徳大寺
こんばんは。
今回は徳大寺です。
上野・アメ横に鎮座するお寺です。
え?こんなところにお寺??と思いますが
なんと、400年も前に創建されたといいますから驚きです。
江戸時代初めの寛永年間に慈光院日遣(にちけん)上人によって創建されました。
正式には、日蓮宗妙宣山徳大寺(みょうせんざんとくだいじ)です。
仏教を守護する「大摩利支尊天」を奉安することから、摩利支天徳大寺とも言われ、下谷広小路(現在の上野広小路)に位置したことから、「下谷摩利支天」とも呼ばれています。
聖徳太子作と伝わる寺宝の「摩利支天像」ですが
江戸時代中期の京都にて「霊夢感得」された御尊像と伝わり
宝永5年(1708)9月に当山へ安置されました。
その一連の経緯は、文化12年(1815)に発行された『摩利支天略縁起』に記載されています。
「当寺奉安の摩利支天尊は、施無畏の後身、聖徳皇太子の御手彫(おんしゅちょう)なり。下総正中山(しょうちゅうざん)法華経寺、第五十五世、成遠院日達(じょうおんいんにちたつ)上人、京北叡昌山(けいほくえいしょうざん)本法寺貫頂として、既に正中山輪番に下らんとて、東方弘通(ぐつう)の擁護を祈られしに、或夜夢らく、尊天来臨ましまし、東の方に立たせ給うと。実に其年正月二日の夜なり。覚めて後、見に一躯の霊像を感得し見るに、夢に拝する如く異なることなかりき。躬しばらくも離たず。弘通功成りて、帰京の日、霊夢の事を思い、此尊天、東土に縁のましますとて、即ち当寺に什襲(じゅうしゅう)奉安し、永く自他の利益を仰ぎ願う。」
(徳大寺パンフレットより拝借)
よく正月2日にみる「初夢」って、その1年の吉凶を占う風習がありますが
この日達上人の場合は初夢に摩利支天尊がお出ましになられた、しかも「東の方」へ連れてって、って、なんだか、愛しい存在ですね(無礼を承知で書きます)。
先ほどから「摩利支天」と軽~く書いてますが
じゃ、「摩利支天」ってどんな神様なのか?
って思いますよね。
簡単には説明できないんですが…
摩利支天の「摩利支」とは、「威光」「陽炎」と訳され、仏教を守護する天部の神で、参詣祈願の人々に「気力・体力・財力」を与え、「厄を除き、福を招き、運を開く」諸天善神中もっとも霊験顕著な守護神であると伝えられています。
そのお姿が猪の背に立つことから、古くより十二支の亥の日がご縁日とされてきました。
(徳大寺「摩利支天」案内パンフレットより拝借)
「厄を除き、福を招き、運を開く」
まさに欲深凡人・月泉庵が喉から手が出るほど欲しいものばかり…(^^;
人が摩利支天の名を知り念ずれば、一切の災厄から逃れ勝利の功徳を得るとして、わが国においては中世以降、武士階級の守護神として摩利支天の信仰が広まりました。名だたる戦国武将たちは摩利支天の尊像や旗印とともに合戦に出陣したと言われています。
まさに、諸難を退け勝利に導く、武門の護り厚き守護神として、町人文化が栄えた江戸時代中期以降には、民衆の間にも摩利支天信仰が盛んとなりました。
(徳大寺「摩利支天」案内パンフレットより抜粋拝借)
うーん。
そりゃ、庶民にも信仰が広まりますよね。
その後、江戸へ下って安置されたわけですが、このご尊像に開運吉祥の御利益を授かろうと、全国から善男善女の参詣により山門は賑わい、いつしか門前通りは「下谷広小路の摩利支天横丁」と呼ばれるようになりました。
時代は明治へと移ると、毎月亥の日のご縁日に摩利支天横丁を中心に露店が多く立ち並び、大変な賑わいを見せるようになったといいます。
大正12年の関東大震災、昭和20年の東京大空襲の2度にわたり灰燼に帰しましたが、奉安のご尊像は幸いにもその都度焼失を免れたそうです。
戦後、闇市による町並みの変化に伴い、移転再建が検討されるも同地に留まり、昭和39年11月堂宇再建の悲願が結実され、全伽藍の復興を果たし、今日に至っています。
(徳大寺パンフレットより拝借)
1階は商店、2階に徳大寺、というなんとも不思議な存在ですが
地上の喧騒を忘れるくらいの静かな境内は、とても落ち着く空間です。
正直、子供の頃からしょっちゅう行っていたアメ横ですが
徳大寺の存在を知ったのはつい10年くらい前なんです。
知った時は「なんでこんなことろにお寺があるの?」と正直驚きましたが
400年も前から鎮座していると知って、地元に愛されているんだな思いました。
かなり急勾配な階段を上らなくてはならいので、足の悪い方や高齢者の方は大変かもしれません。
が、階段上って本堂右側に、日蓮上人像や「力の亥」像があります。
御多分に漏れず、毎回ご挨拶にお邪魔する時は、この「力の亥」をなでなでします(^^;
本堂入って左側に「浄行菩薩」さまが安置されていますが
徳大寺山門から少し左側(地上)に行くと、同じ「浄行菩薩」さまが安置されていて、お参りが出来ます。
浄行菩薩さまは、病気やケガを治してくださる菩薩として知られ
備え付けのタワシで治してほしいところを洗うと良くなる、と言われています。
はいはい、御多分に漏れずワタシも「アタマ」をゴシゴシさせていただきました。
アメ横にお越しの際は、ぜひ一度お立ち寄りください。
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妙宣山徳大寺(日蓮宗)
台東区上野4-6-2
JR「御徒町」駅・東京メトロ「仲御徒町」駅・都営大江戸線「上野御徒町」駅徒歩2分
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