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「靴選びと男選びに妥協は禁物」

表題は「東京ラブストーリー」で読んだセリフ。

確か、赤名リカが靴を買う場面で友人が言った言葉。

まさか何十年後に、その言葉が身に染みるとは。

ずっと右足の甲が痛くて、湿布を貼ったりマッサージしても治らない。

整体に行って揉んでもらったりもしたが効果は薄い。

どうやら新しい靴にしてからのようだ。少しサイズが緩いせい。

ここでスパッと新しいのが買えればいいが、何せ私は貧乏性。

そこそこの値段の靴なので捨てるには忍びなく、100均で中敷きを買ってみたり、靴屋でサイズ調整のパッドを買ってみたり。

足の甲の痛みは和らいだが、今度は盛大に靴擦れが生じた。歩くのも辛くて、駅からは普段は乗らないバスに乗って帰宅するほど。

そこでようやく表題の言葉を思い出す。

今日、新しい靴を買いに行った。休日なのでTシャツに半ズボンというラフな格好。

前回とは違い、店員さんとも良く話し、念のため右足だけ薄手の靴下を履いて歩いたりもして確かめた。

「あ、簡単な包装でいいですから」私は上機嫌で店を後にした。

昼飯をすた丼で食べ、プリンターの替えインクを購入し、妻のお土産にと銀だこに寄った。

両手に様々な買い物袋を提げて、ようやく家に帰ってきて、靴を脱いだ時に気付いた。

右足だけ、靴屋さんで借りた薄手の靴下を履いたままだった。

右足はふくらはぎが隠れる黒い靴下。

左足はくるぶしまでの白い靴下。

この格好のまま、期限良さそうに繁華街で買い物を続けていた私。

老いだ。間違いなく老いである。

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