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天皇杯草津戦~かろうじて1点差で勝利

2022年7月13日 天皇杯ラウンド16  ザスパクサツ群馬 vs サンフレッチェ広島 正田醤油スタジアム群馬


 連戦の中でのカップ戦、ターンオーバーしつつも主力メンバーをここで持ってきた。そこに天皇杯へ向けてのモチベーションの高さを物語ってる。それだけに試合は相手を圧倒するだろう。カテゴリーの違いを考えてもそれは当然のことのように思われ、事実試合は一方的にボールを持つ展開から始まるのだった。

 スパッ、スパッ、スパッとパスが前を向き、左サイド東がトップに当てる。DFが張り付いてるにも関わらずそこからシュートに持ち込む。また、満田に預けるとワンツーを狙う動きを囮に満田自らシュート。その強引さはDFに阻まれるもCKになり野津田が蹴る。強烈な弾道のボールが入る。ゴール前の密集をスルッと抜けファーへ流れたものの、誰も合わせられない。ただ幸先はいい。だがこの幸先の良さが相手の閉じ籠りを招いてしまった。

 縦へ速い攻撃は鳴りを潜め相手守備ブロックを崩す作業にかかる。右から中央、そして左へ。だがザスパクサツ群馬は完全に割り切った守備になかなかフィニッシュまで持ち込めなくなってしまうのだった。

 ほんの僅かな隙を突こうと狭いとこにボールを入れる。群馬も少しずつ慣れてくるとカットしてくると前線へ出される。カウンターを防ごうと即座にチェックに入るもののファールを取られた。FKを与えたもののゴールまでは距離があるので焦る必要はない。上手く跳ね返して次に繋げていこう、そう思ったその時だった。縦へのスルーパスは意表を突かれ左サイドで完全にフリーになってしまう。すかさず折り返し。それをダイレクトシュート。弧を描きゴールに飛んでいく。が、バーに当たった。それを佐々木がクリア、事なきを得た。ほんの2、3秒の隙間時間。そんな瞬間すら見逃さない群馬もこの試合に賭ける意志を感じてしまうのだった。

 その後、守る群馬に攻めるサンフレッチェという展開がずっと続くもスコアは動くことなく前半を終える。岩のように動じない守備ブロック。その打開として右サイド柏に代えて藤井を投入してきた。定番の交代であるが、最も有効な手段でもあった。

 右サイドに入れば縦へのドリブルを警戒される。それ故に中盤の森島が自由に動けるようになり預けることができる。そしてそこを潰しにかかると今度は縦へスピードで勝負することができ、クロスを入れることができる。が、いつもの如く中で合わせられる選手がいない。そこに訪れたFKのチャンス。距離はあるものの野津田のキックはレンジが広い。ゴール前に並んだライン上へ向けて放った。相手をすり抜け塩谷が頭に当てる。が、枠外。ここでも決めきれないのだった。

 何をやっても駄目。そんな閉塞感を感じた時、先程ヘディングを決めきれなかった塩谷がオーバーラップ。自らドリブルで上がり密集地帯に突っ込んでいく。敵の包囲網の中満田との受け渡し。そこで左サイドのスペースに出した。走り込む藤井。追いつきクロス。GKとDFの狭い空間を通すとそこに飛び込んだ。それがヒットしゴールに叩き込まれるのだった。

 入った、入った、入った。やっと決まった。そして決まった後にわかったのだがヘディングを放ったのは塩谷だった。なんと、自分で持ち上がってチャンスを作り出し自分で決めてしまったのだ。群馬の守備網を突き破ったのは最後尾の塩谷なのだった。

 これで楽になった。相手も引き篭もってるわけにいかなくなる。追加点も取りに行けるだろう。そんな楽観的思考になりかけたものの群馬の守備はそれで崩れることはないのだった。

 ワントップのサントスにボールが入るようにはなるもののあっさりと潰されてしまう。それに伴い段々とプレーが雑になってくる。ついにはイエローカードまで受け交代を告げられてしまうのだった。またしてもゴールがなかった。そんな虚しさは抱いているだろう。

 ベンカリファが入り柴崎が満田と代わって入ることで試合をシャットアウトにかかる。自ら前に出てくるようになった群馬に対して押さえるとこは押さえる。が、終盤に差し掛かるに従って僅かに残った力も出し惜しむことなくゴールに向かってくる。その気概でサイドから藤井が抜けれ抉られるも最後は塩谷は寄せて詰んでしまう。ミドルゾーンからの可能性の低いシュートは放たれるものの対処はできている。そこでマイボールになってからはもう無理をすることなくボールを回していき、無事タイムアップを迎えることができるのだった。勝った、たった1点差だけど勝った。カップ戦でであるので1点でも勝てばそれでいいのだった。

 ベストメンバーで臨んだこの試合、相手がJ2とはいえ楽に勝ったという印象はない。もっと早い時間に大量得点を上げてメンバーを交代させるのが理想だったができなかった。むしろ相手が下のカテゴリーだからこその意地というものを感じられた。

 そして週末はまたリーグ戦。息つく暇も無いとはこのことだ。でもあらゆるカップ戦に早々に敗退してしまった昨シーズンを思うとこの連戦というのは幸せな期間であるのは間違いないことなのだった。

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