札幌戦~勝利を飾れなかったホーム最終節

2022年10月29日 サンフレッチェ広島 vs コンサドーレ札幌 エディオンスタジアム広島


 ホーム最終戦。この試合に勝てば3位確定。ルヴァンカップ優勝の余韻も相まったこともあり多くの観客が集まったことでバックスタンドの上段まで埋まった光景は壮観だった。勝って今シーズンを締め括りたい。試合後のセレモニーはさぞ盛り上がって迎えることができるだろうという期待を込めていた。

 対する札幌はこの試合に勝って残留を確固としたいという決意があった。その辺りの決意の違いがあったのかもしれないものの、試合が開始するとサンフレッチェが攻め込む場面が目立った。

 前からの守備で嵌めて後ろからどんどんと選手が沸き上がる。2人目、3人目の動きをしていくものの最後の縦パスが合わない。相手を外す動きはできてるはずだが最後が合わない。そこさえできればもっと点を取ることができるのだろうがそれができないというところが近年のサンフレッチェを象徴してるかのようだった。それでもCKからの満田のグラウンダーキック。ゴール前の密集に相手の裏は突きナスが合わせる。が、入らない。枠に入れることができずここでもかと頭を抱えてしまうのだった。

 そんな攻めあぐねを繰り返していく内にボールを奪われると中盤に出されるとルーカス・フェルナンデスのキープ。3人掛かりで獲れずゴール前へスルーパス。そこへ飛び出した興梠。GK大迫と1対1。そこをするっとかわすと易々とゴールに流し込まれてしまった。呆気ない、あまりにも呆気ない。だがそこは興梠の決定力、ルーカス・フェルナンデスのキープ力とパス精度によってたった2人によって決めたのだった。

 早くも追う展開になったサンフレッチェ。再び人数を掛けて札幌ゴールに迫る。ショートパスを駆使しながら相手の守備ブロックを崩そうと試みる。単純にクロスを上げても簡単に跳ね返されそる。が、その時オーバーラップしたDF塩谷がアーリークロス。安直なような気がした。ゴール前の混戦へと入ったボールに野津田が合わせる。GKを避けて入ったのだった。

 同点。ボランチの野津田がゴール前に上がることにより決めることができた。少ない人数で決め切った札幌に対して人数を集めることによって決めたサンフレッチェ。パスで崩していく両チームであるが、決めたゴールのスタイルは大きくスタイルが異なった。そしてその理由は試合が進むに連れて明白になっていくのだった。トップに入ったナスにゴールの匂いがしない。シャドーの森島もシュートが打ててない。満田も打ってはいるがミドルゾーン。明確なアタッカーというものがいないのだった。

 攻めてはいるけどフィニッシュまで行けない。ワントップに入ったナスがかわしてシュートという場面があったものの力無くGK真正面。この時確信したが、やはりナスは左足でシュートが打てないのだった。それがFWとして今ひとつ結果が出てない原因なんだろう。それに代わるべく選手がこの日はベンチに入ってない。なんとかこのメンバーで逆転まで漕ぎ着けたい。

 そう思ってた矢先逆襲に遭い、ルーカス・フェルナンデスがサイドで受けた。ゴールに向かって放ったキック。それはファーに流れヘディングで折り返し。それを中央に入り込んだ宮澤。決められた。崩された。綺麗に崩された。そしてこれもたった3人に決められた。そしてまたしてもルーカス・フェルナンデスのキックからなのだった。

 追いつくべく4人のメンバー交代。そのなかに新人の棚田がいた。いささかギャンブルのような気がしたが札幌は追加点を入れようと攻勢を掛けてきた。人数を掛けて食い止める。そこで縦へのスルーパス。抜け出したのは棚田だった。

 GKとの1対1。打てと思った瞬間もうワンタッチした。そしてシュートしたものの見事にGK菅野に反応されてしまった。決めきれなかった。同じような場面でありながらも興梠は決めて棚田は決めれなかった。その差がそのままスコアの差となってしまってると認めざるを得なかった。

 ところがこの後チームは前への活力を得るようになる。再びゴールへ向かってのベクトルを向けた。そしてゴール前へボールを出すとそこにはナスと棚田がいる。棚田がシュート。GK真正面。だがシュートシーンが出てきた。明らかに棚田が入ることによって攻撃への活性化がされたのだった。

 FK、CKのシーンも増える。満田のキックは軌道がいいものの合わせることができない。後少しで決まりそう。だがその後少しが足りない。そして足りないまま試合は終了してしまうのだった。

 1-2。今シーズン最多の18,106人を集めたにも関わらず勝利を収めることができなかった。そこに寂しさはあるもののまだ最終節勝てば3位でシーズンを終えることができる。その為にも棚田が見せたボールを導く動き、フィニッシュへ向かう姿勢は大きな可能性を見せてくれた。だが決定的チャンスで決めきれなかったのも事実。一瞬の迷いが相手GKに阻まれてしまったが、次こそはと思ってしまう。

 外国人FWに頼ってる中、一筋の光を見せてくれた。残りあと1節。来期に向けてアピールできるだろうか。そしてチーム自体も更なる希望を見せてくれるかを占う一戦となるのだった。

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