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神戸戦~屈辱的大敗の中でも光った選手

2022年10月8日ヴィッセル神戸 vs サンフレッチェ広島 ノエビアスタジアム神戸


 120分の激闘の末に勝利した天皇杯準決勝から中2日、疲労を考慮してメンバーを総入れ替えをしてきた。浅野、藤井、今津と久しく出場機会に恵まれなかった選手も入ってる。それだけにこの試合はそれぞれの選手にとってアピールの機会でもある。この試合の出来によっては来期の契約はない、そんな現実めいた話も想像できるのだった。

 メンバーが代わってもやるサッカーは変わりない。それを体現するかのように高い運動量で相手にプレッシャーをかけていく。そんなアグレッシブさで左サイドで早々にFKを獲得。左利きの浅野がキッカーとしてボールに駆けつける。距離はあるもののサンフレッチェの選手はゴールへ向かう位置へ並ぶ。左足で繰り出す浅野のキック。インスイングのキックはゴールへ向かっていく。ボールの軌道に飛び込む両選手。そこで一歩抜け出た今津がボールへアタックしようとするもボールキャッチに向かってきたGK前川と交錯。アフターチャージとなってしまった。

 うずくまるGK前川。その接触によりVARが入る。結果としてキャッチしてしまったGKに今津に足を突っ込無という形になっただけにどういう判定になってもおかしくはない。だがこのVARチェックに西村主審は神戸の吉田監督と一緒にモニター確認をするという愚挙をやってしまう。それって判定に片方のチームの監督の意向が含まれるということ?そんな疑問を他所に今津にはレッドカードが掲げられた。その表情たるやいかにも嬉しそう。どうもこの人のレフリングには公平さを感じないことが多いが、こういうとこにも現れているのだろう。

 開始4分で10人になる。この退場には色々な意見があるだろう。実際相手選手にも押される形でゴールに突っ込んだ状態でボールが来るとああいう形になってしまうのは致し方ない。だが退場という事実に変わりはなく試合を壊したことでせっかくのアピールの機会を本人も含めて潰してしまったことになる。しかもそれがFKというチャンスを逆にピンチに変えてしまったというのもマイナスイメージに拍車をかける。前回出場したFC東京戦ではカウンターでドリブルするアダイウトンを止めることができずそのままサイドから放ったキックをゴールに入れられたというのもありどうも今津には負のイメージが付きまとう。擁護の気持ちもない訳ではないが、プロとして結果や数字に照らし合わせた場合本人の市場価値は大きく下がったのは間違い無いだろう。

 これにより柴崎からDFの佐々木の後退をする。柴崎もせっかくの出場機会を潰されてしまったのは不憫でならない。そして天皇杯で120分戦った佐々木を出すのも大きな痛手なのだった。

 この数滴有利に神戸は早々に勢いに乗り攻め込んでくるとボールへのアタックがファールとされ右サイドからのFK。それを中央への横パスでタイミングをずらすと誰もそのボールホルダーへのチェックに行けない。フリーで裏のスペースに出されると汰木のゴール前への折り返し。そのシュートをGK川浪が一旦は止めるもそのこぼれを詰められ入ってしまった。青山も対応してたものの見事力で押し切られてしまったのだった。

 退場から早々に失点。せめてもう少し粘っていたらゲームは落ち着いたかもしれない。不利な状況に陥ったらそのまま相手にゴールをプレゼントするような傾向はこのチームの持つ昔からの脆さなのだった。

 もう終わった。数滴不利なチームがここまであっさり失点してしまったらもはや太刀打ちできない。そんな悲観的な思考に支配される。守備ブロックでを敷いて受けに回る中でボールを奪うも前に出しどころがない。手詰まりのエゼキエウ。すぐに囲まれて奪われてしまうかというとこでターン、相手を引き剥がすとそのまま前線へ持ち上がっていく。2人、3人をかわしてゴールに突き進む。そこでペナルティエリアに入ると逆に振りピエロス。が、GK前川に阻まれてしまうのだった。ただ、この時相手DFにハンドがあったような気がする。不思議なことにそこには審判無反応。薄々感じていたが、完全に神戸寄りの判定になっている。これだから西村主審は信用ならない。

 そんな中でもエゼキエウは一人でボールを持ち上がりピエロスは前線での起点の役割をこなしていく。そして浅野、藤井、松本さえもが一人で持ち上がっていくのだった。パスができなければ単独で行く。そんな逞しさは通常のメンバーでも見せてない姿だった。だからこそ1人少ないことにもどかしさを感じるのだった。

 前半を終えた時、負けてはいるもののそれ程負けてる感はなかった。もしかしたら後半盛り返せるかもしれない。数的不利を跳ね返したらそれこそこれ以上ないアピールになる。そんな思考が芽生えたのか、攻撃的な姿勢を持っていくと途端に裏を突かれてしまう。右サイドを抜かれ住吉がカバーに入るも切り返されシュート。決められた。後半開始早々の失点は早くも出鼻をくじかれた。

 だが悲劇はその後だった。またしても右サイドを縦に抜かれ藤井が遅れて酒井のマークに着くも簡単に切り返されシュート。ゴールに叩き込まれるのだった。遅れて入った守備は酒井に切り返しの余裕はを与えたのは間違いなかった。そしてそんな自らのミスを取り戻そうをしたのか藤井は右サイドで無理な突破を試みると簡単にカバーに入られた選手にカット、そのまま前線に出されてカウンターにつながる。汰木がゴール前大迫へのスルーパス。それを佐々木が一旦は止めるもそのこぼれを汰木が詰めて決める。僅か5分の内に3点も入れられてしまうのだった。

 正直このゴールは大迫のオフサイドだと思う。だがもはや審判も神戸の方に感情が向いている。そしてこの3失点は全て右サイドを崩されてる。これによりもはや試合として成り立ってないことでエゼキエウ、藤井に代え、森島、川村が入る。そしてこれで試合として成立するようになってしまうのだった。

 ただ、試合は落ち着いたものの圧倒的に攻められる状態は変わらない。そんな中で守備ブロックでカット。青山がターンしてかわし味方に繋げるもファールで止められる。続けていればカウンターのチャンスだった。でもそこで神戸選手にカードすら出さない。ハーフタイムで主審は交代したもののやはり神戸寄りのジャッジは変わりはしないのだった。

 その後も防戦一方。そこで奪っても出しどころがない。左サイド浅野は手詰まりになるも独自で切り開き縦へ上がっていく。向かってくる神戸のプレスにも簡単には奪われない。その姿に浅野への可能性を感じた。いや、むしろ浅野をもっと観たいという感覚さえ沸いてしまうのだった。

 だがこのまま4-0という屈辱的スコアと展開のまま試合を終える。最後は神戸に主力選手を温存させる交代までさせてしまった。普段出場のない選手のアピールの場は全く違う意味合いのものに変わってしまいある意味それが必要な選手とそうでない選手の色分けをより鮮明にさせてしまったような気がするのだった。

 果たしてそういった選手のターニングポイントとなるのか、今後の展開次第ではこの大敗も意味あることと思えることになるのかもしれないのだった。

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