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キャラクターソングの役割 -80'sパンクと2010'sアニソンの類似から-

こんにちは。岩紺です。

突然ですがまずはこの曲聞いてみてください。


次にこちらの曲も聞いてみてください。


この2曲めちゃくちゃ似てません????


(イントロでわかるように)リフのコード進行とかほぼほぼ同じやないですか。それを差し引いてもゴリゴリのパンクロックだし、最近のJ-POP感は全くない。

1980年代 アメリカ・パンクロック

1曲目に挙げたのはアメリカのパンクバンド、Wipers(ワイパーズ)が1980年に発表した「Return of the Rat」。
Nirvanaに影響を与えたバンドとされているだけあって、70年代パンクの荒っぽさがありつつ、後のグランジらしさというか90年代以降のオルタナティブに繋がるものも感じて個人的には好きな曲です。

2010年代 アニメ・キャラクターソング

対する2曲目は「Sugar & Spice」。2018年秋アニメだった「Release The Spice」(通称リリスパ)の主要キャラの一人だった「石川五恵」のキャラクターソングです。このアニメはキャラデザが「ゆるゆり」のなもり先生、原案・構成が「結城友奈は勇者である」のタカヒロ氏とスタッフが豪華で、ストーリー自体はそこまで捻りはない気がしつつも割と楽しめる作品でした。

この「リリスパ」は何より音楽が良い。劇伴もなかなか凝っていい雰囲気出してくるし、OPはヒゲドライバー氏作曲で中毒性がありつつ、EDは泣かせにくる感じで高品質でよくまとまってたなって印象です。

キャラクターソングの役割

そんな作品のキャラソンである「Sugar & Spice」と80年代パンク「Return of the Rat」の一致。まあ、偶然かオマージュかどうかはわかりませんが、キャラソンと言いつつも実際に作詞・作曲しているのはプロのおじさま/おばさま方だったりするわけで、作曲者の趣味が反映されてる可能性も十分あるのではって話です。

ある意味キャラクターソングっていうのは、作品に深みを出すという役割が大きいんじゃないかなと個人的には思っていて、(あくまで推察でしかないですが)それ単体での売上はそこまで重視されてないんじゃないかなって気がします。
(「全キャラ1枚にまとまってる」場合もあれば、「2人で1枚」「全員バラバラ」など、売り方も作品ごとに割とバラけてるし、あまり業界でも統一はされてなさそう。)

そうするとキャラクター自身の設定も色濃く出るとともに、作曲者自身の解釈というかやりたい音楽の方向性も強く出ることが多々あるというか、そういう表現が可能な場所なんじゃないかなと勝手に考えています。
つまり言うなればアニメのキャラクターソングは、「アニメという大きな商業作品の一部として作られているが故に、逆に単独で商業性を追い求める必要から解放されている」のではないかと。(大きく出すぎたか)

ただ、キャラソンって結構面白いんですよ。(最近だと「私に天使が舞い降りた」とかも、ユーロビートっぽい曲を入れ込んだりしてて聞いてて楽しいアルバムでした。)
「Sugar & Spice」も、そんな観点で見ると「石川五恵」というキャラクターを深堀りしつつ、作曲者の趣味(パンク)が色濃く反映されている作品と楽しめるのではないでしょうかね。(それにしても似てるけど)

今回はこの程度で。

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