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セレッソ戦~3得点により勝利

2022年8月27日 セレッソ大阪 vs サンフレッチェ広島 ヨドコウ桜スタジアム

 3連勝中の両チーム。順位も上位につけたことでお互いに3ポイントを意識するので重要な一戦となってくる。前回対戦では勝てたもののそれでもセレッソの強さは他のチームとは違っていた。というのも高い運動量を使うスタイルは両者似通ってるものを持ってるからだった。試合はそんな激しいプレッシングが行き交う様相が観れたのだった。
 ボールに対しては素早いチェックの為に時としてファールすれすれのプレーとなってしまう。速いパスが行き交うがミスになることがあっても意に介さずどんどんチャレンジをしていく。そんな中で最初にチャンスをつくりだしたのはセレッソだった。加藤睦次樹が相手のコースが外れた瞬間にシュート。その後も為田が飛び出すことによってシュート。どれもゴールにはならなかったもののタイミングとしては決まってもおかしくないものだった。
 勢いに乗ると手のつけられないセレッソの攻撃。それに対して受けに回るのではなく正面から立ち向かうサンフレッチェ。2試合続けての右サイド茶島はボールの流動性を生み出すことはできるもののアタッカーとしての鋭さがないだけに縦への突破は期待できない。そこでCB荒木は縦パスをセレッソ陣内に打ち込むのだった。
 森島にズバッとボールが入るとそのままターンして前を向く。一気に駆け上がる味方選手のいる中ナスとのパス交換。ゴール正面にはすでに守備ラインが形成され左に出すと柏がフリー。ゴール前へ突進する味方の動きをじっくり見定めクロス。ターゲットの森島、潰された。が、ファーサイドから疾風の如きスピードで入り込んだ茶島。相手と交錯しながらもヘッド。ねじ込んだ。決まった。先制点を叩き込んだのだった。
 茶島、茶島、茶島!どことなく綺麗なプレーに終始し、力強さや強引さに欠けるイメージのあった茶島が相手を薙ぎ倒しながらもヘディングを叩き込んだことは僥倖であった。今まで出場機会に恵まれなかったことで印象が薄かったが絶大なるインパクトを残したことはチームとしても本人としても大きかった。
 ところがそんな先制の喜びも試合の再開と共に霧消してしまう。たった1点のリード。それを覆すべくセレッソも猛攻が続く。何度も最終ラインの決壊を生みシュートまで打たれる。その度にGK大迫が立ちはだかり佐々木がカバーするという場面が続いたまま前半を終えると一息つけるのだった。
 後半、イエローカードを貰った野上にカード代わって住吉が入る。住吉も久々の出場。DFというポジションだけに不安が残ったがこの住吉が体格のよさで相手を封じ込めてしまう。それは壁、まさに壁だった。パス回しにおいても特に破綻はなくまたポジション争いが過酷になってきた予感をもたらすのだった。
 時間の経過と共にセレッソはいよいよ前がかりになってくる。懸命の守備は奮闘はしてるものの長いクロスや流れ込む攻撃の波は何度も危機的状況を生み出される。あともう一押し、そんな攻撃一辺倒なセレッソの縦パスをカット。ナスに代わって入ったヴィエイラへ繋げるとそのままカウンター。前線へ雪崩れ込んでいく中で左へ振る。左から右へ。満田が受けシュート。強烈な弾道を弾いた。そこに詰め込んだ松本。押し込んだ。追加点を決めた。
 松本、松本、松本!これで3試合連続ゴール。2点差となることで勝利をグッと引き寄せた。だがそこまでの過程で何人もの選手が有機的に絡み合ったのが凄い。点が取れないと嘆いていたチームはいつの間にか複数得点できるようになっていたのだった。
 あとはこの2点を守るだけ。かと思ってたらアディショナルタイム9分もある。そこでピエロスと青山を入れて逃げ切りをはかる。CKを得る。時計を進められる。キッカーで入った満田は時間稼ぎに使わずそのまま蹴り込んだ。ターゲットのヴィエイラのヘッドも威力がなくクリア。だがそのこぼれにCKを蹴った満田自らが拾いボックスに入る。目の前のGKをいなす折り返し。そこにピエロス合わせると決めた。チーム合流2週間のストライカーが決めることで試合を決定づけたのだった。
 これにより今シーズンゴールを決めた選手が18人。色んな選手がどこからでも点を取るという強い頃のサンフレッチェが蘇ってきた。
 0-3で試合を終え当然周囲にはトップを伺えるという雑音が聴こえてくる。だが今は目の前の一戦をただこなしていくという冷静さがある。それこそは3度の優勝経験のなせる技だろう。そして圧倒的に独走しつつも途中で失速してしまった城福監督1年目の影響もあるだろう。そうやって積み重ねていった歴史がここにはある。
 まだ何も成し遂げてない。そして天皇杯ではまたセレッソとの対戦がある。やはり順位よりも目の前の試合をこなしていくので精一杯なのだった。
 

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