればクリアしなければゴール真正面に詰められるので体を投げ出した結果である。結局メンバーを替えないまま2点目を入れたのは大きなアドバンテージなのだった。

 その後まず最初にボランチの塩谷を下げたのは完全に疲労を考慮してのことだった。代わったのがFWのヴィエイラ。怪我から復帰してというものあまりいいパフォーマンスをしてないだけにこの交代に首を傾げたもののこの日のヴィエイラは違った。まずボールが収まる。のっそりとした動きをしてる割にそこに当てれば足元に収めてくれるのである。それにより全体の押し上げができるのはチームに余裕を与えた。

 相手の攻撃を受けても中盤の底で奪うことができ、縦へ出すと加藤が受けた。単独で持ち上がる。古賀が身体を寄せる。切り返しにより抜いた。と思った瞬間倒れた。手を使って倒された。完全なる決定機。笛が鳴り主審が掲げたのはレッドカード。柏はここで1人退場になったのだった。

 これにより更に勝利に近づくことができた。実際この後は押せ押せムードだった。ヴィエイラがゴール前でGKとの1対1の場面が訪れる。GK松本が飛び出すとアウトに掛けて放ったシュートは枠の外。ヴィエイラ、それは決めろよという嘆きを漏らしてしまう。他にも東がゴール前フリーでシュートを放てばバーに当てる。そして交代で入ったトルガイは新井の絶妙なクロスをボレーを放つも浮かせる。入らない。よりによってトルガイまで決定的場面で外してしまう。改めて得点力というものは水物なんだと思い知らされるのだった。

 そして最後、中島がミドルシュートを放ったとこで試合終了。この試合を2-0で終えることができたのだった。

 外国人選手の怪我により消去法で加藤がワントップを務めているがそれも段々と形になってきた。加藤のキープ力を生かしてサイドの選手が上がっていくというのがパターンとなりつつある。特に最終ラインから駆け上がる中野は相手が捕まえることができない上にシュートの決定力が高い。それぞれの選手が結果を出すことでそれがチームの成績につながるいい循環ができているのだった。

 幸い次の試合は1週間空く。カップ戦が残ってるサンフレッチェにしてみればこれでも大きな休養期間である。その後また連戦となるだけにコンディションが整い一人でも多く怪我人が戻ってきてほしいと願うのだった。

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