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シックハウス対策は換気に効果的

昔の新築の家の押入を開けると、目がチカチカし、鼻がツンツンしました。粘膜の弱い人などは目の痛みや涙、鼻水が出る人もいたほどです。昔の押入れや家具などには、ベニヤ(ラワン等の合板)が使用されており、そのベニヤを作るのに使用される接着剤や色んな建材から発生するホルムアルデヒドが痛みの原因だったわけです。
ホルムアルデヒドが原因とされる人体に起きる症状をシックハウス症候群と呼ばれ、建築基準法が改正されました。

1997年 厚生省(現厚生労働省)が事務局となった「快適で健康的な住宅に関する検討会議」で、化学物質の指針値等を策定作業により、問題の深刻さから異例のスピードで1997 年6 月に中間報告としてホルムアルデヒドの室内濃度指針値を公表。
2002年
建築物における衛生的環境の確保に関する法律の改正
特定建築物における新築や大きな模様替等が行われた後、最初に到来する6月 - 9月(気温が高い時期)に、ホルムアルデヒドの測定及び対策が義務化
2003年 建築基準法の改正
建築材料をホルムアルデヒドの発散速度によって区分し使用を制限
換気設備設置の義務付け
天井裏等の建材の制限
クロルピリホス(防蟻剤)使用建材の制限

建築基準法が改正され、確認申請時に24時間換気扇の設置や、建材の使用制限の計算をするわけですが、改正当時は正直とまどい、そしてえらいめんどくささを感じたものです。今ではシックハウスの原因となる建材はほとんど使用されていません。ですから、計算もかなり簡略(省略)でき、面倒だったシックハウスの計算も何事もなかったようにストレスなくやれています。

しかし、それでも24時間稼動し続ける換気扇の設置は必要で、2003年以降の建物には必ず設置されています。
24時間稼動されることで効果をもたらす24時間換気システムは、ガラリ等から自然に外気を取り入れ、換気扇で強制的に排気する、第三種換気 が多く採用されていると思いますが、たいてい付いているのは15センチ程度の小さなガラリと小さな換気扇です。最近はサッシの框(カマチ)枠に付いてる物も普通にあります。

換気方法は、部屋ごとにガラリと換気扇を設置したり、一番端の部屋にだけガラリを付け、その部屋から離れた部屋に換気扇を付ける。途中の部屋は引き戸だとレールの隙間、ドアだとドアの下に隙間を作ったり、ドア自体にガラリを付けて、最初の部屋から最後の部屋まで空気が流れるようにする、などその方式は色々です。
どっちにしても、ガラリは外気に直接触れているので、冬は寒いと閉めてしまう人たちも少なくなく、せっかくの24時間換気システムが用を成していない事も多いようです。でも、私も最近まで、「あんな小さな換気扇で効果あるのか?」疑問でした。効果が無けりゃ寒くて閉めてしまっても何の問題も無し。24時間換気なんて無駄な出費?くらいに思っていました。

ところが、今年の新型コロナウイルスによって私の考えは完全な間違いだったことを痛感させられたのです。

コロナ対策には換気が重要です。窓を開けて換気するのが一番効果的です。
でも、真冬の寒い夜など、一度暖めた部屋の窓を開けるのは誰しもイヤですね。

窓を全開しなくても効果的な換気な方法・・・TVでやってました。

ニュースや情報番組で見た人も多いと思いますが、使用している部屋の窓ではなく、繋がっている部屋の窓をほんの少し開け、使ってる部屋と窓を開けてる部屋の建具を少し開けておく。いわゆる使ってる部屋と使ってない部屋を同じ空間として換気する方法です。この方法はまさに24時間換気システムと同じ考え方で、実験映像をみるとかなりの効果でした。さらに暖房していた室温もさほど下がりません。暖房の途中で実行するのではなく、最初からこの方法をやっていればほとんどストレスなく換気できると思います。
部屋はいくつ介しても効果はあります。

実際実験によって目で見て効果のあることを確認した私は、考えを改めました。24時間換気システムは実に効果のある換気システムだったのです。

建築基準法には普段は使用しない、火災の時さえも使用しない排煙窓の設置義務や、個人の住宅なのに採光を確保しなければならない、などといった「なんだこの法は?」と言うものもたくさんあります。
しかし、24時間換気システムは効果的な換気システムだと思います。
我が家は1990年頃建てたので、残念ながら24時間換気は付いていません。
でも、改正以後に建てた人、これから建てる人はぜひ、24時間換気を利用、活用してみてください。冬もこれからが本番です。役に立つこと間違いないと思いますよ。

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