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簿記嫌いが「簿記2級」に約2週間でネット試験の合格をした話

この記事は「簿記2級に短期で合格したい!」という志を同じくする方以外にとっては、「なんでこいつこんなことやってんだ?」という檻の中の変態を見るような内容と思われる。

それでも良いよと珍獣を見てくださる方はスクロールをしていただければ光栄だ。独学ではないのであしからず。


1.筆者の基本スペック

合格体験記で、自分とこの人はどれくらいの違いがあるのかよく分からないまま進むのは気持ちが悪いと思うので、先に筆者のスペックを開示する。

簿記3級は独学

数年前に3級は独学で取得している。その時は市販の参考書を買い、参考書を破り投げ捨てながら勉強をした。まあそれでも合格できたのが3級だが、そこで2級を取るなら、短期なら独学は無理だなと悟った。

簿記は嫌いだが数字は好き

そもそも簿記の存在自体がさっぱりわからない。計算なんてAI学習でできるだろ。そんなことを思うのだが、AIの結果検証には簿記の知識が無くてはならないだろうし、会計とは奇怪な分野であるので、嫌いだがきっと無くならないんだろうなと思っている。

簿記の良いところは「間違ったら、間違える」というところだ。プログラムは多少間違ってても何か知らんうちに稼働する場合があるし(このパターンが一番恐ろしいことをシステム屋の諸氏はご存じだろう)、論文はどこが部分点なのかよく分からない、みたいなところがあるが、簿記は間違えたら確実に間違えている。

そして、そこを正せば正しい数字が出てくる。確実にレベルアップが感じられる。着実に数字が積み重ねられる。1か0かの世界だ。

実際には入力する数字がおかしかったら加算結果も誤ってる場合はあるのだが、必ず左右あるいは貸借がバランスする中で、間違いは見つけやすい。その数字的側面は好きである。

その他参考事項

筆者は週5日仕事をする社会人だ。そして仕事柄、有価証券報告書を目にしている人間である。要は、あの憎き仕訳項目を、貸借対照表と損益計算書で普段からなんとなく知っている。
なお、アレを作る仕事はしていないので、簿記を実際に使って数字をいじることはしていない。

2.簿記2級を短期で取った理由

取りたかったからーーと書くと1行で終わってしまうので、いくつか目的を述べる。

コツコツとするのは苦手だから

筆者の性格として、ある一つのことを一気にやりたい衝動がある。それが短期的であればあるほど良い。そして、全体を体系的に理解した上で各論をやるのが好きなのだが、簿記は嫌いなので学ぼうとすると時間がかかる。

ならば資格を目標として、短期間で詰め込めば強制的に覚えるだろうという自分の性格を逆手に取った発想だ。

ある資格への通過点

筆者には今年取りたい資格があるのだが、その資格には簿記会計知識が基礎事項なのだ。そしてその資格を取るためには、おそらく簿記2級くらいは寝てても書ける、みたいな筋肉が必要と思われる。その実力を試す通過点に時間はかけられない。

簿記が嫌い

簿記が嫌いだから長く勉強したくない。

3.勉強方法と勉強期間

ここから具体的な勉強方法とスケジュールをご紹介する。

筆者は「STUDYING(スタディング)」を利用

筆者が勉強に使ったのはSTUDYING(スタディング)だ。それ以外は参考書も何も購入していない。他と比べて普通に良いと思ったので利用したし、結果も出たので使える部類だと思う。

ちなみに、ほかの資格勉強ではLEC等も使ったことがあるのだが、おそらくネットで完結させるならばSTUDYING(スタディング)が最も使いやすくて、値段が安いと思う。

短期合格目指す簿記嫌いは金を掛けろ

一つ言えるのは、独学だとたぶん面倒くさくなるし、金を掛けないと投げ出す確率が高くなると思うゾ。

といってもSTUDYINGだったら、ほかの資格系よりは安いと思う。さすがに「書籍だけ」よりは高い。以下参考。

ほかにも、ネットで検索すると色々出てくるので、どこか合いそうなところを見つけると良いと思う。簿記嫌いは、独学は止めた方が良い。まさに時間と金の無駄だ。

因みに無料のサイトだとCPAラーニングと言うのもある。学ぶだけならここを使うのも良いと思う。

勉強期間は17日、総勉強時間は約40時間

勉強は以下の通りである。マッタク勉強してない日もあるので、そこを除くと15日だ。

年初に思いっきり詰め込んだ。

STUDYING(スタディング)だと、動画研修→受講内容の復習問題の順番でサクサク受けられる。

これは人によるかもしれないが、筆者は本で読むよりは動画で見て聞いた方が頭に入ってくるタイプなので、講師による分かりやすい解説の動画をぽんぽんと受講できるのが、肌に合ったのが大きいと思われる。

点を稼ぐのは『工業簿記』

簿記2級は『商業簿記』と『工業簿記』の2種類の問題が出る試験だ。つまりその2つを覚えなくてはいけないので、かなり広範になる。

ただでさえ簿記が嫌いなのに、その種類が2つになるのだ。最悪だった。

最後に筆者の得点はお見せするが、実は『商業簿記』より『工業簿記』の方がテーマがはっきりしていて覚える範囲が少ないので、『工業簿記』の40点を目指してきっちり取ると救われる。

『商業簿記』の難敵、連結会計

連結会計の問題はめっちゃ意地悪なのが多い。だいたい「S社株式」を買って子会社化して、1期後、2期後の連結精算表とか出してくる。

連結会計の勉強をしていると、世間様の話題で見るM&Aなんて処理を考えると最悪だなと思う。会計責任者は偉い。

ちなみに筆者は親子間取引修正の未実現利益修正が、一番嫌いだ。理屈が分かってても、貸し借りが混乱する。子会社あるいは親会社に商品を利益を乗せて売るんじゃねえ。

4.勉強のコツ

全体を理解する。そして、問題を潰す。簿記2級はこれに限ると思われる。

仕訳問題対策(第1問・第4問)

第1問は「商業簿記」、第4問は「工業簿記」で基本的な仕訳問題が出る。これは、その問題だけで完結する仕訳ということだ。

仕訳については、問題の傾向とパターンが存在するので、内容を理解したうえで仕訳をひたすら機械的にやるのをオススメする。STUDYING(スタディング)だと仕訳トレーニングがあるので、それを隙間時間にひたすらやる感じだ。

商業簿記の複合問題(第2問・第3問)

貸借対照表(連結精算表の貸借対照表部分)と損益計算書を作らせる問題が多い印象。株主資本等変動計算書はあまり出てないのでは。

問題形式に慣れるのと同時に、基本的な仕訳の詰め合わせなので一つ一つの精度を上げる形になる。あとは各作成資料にある「独特な仕訳」を覚えなくてはならない。

工業簿記の複合問題(第4問・第5問)

こちらは簿記3級からだとお初にお目にかかります、という問題ばかりなので、きっちり基礎を押さえるのが大事だろう。

材料・労働・経費→仕掛品(製造間接費→仕掛品)→製品、の流れを掴めるようになると、呑み込みが早くなると思う。

配賦差異は独特な印象だが、グラフを書けるようになるのがコツだ。あとは、、、覚えるしかない。工場を持つ会社の会計責任者は偉い。

可能ならネット試験をお試しで

受験料が掛かるしネット試験でも試験場所が遠いから、一発合格を目指すというのもあるかもしれない。が、ネット試験であるからこそ、それを利用して先に試験の雰囲気を掴むのも良いと思う。

2級と3級の簿記はネット試験が導入されて、かなり受験しやすくなった印象だ。思い立ったらこの日までにやると、自分で受験日を設定できるのが良い。

基本的には何回も受けられるので、実力判定に本試験を利用するのも手だ。

5.合格点数

筆者は78点で日商簿記2級をネット合格した。短期間で合格まで行けたのだから良しとしよう。

試験場で印刷できる

なお、問題は第2問は連結会計。憎き、子会社化後2期後の整理仕訳をしろという問題。第3問は損益計算書作成問題だ。工業簿記の第4問、第5問で点数を稼げたのが功を奏した。

6.おわりに

ここまで読んでくださった奇特な方の、簿記勉強の参考になっていれば幸いである。何かご質問があればコメントを残していただければと思う。可能な限り、お答えしたい。

憎き簿記との付き合いはまだまだ続くので、おそらく体験記はもう一度や二度出すと思う。その時は、また付き合っていただけると嬉しい。




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